この記事は約 10 分で読むことができます。
この度、一般社団法人『Special Needs Support』代表理事の小林昌代さんにインタビューさせていただきました!
小林さんの長女さんは先天性の難病「コルネリア・デランゲ症候群」。
次女さんは染色体異常が原因の難病「18番部分トリソミー」をそれぞれ抱えています。
娘さん二人の移動には、「子ども用車いす」が欠かせませんが、これまで何度も優先エリアで係りの人に呼び止められて困っていました。
小林さんご自身の経験や周りの障がいを持つお子さんを育てる親御さんの声を受けて、「子ども用車いす」マークを作成。minneや福祉イベントなどで販売されています。
今回のインタビューを通じて、一般社団法人『Special Needs Support』の活動や、「子ども用車いすマーク」について、今後の展望などについて伺いました。
今回お話を伺ったのは、翼祈、海音、島川です。
ぜひ前後編併せて最後までご覧になってください!
お子さんたちの難病と、支援について
翼祈:長女さんが罹患している先天性の難病「コルネリア・デランゲ症候群」について、教えて頂けますか?また、長女さんには、どの様な症状がございますか?
小林さん:長女の疾患のコルネリア・デランゲ症候群は3から5万人に1人が発症すると言われる、先天性の遺伝子疾患です。症状は軽度から重度まで様々あります。
長女には重度の知的障がいと運動機能の障がいがあり、話はできない状況です。
翼祈:続いて、次女さんが罹患している染色体異常が原因の難病「18番部分トリソミー」について、教えて頂けますか?また、次女さんには、どの様な症状がございますか?
小林さん:次女は18番部分トリソミーという、 一般的な18トリソミーの子の症状とは少し違いますが、18番の染色体異常で、18番の一部が3本ある病気です。
次女は重度の知的障がいと身体障がいがあって、1人で立ったり座ったり歩くこともできない状況です。次女も話はできません。
翼祈:小林さんは、元々大学病院、企業診療所で看護師として勤務されていたとお聞きしました。娘さん二人が難病だと分かった時、どの様な気持ちを抱きましたか?
小林さん:看護師だからとかは違うかもしれないですが、一般的な母親として、なぜ私のところに、この子達は生まれてきたのかと感じました。
翼祈:長女さんの難病を知った時に、小林さんがご主人の最初で最後の涙を見たというエピソードも拝見させていただきました。娘さん二人の難病をきっかけに、ご主人が生活や家族を支える面で変わったことはございましたか?
小林さん:夫は昔から優しい人で、子供達が難病、二人ともケアが必要だと分かってから、積極的に育児、通院に協力してくれています。
夫は元警察官で、勤務時間帯が長い24時間勤務や、朝家を出て、次の日の昼に帰ってくるシフトの仕事でした。
長女だけの時は両親に手伝ってもらってどうにか私一人でも生活できていましたが、下の子が生まれて、1人では夜は見ていられず、夫は夜勤のない仕事に転職してくれました。
今は利用可能な福祉サービスや医療介入は全てお願いしていて、本当にたくさんの方に支えられて、生活ができている状況に、日々感謝しています。
翼祈:娘さん二人が難病だと分かった後、訪問看護ステーションの所長である看護師さんの言葉に救われたとお聞きしましたが、どの様な言葉だったのでしょうか?
小林さん:「頼ってね」と言ってくれたことだったと思います。
私自身、看護師だからきちんとしなきゃと思って、かなり必死に毎日を過ごしていました。
訪問看護ステーションの所長さんは、私よりも経験豊富な先輩看護師さんです。
「1人で頑張らなくていいよ、頼っていいんだよ」と言ってくれたことが印象的で、その言葉に救われました。
翼祈:長女さんが罹患している「コルネリア・デランゲ症候群」は小林さんが看護師時代、教科書にも載っていなかったとお聞きしました。
その後、患者家族会に入会したそうですが、入会する前後の心境の変化を教えて下さい。
小林さん:長女は今中学校1年生で13歳です。長女が生まれた頃はまだSNSの情報も少なく、病気の情報を知る手立てが、あまりありませんでした。
将来を見据えて、治療法や対処法を詳しく知りたくて親の会に入りました。
親の会では、様々な年齢層のお子様を育てている親御さんと繋がれたため、育児の不安が少し解消されました。
翼祈:娘さんはどちらもお話ができないとのことでしたが、二人の娘さんを見ていて、どの様なところに成長していると感じられますか?
小林さん:長女は言葉で「開けて、お菓子を食べたい」とは言えませんが、お菓子を食べたい時、自分でお菓子の袋を持ってきて、私や誰かに渡してこれを開けて下さいという意思を伝えることができます。
コミュニケーションを取ることで、生活する力を身に付けた部分が成長したと思っています。
翼祈:娘さん達は以前、別々に病院を受診していて、今は同じ病院を受診しているそうですが、二人を同じ病院にしたことで、良かったことはありましたか?
小林さん:入院した時に小児科は保護者の付き添いが絶対で、同じ病院だと安心できます。 受診の日も調整し、二人一緒に1日で受診が終わることができることが助かっています。
翼祈:長女さんのエピソードには、「モケケ」というキャラクターが欠かせないと聞きました。「モケケ」は、どの様な存在ですか?
小林さん:「モケケ」は長女の相棒的存在です。
翼祈:次女さんは、学校で医療的ケアが必要だと聞いたのですが、その中で小林さんはなぜ学校看護師という仕事に就く方の重要性を感じたのですか?
