小児などのT細胞性急性リンパ性白血病の患者に、ネララビン投与で生存率が上がる成果。 

T細胞性急性リンパ性白血病 ネララビン

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

急性リンパ性白血病とは、白血球の一部を占めるリンパ球の基盤となるリンパ芽球という細胞ががん化してしまう、小児がんの中で最も多い疾患の1つです。小児や若年成人は、毎年およそ600人が発症し、その中で10~15%が「T細胞性急性リンパ性白血病」と言われています。

急性リンパ性白血病全体の生存率が90%を超える中でも、「T細胞性急性リンパ性白血病」の治療成績は乏しく、治療の早期開発が大きな課題でした。

そんな中、小児や若年成人の「T細胞性急性リンパ性白血病」を、「ネララビン」投与などで生存率が90%以上まで上げることが可能になったという研究成果が日本各地の小児がんセンターから届いています。

小児や若年成人の「T細胞性急性リンパ性白血病」に関して、「ネララビン」など、投与する薬の種類や量を増加させると、3年後の生存率が71.0%から91.3%に向上したと、日本国内の小児病院などでつくる小児がんの研究グループが明らかにしました。

「T細胞性急性リンパ性白血病」の標準の治療法になることに、期待が込められるといいます。

今回は、「T細胞性急性リンパ性白血病」の新たな研究成果について紹介します。

「T細胞性急性リンパ性白血病」の生存率を上げられた研究成果の詳細

日本各地の小児病院などが参加する「日本小児がん研究グループ」などは、0歳から25歳未満の「T細胞性急性リンパ性白血病」の患者349人を対象に、2011年から2021年まで経過観察をした、臨床試験の結果を国際的なイギリスの医学雑誌[ランセット・ヘマトロジー]のオンライン版に、2023年5月8日付で掲載されました。

臨床試験は2011年に日本各地の125施設でスタートしました。これまでの治療では抗がん剤と炎症を抑制する薬が使用され、15歳未満では今まではB細胞性と比べて生存率がおよそ10%低かった、「T細胞性急性リンパ性白血病」の3年後の生存率は71.0%でしたが、臨床試験を行う中で患者に対応させながら抗がん剤の量を増やしていく上で、薬が効きづらい患者に「ネララビン」という薬を追加して投与するなどした結果、3年後の生存率は91.3%まで向上したことに合わせ、造血幹細胞移植や、副作用の強い放射線治療を受ける割合を半分の人数まで減らせることに成功しました。

3年後生存率以外にも、再発や二次がんが起こることなく、生存可能な割合も75.9%から86.4%まで向上しました。低身長や不妊など副作用の強い造血幹細胞の移植や頭部への放射線照射を受けるといった、負担の大きい治療を受ける患者も激減したということで、既に日本各地の多くの病院で導入され、世界でも広く取り入れられることに期待が持たれるといいます。

鹿児島大学小児科の岡本康裕教授によりますと、現在、この「ネララビン」という薬を追加して投与する治療法は実際に臨床試験に参加した病院などで加速していて、65歳未満を対象とした臨床試験もスタートしています。

参考:小児に多い白血病 “薬の種類や量増やすと生存率向上”と研究G NHK NEWS WEB(2023年)

また、鹿児島大学小児科の岡本康裕教授は、「今回の研究成果は世界でもトップレベルの成果でした。小児や若年成人以外にも、これから先は成人の患者にも応用することができたら」と語りました。

「日本小児がん研究グループ」の運営で重要な役割を果たした埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科の大嶋宏一医長はこの度の研究成果に関して、「『T細胞性急性リンパ性白血病』は再発させないことがキーとなります。生存率の向上に加えて、小児や若年成人にとって、『T細胞性急性リンパ性白血病』を治療した後の長い人生において、合併症のリスクを『ネララビン』という薬を追加して投与することで、低減させられることが大きな成果でした」と説明しました。

「日本小児がん研究グループ」の1人で宮城県立こども病院の佐藤篤医師は「91.3%の人が助かるというのは、『T細胞性急性リンパ性白血病』を発症した人たちの励みになる研究成果だと思います。さらに良い治療法を確立していきたいです」と述べました。

私の白血病のイメージ

白血病を治療する方法で、ドナーとなると、やはり難しいイメージがあります。白血病になるとドナーを探すわけですが、まずはご両親。ご両親が駄目なら兄弟。兄弟が駄目なら親戚。と色々ドナー探しをしていくわけですが、血の繋がっている人全員が該当しないと、それからドナーバンクで、になりますし、拒絶反応もあったりとかで、完治に時間がかかると思います。

水泳の池江璃花子選手も白血病を公表しましたが、治療期間はあっても、今は選手として水泳に復帰されている。それは早期にドナーが見つかったってことですし、奇跡だと思います。

あの時にも、池江選手が「ドナーバンクに登録して下さい」と呼びかけられていましたし、ドナー探しは他人しか合わない場合、見つかるまでが長い旅だと思います。

今回の記事では小児と若年成人の白血病で、特に治療が難しい「T細胞性急性リンパ性白血病」にかかっても、生存率が上がったという研究成果を紹介しました。どの病気、障害などでも、研究には時間がかかります。1つでも何かをクリアして、乗り越えていくものだ、と今回も思いました。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。