ヘラルボニー(HERALBONY)異彩を、放て。

ねこパンクがアトリエで絵画を描いている画像

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こんにちは!変な人代表「ねこパンク」です。

今回は、

ヘラルボニー(HERALBONY)について書いてみたいと思います。

皆さんは「ヘラルボニー」をご存知でしょうか?

岩手県盛岡市を拠点に活動する、

2018年7月に設立された

「異彩を放つ作家とともに、新しい文化をつくるクリエイティブカンパニー」です。

障害のあるアーティストと正式にライセンス契約を結び、

・アパレル

・雑貨

・インテリアの販売

・企業や自治体とのコラボ企画

・空間プロデュース

など、幅広く展開しています。

そして、

「支援する」のではなく、「異彩を、放て。」

というメッセージのもと、

アートの価値そのものを社会に提示しています。

参照元 : (株式会社ヘラルボニー)公式ホームページ

ヘラルボニーと契約している作家の皆さんは、

知的障害などの理由から、一般就労が難しいとされてきた方々です。

多くの場合、就労継続支援B型(B型作業所)で、

自分のペースでゆっくり働くという道を選びます。

「ゆっくり働く」という言葉は優しく響きます。

しかし現実には、単純作業が中心となり、

工賃も決して高いとは言えない状況が続いている場所もあります。

素晴らしい才能があっても、

それが十分に評価される機会は多くありません。

その構造に一石を投じたのが、ヘラルボニーです。

Instagram : HERALBONY(ヘラルボニー)

謎の言葉「ヘラルボニー」

幼い猫パンくがお絵描きしている画像

「株式会社ヘラルボニー」を共同設立した双子の

松田文登氏と

松田崇弥氏には、

4歳年上の兄、松田翔太さんがいます。

自閉症と先天性の知的障がいのある翔太さんが、

7歳の頃、自由帳に何度も記した謎の言葉。

「ヘラルボニー」

この謎の言葉に意味を与えたいと願い、

社名にしたそうです。

自由帳に書かれた言葉、ヘラルボニー。

一見すると意味がありそうに感じますが、

閃きから生まれた造語のようです。

その言葉が、社名やブランドになる、

なんだかもう、夢が詰まっていますよね。

私が初めてこの“謎の言葉”を聞いたのは、1年ほど前。

知り合いから、こんなふうに言われました。

「ヘラルボニーって知ってる?」

「障害×アートで最近有名になってる会社だよ」

「JALとかがいろいろ提携しているところだよ」

「あー、それ知ってる。ヘラルボニーって言うんだね」

そのとき、頭の中でぐるぐるしていました。

“ヘラルボニー”って言葉、知らないなぁ。

なんて意味なんだろう。

「本とか出てるみたいだよ」

「好きそうだから検索してみれば?」

なるほど、と思いながら

その後、その会話自体を忘れていました。

そして先月、2月初旬に。

その友人が

「最近出たへラルボニーの雑誌、買ったよー」と言うのです。

私も買ってみようかな、と考えていたそのとき。

なんという偶然、

事業所入り口横の棚に、

発売されたばかりの雑誌

『ヘラルボニー現象』を発見。

その内容は非常に興味深く、

すっかり心を持っていかれました。

そしてわたくし”ねこパンク”は、

2022年10月発売の
「異彩を、放て。」

を購入することにしました。

すぐにその内容に引き込まれ、購入後二日で読破。

1年越しに、

“ヘラルボニー”という言葉の

本当の意味、思いを知ることになったのです。

自由帳の中の、名もなき言葉。

そこから始まった物語が、

今、社会を動かしている。

そう思うと、やっぱり

夢が詰まっていますよね。

 

「異彩を、放て。」

絵の具の雨の中で両手を広げて天を仰ぐねこパンクの画像

前章で少し触れている、2022年10月に発売された

『異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える

という単行本。

「異彩を、放て。」とても力強い言葉です。

この本を読んでみると

第1章 お兄ちゃんと僕

「ふつう」じゃないって、かわいそうなの?

そこに松田文登氏が小学校四年生の頃に書いた作文が

掲載されています。

兄、翔太さんのことを綴った内容。

後半から偏見や疑問について

そして作文の最後、締めの言葉。

「障害者だって同じ人間なのに。」

ぼく達と同じようにふつうに見てもらいたいです。

引用元:松田文登 松田崇弥 『異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える』(新潮社)2022年

この部分を読んだだけで、一気に引き込まれました。

小学生のまっすぐな言葉は、

大人の理屈よりも、ずっと鋭いと思います。

双子の兄弟、

松田崇弥氏と文登氏が成長していく物語。

兄に向けられる世間の偏見。

すれ違い。葛藤。

そして、自分たちが理想とする未来に対しての追求。

「どうして“かわいそう”になるんだろう?」

「どうして“特別扱い”なんだろう?」

二人は、その問いを抱えたまま大人になり、

理想を言葉にし、

言葉を行動に変え、

やがてそれが形になっていく。

るんびにい美術館との出会い。

社外プロジェクトで始めたブランド「MUKU」

そして、機は熟し、

2018724日。僕らは人生を賭けて、「自閉症の兄が幸せになる社会」を実現したいと、起業した。そして今、僕らは人生を賭けて、「知的障害のある人とその周りが幸せになる社会」を実現しようと、決心している。