小林さん:医療的ケアのある子どもたちは、ケアの方法一つで命に関わることもあります。しかし、子どもたちにとって学校は大切な学びと成長の場です。
その環境の中で子どもたちの命を守り、安心して学校生活を送れるよう支えてくださる学校看護師さんは、とても重要な役割を担っていると考えています。
翼祈:小林さんは、医療的ケア児等コーディネーターの資格を取得されたとお聞きしましたが、資格を持つことで娘さん二人と接する時に役に立つことは、何がありますか?
小林さん:地域、医療、福祉との繋がりをコーディネートする役割の資格です。
2人の育児に直結して役立つことはあまりないかもしれませんが、社会の仕組み全体を私自身が親として理解し、娘達が将来安心して暮らしていける様に支援がしたい、学びたいと思い、資格を取りました。
翼祈:娘さん二人を病院に連れて行く時、小林さんは2台分の子ども用車いすを押していると聞きました。以前は2台押すことが大変だったそうですが、どの様にして身体の負担を減らしていますか?
小林さん: 基本的に二人が受診する時は、夫が仕事を休んで協力・同行してくれるので、駐車場が病院で混んでいたり、受診の予約の時間が迫っている時は私が二人共車椅子を2台隣同士に並べて、右手と左手で押す形で連れて行きます。
何も気にせずやってきましたが、今は慣れてきて、バランスを取れる様になってきました。
子ども用車いすマーク開発について
翼祈:小林さんが娘さん二人が障害者手帳を持っているので、障害者優先のスペースに停車しても、何度も「ここに停めないで」と係の人に言われたとお聞きしました。
その時に、どの様なことを思われましたか?
小林さん:障害者手帳を提示して説明してすれば、分かって下さっても、その都度説明することに疲れてしまい、またかと毎回憂うつな気持ちになっていました。
翼祈:子ども用車いすをご存知のない方に、どういうものなのか、教えて頂けますか?
小林さん:子供用の車いすは、子供の身体の状況やサイズ、形に合わせた車いすです。
自分で車椅子を操作できない子供も多く、自分で動かせる自走式と子供は動かせず、介助者が動かす介助式の2つのタイプがあります。どちらも福祉用具です。
翼祈:「子ども用車いすマーク」の開発までの経緯を教えて下さい。
また、「子ども用車いすマーク」に託した想いも教えて下さい。
小林さん:子供用車いすマークはベビーカーに間違えられやすいのですが、最近海外製の赤ちゃん用のベビーカーがどんどん入ってきていることも原因です。
海外製のベビーカーは、昔のコンパクトな日本製のベビーカーよりもごつくて、子供用車いすと少し似てる部分があるため、どうしても間違えられやすいです。
ベビーカーとは違い、歩ける子供が乗っているわけではありませんので、区別して知ってもらいたいという意味も込めて、子供用の車いすマークが欲しいなと思いました。
私達が子ども用車いすマークを作る前にも何ヵ所か、皆さんオリジナルで色んな車いすマークは作られていて、それを選択するのも1つの手でしたが、私達の中で気に入るものがありませんでした。
一緒に作っている仲間と「私達が付けていて、ご機嫌な笑顔でお出かけができたできたらいいよね」と話していて、ないなら自分達で作ろうと思ったことがきっかけで作り始めました。
翼祈:元々のデザインは、小林さんのご主人が発案されたと聞きました。最初にご主人が描いた「子ども用車いすマーク」を見た時に、どう感じましたか?その後の完成品を見た時の感想も教えて下さい。
小林さん: デザインのイメージは伝えていたため、イメージ通りになっていて、可愛いなと最初思いました。今私は代表をしていますが、副代表の友人にデザイナーさんがいます。
そのデザイナーさんによるとピクトグラムにはどの人が見ても見やすい正式な規格があるそうで、直していただいて今の形になりました。今の形は誰でも見やすいと評価をいただき、満足しています。
海音:「子ども用車いすマーク」を付ける様になってからの環境の変化や、生活のしやすさはどの様なものがございましたか?今は対面やハンドメイドアプリなどで販売されていますが、その中で特に印象に残っている反響や声はございますか?
小林さん:つけるようになってから、優先駐車場で、毎回説明しなくてもスムーズに伝わる場面が増えてきて、作った自分たちも満足しています。
自分たちが気に入って付けていると、周りの友人にも「どこに売ってるの?」「どうやって作ったの?」と、問い合わせが来るようになりました。
それがきっかけで、私達がいいと思っているもので皆さんにもシェアしようと、ハンドメイドアプリを使って販売し始めました。
「可愛くて、こんなマークを待ってました」と評価をいただいた時は嬉しかったです。
翼祈:「子ども用車いすマーク」はマルシェや福祉機器展などのイベントでも販売されていますが、対面になってより必要としている方の声を聞くことが増えましたか?
小林さん:増えましたし、直接ユーザー様の声を聞かせていただける良い時間です。
本当に子供だけでなく大人も使っていいの、使いたいよなどの声も聞けました。
みんなの欲しい形にいい意味でどんどん進化していると思います。
翼祈:「子ども用車いすマーク」を販売した後で、お客様の声を聞き、改良したものはありますか?
小林さん:キーホルダーとマグネットと吸盤の3種類を作っています。
キーホルダーは、バギーに直接付ける形を想定して作り、元々子供用車いすを啓発したかったため、子供車いすの文字を入れていました。
大人の方から「私も使いたいのですが、文字が子供になっていて、大人だから使えない」との声をいただいたため、文字なしのものも作ってリリースしました。
前編はここまでです。
後編はこちらから読めます。
関連情報
公式ホームページ:
https://special-needs-support.com/
公式インスタ:
https://www.instagram.com/specialneeds_supporter?igsh=MW8yNTJ0OXRsamVkdw==
公式minne:








コメントを残す