誰でも見やすい「カラーユニバーサルデザイン」のススメ

色

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 こんにちは、nonoです。

 最近は、街中を歩いていると幅が広く車いすやベビーカーでも無理なく通れる自動改札や、高低差がなく乗り降りしやすい「ノンステップバス」、海外の方向けに数か国語で書かれた案内板など、多種多様な人々に配慮した設備を見ることが多いですよね。

 多様性とその受容が叫ばれる現代では、さまざまな人が利用することを想定した「ユニバーサルデザイン」の重要性が高まっています。

 今回は、そんなユニバーサルデザインのひとつ「カラーユニバーサルデザイン」についてお話しします。

「カラーユニバーサルデザイン」とは

 カラーユニバーサルデザインは、読んで字のごとく「色彩に関するユニバーサルデザイン」のことです。

 そもそもユニバーサルデザインとは、お年寄りや障害者など一部の人に向けて「特別に」設計するバリアフリーとは違い、老若男女が身体機能や言語の壁にはばまれることなく同じように使えることを考えたデザインを指しています。

 分かりやすく言えば、「左利き用のハサミ」よりも「両利き用のハサミ」がユニバーサルデザインに近いことになります。

 つまり、カラーユニバーサルデザインでは色覚異常によって色の区別がしづらい人に――そして色覚異常がない人にもわかりやすいような色使いを心がける必要があるのです。

色覚異常の色の見え方

 「色覚異常」と一口に言っても、色の見え方にはさまざまなタイプがあります。

 色覚異常を持つ人の色の見え方を再現するメガネやフリーソフトも存在しますが、これは強度の色覚異常の人の視界を想定しているので、実際の色の見え方は当事者でなければ正確にはわからないでしょう。

 しかし、「カラーユニバーサルデザイン」としては強度の人でも軽度の人でも見やすいデザインを心がけなければいけません。そこで、色覚異常には複数のタイプがあることを前提に見やすい色を考える必要があるのです。

 例えば、下の画像を例にしてみましょう。色覚が正常な人は左側の輪っかを見ると、それぞれ異なった色がグラデーション状に並んでいることがわかります。

 一方、色覚異常の人は緑から赤の範囲が同じ色に見えたり、紫と青の区別がつかなかったり、濃い赤と黒の違いがわからなかったりします。

 カラーユニバーサルデザインでは、これらの「見分けづらい色」の存在を念頭に置いて見やすい色を選んでいきます。

色覚に関わらず、見えやすい色の置き方

 カラーユニバーサルデザインでは、強度の色覚異常だけでなく、中等度以下の色覚異常の人や正常な色覚を持つ人にも見やすい配色を心がけます。

 例えば、黒の背景に置いた文字を強調したい場合、文字を赤くすると色覚異常のタイプによっては黒と溶け込んで見えなくなってしまいます。

 誰にでも見やすくするためには、黒の背景には白か黄色を合わせるのがベストです。どうしても赤系統を使いたいのなら明るいオレンジや赤橙を使うか、文字の周りに白く縁取りをしたり背景を白にしたりするとよいでしょう。

 また、赤と黒以外にも、「水色とピンク」「黄色、黄緑、明るい緑」など、違いが分かりにくい色が存在します。

 見やすい配色を作る場合は「明度の違う色でコントラストをつける」「彩度の低いパステルカラー同士は避ける」「暖色と寒色のように正反対の色相を使う」ことを心がけると視認性が良くなります。

 また、どうしても特定の色を判別してもらう必要がある場合はデザインの中に「色の名前」を記載したり、文字の強調がしたい場合は赤橙色に下線などの装飾を合わせたりするなど、さまざまな工夫を取り入れることで誰にでもわかりやすいデザインが作れます。

「誰かのため」ではなく「みんなのため」のデザイン

 ユニバーサルデザインは、「健常者」「障害者」「高齢者」などという特定の層ではなく、すべての人が使うことを想定した上で作られたデザインです。

 手足が使えない人や体が弱い人のことを考えてデザインしなければ、健常者であってもけがをしている人、体調を崩している人などが利用する場合不便に感じてしまいます。そのために、幅広い層に通用する「使いやすさ」「わかりやすさ」を追求する必要があるのです。

 カラーユニバーサルデザインもそれと同様に、色覚異常がある人のみならず、視力が悪い人や目が疲れやすい人にとっても見やすい色使いを考えるものです。

 案内板や広告などで、「見やすい色使い」と「見づらい色使い」がされていた時、より情報が伝わりやすいのは前者のほうです。伝えたいことをきちんと受け取ってもらうためにも、文字の配色には気を配りたいですね。

 カラーユニバーサルデザインについては「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット」のガイドブックがインターネット上で配布されているため、デザインに携わる方は一度目を通してみてはいかがでしょうか。

参考元:公益社団法人 日本眼科医会 東京都福祉保健局

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