引用元:松田文登 松田崇弥 『異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える』(新潮社)2022年

株式会社へラルボニーの誕生です。

福祉を軸とした新しい考えの企業が出来上がっていく様を、

目の当たりにできるこの一冊。

それは単なる起業ストーリーではなく、

理想をどう現実にしていくかの記録であり、

問いをどう社会実装していくかの軌跡でもあります。

2022年10月に発売された

異彩を、放て。: 「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える

この本は、ある意味、

“革命を目指す宣言書”なのかもしれません。

声を荒げる革命ではなく、

誰かを否定する革命でもない。

静かに、しかし確実に、

価値の基準をひっくり返していく革命。

「支援」という枠を超え、

「かわいそう」という視線を超え、

“異彩”を社会の真ん中へ置こうとする試み。

その思想を体現しているのが、

ヘラルボニーという存在。

ページをめくるたびに感じるのは、

怒りではなく、覚悟。

理想論ではなく、実行。

福祉を“守る領域”から、

“価値を生み出す領域”へ。

それは確かに、革命です。

でもその革命は、

遠い誰かの話ではなく、

私たち一人ひとりの「普通」に向けられています。

本当は、変わるべきなのは

個人ではなく、

社会の”ものさし”なのかもしれません。

そう思わせてくれる一冊です。

「普通に生きるとは何か」

考えてるねこパンク画像

ねこパンクには、長年の課題があります。

「普通に生きるとは何か」

この問いは、ずっと心のどこかに居座っています。

うまくできない日があるたびに、

波に飲まれるたびに、

私は“普通”を探してきました。

でも、

ヘラルボニーが示している世界に触れたとき、

「可能性」という言葉に、強く励まされました。

普通からはみ出しているからこそ、見える景色がある。

“普通”じゃないからこそ、世界にはまだない世界が描ける。

“普通”じゃないからこそ、

誰にも真似できないリズムを奏でることが出来る。

私はこれまで、「普通じゃない自分」を

どこかで修正しようとしてきたのかもしれません。

その問い自体が、

“普通であろう”とする私の表れだったのだと思います。

世間からの波を小さくしようとして、

自分自身の色を薄くしようとして、

そして自身の存在としての音量を下げようとして。

目立たないように。

はみ出さないように。

“ちょうどいい人”であるように。

でもそれは、

生きやすくなるための工夫だったのか、

それとも、

自分を守るための殻だったのか。

ヘラルボニーの掲げる

「異彩を、放て。」という言葉は、

私の課題とは、

その真逆を示しているように感じます。

「普通じゃないことは、欠陥じゃない。」

それは、

まだ現代社会がうまく扱えていないだけの個性で、

まだ一般的に言語化されていない才能で、

まだ世間的な評価軸が足りていないだけなのかもしれない。

“普通に生きる”を目指すより、

“自分のままで立つ”ことのほうが、

勇気や覚悟が必要なのだと思います。

でもきっと、その先にあるのは

修正、矯正された人生ではなく、

自分自身が奏でる音とリズムが響く人生ではないでしょうか。

あなたにとって「普通」とは何ですか?

おわりに

 座り込んで本を読んでいるねこパンク画像

今回は、

ヘラルボニー(HERALBONY)について書いてみました。

異彩を放つ作家と対等に契約を結び、

その表現を社会へと広げていく。

福祉の枠を超え、

文化と経済のフィールドへ。

ヘラルボニーは、

異彩を放つ作家とともに、新しい時代を築こうとしています。

それは単なる企業という枠を超え、

新しい可能性と変革を目指す存在であり、

ひとつの“運動”とも言えるのではないでしょうか。

これからも、目が離せない存在です。

ねこパンクがギターを弾いている画像

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

ねこパンクでした。

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3 件のコメント

  • hibiki

    おはようございます。毎度、hibikiです…(笑)
    普通って、何なんだろう?と私もよく考えます。こうして、毎朝起きて仕事に行くなど…が、普通なのか?それも普通ですよね…
    一人一人普通とは、違うと思っています。それぞれが、過ごす人生が日常というのかもしれません(⁠^⁠^⁠)

    いつも、切り口がおもしろい視点で、記事をお書きになるのは、さすが人生の先輩だと思っています(⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠)
    長々とすみません!勉強になりました!

  • hibikiさん、コメントありがとうございます。
    普通って何だろう、悩ましき課題です。
    普通を求めているのに向かう先は違う方向
    記事を書いて良かったことは一つの答えが導き出されたことですかね。
    日本人は同じということに安心や義徳を感じたりしますが
    そうでないのも楽しいことです。

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