殺虫剤の効かない、“スーパー耐性”を持つ蚊「ネッタイシマカ」が東南アジアで確認。 

ネッタイシマカ

この記事は約 9 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

デング熱やジカ熱などの熱帯感染症を媒介する蚊「ネッタイシマカ」に、殺虫剤の効かない“スーパー耐性蚊”が拡大しているのをベトナムとカンボジアで確認されたと、国立感染症研究所などのチームが明らかにしました。ベトナムやカンボジアでは8割以上の蚊がこの“スーパー耐性”を持っています。

「ネッタイシマカ」は東南アジアや中南米などに生息しているヤブ蚊の一種で、高熱や頭痛を引き起こすデング熱や黄熱、妊婦が感染すると頭が小さい赤ちゃんが生まれる恐れがあるジカ熱など、重い感染症を媒介します。

「ネッタイシマカ」の防除方法の見直しを図ると同時に、耐性を持つ「ネッタイシマカ」の分布拡大への警戒心が必要です。

今回は“スーパー耐性蚊”の「ネッタイシマカ」が確認されたカンボジアとベトナムのこと、2021年の実証実験のことなどについてお知らせします。

“スーパー耐性蚊”の「ネッタイシマカ」が東南アジアで確認

国立感染症研究所などのチームは、ベトナムとカンボジアの都市部計4ヵ所で「ネッタイシマカ」を採集し、遺伝子を調査し、ピレスロイド系と呼ばれている一般的な殺虫剤への耐性があるかどうかを調べました。その結果、昆虫の神経系に働きかける、一般的な殺虫剤の成分「ペルメトリン」への耐性を与える遺伝子変異「L982W」が、どの地域でも約8割の蚊で発見されました。

同じ殺虫剤を使い続けたことによって、遺伝子の突然変異で耐性を持った蚊が生き残り、繁殖している恐れがあります。殺虫剤の濃度を通常の蚊では全部死ぬ濃度の10倍濃くしても、ベトナム北部の首都ハノイで採集した蚊の致死率は約20%程度に過ぎず、残り8割は死にませんでした。

ハノイや南部ホーチミンなどベトナムの3都市にいる蚊の79~99%、特に、カンボジアの首都プノンペンにおいては、「L982W」も合わせた二重の遺伝子の突然変異を持っている蚊が78%を超えました。

殺虫剤耐性に因果関係があると以前から判明していた他の3つの遺伝子の突然変異を含めたトータル4つの中で、2つの遺伝子の突然変異を持った蚊の割合がカンボジアのプノンペンでは91%を超え、殺虫剤への耐性が特に高まっていることも明らかとなりました。殺虫剤の耐性を持っている蚊はカンボジアから隣国のベトナムへと拡大した恐れがあります。これらは、殺虫剤に1000倍程度の耐性を持つと想定されます。

タイや中国、ラオスという他国では「L982W」の変異を持つ蚊は発見されませんでしたが、耐性を持つ「ネッタイシマカ」はインドシナ半島やアジアの他地域へと徐々に拡大しつつあります。日本でも地球温暖化に伴い「ネッタイシマカ」が越冬できる気候の地域は拡大していて、海外からの侵入や定着が危惧されています。

この研究データを記した論文が科学誌[サイエンス・アドバンシズ]に掲載されました。熱帯医学が専門の東京慈恵会医科大学の教授の男性は、「インドシナ半島全体で耐性を持つ蚊の拡大をきちんと調査し、ピレスロイド系殺虫剤の使う頻度を少なくし、他の成分の入った殺虫剤や防除法とかけ合わせて使用する必要もあります。殺虫剤の適切な使い方といった、国際的な議論を行うことも必要性を表す大きな成果です」と話しています。

「ネッタイシマカ」は日本では生息していませんが、航空機に侵入し、日本の空港検疫所で発見されたケースもありました。国立感染症研究所の昆虫医科学部長の男性は「決して他人事ではありません。ピレスロイド系が入っていない違う殺虫剤に変更するといった対策が早急の課題です」と述べます。

参考:殺虫剤効かないネッタイシマカ、東南アジアで確認…日本に侵入しデング熱など媒介の恐れ 読売新聞(2023年)

2021年「ネッタイシマカ」の実証実験も行われました。

アメリカのフロリダ州のリゾート地で、遺伝子改変した蚊2000万匹を野外に放出する実証実験が加速しています。デング熱など感染症を媒介する「ネッタイシマカ」の駆除を目的とする、アメリカでは初めての試みですが、地域住民からは人の健康被害や環境への影響を危惧する声も高まっています。

実証実験は「ネッタイシマカ」への対策を担当する島の行政局が英バイオ企業オキシテック社に依頼し、米環境保護局(EPA)と州が2020年、承認しました。遺伝子改変生物の野外放出は日本など各国が参加するカルタヘナ議定書に基づき規制されていますが、アメリカはこの議定書には参加していません。

実証実験は2021年5月、同フロリダ州南端のキーズ諸島からスタートし、雄の蚊の卵が大量に入った箱を置きました。卵は同英バイオ企業オキシテック社が遺伝子改変していて、雄と野生の雌が交配して産まれた子どもの中で、雌は人工合成した「致死遺伝子」が機能し幼虫の間に死にます。雄は成虫になっても、次世代に致死遺伝子が引き継ぐので、雌が増加せず「ネッタイシマカ」の数が減少し続けます。

同英バイオ企業オキシテック社によりますと、過去に野外放出した実証実験では、ブラジルで最大95%、イギリス領ケイマン諸島で8割の蚊を減少させることに成功しました。同英バイオ企業オキシテック社は「世界各地で約10億匹の『ネッタイシマカ』を放出しましたが、人や生態系への影響はありませんでした」と主張します。

日本では遺伝子改変した生物を野外放出するためには、カルタヘナ議定書に基づく国内法により国での承認が必要です。過去に国から承認されたケースでは農産物や医療用のウイルスが多いといいます。動物はカイコの承認ケースがありますが施設内で管理され、環境への野外放出は想定していません。

参考:ネッタイシマカ駆除へ、遺伝子改変した2000万匹を野外放出…米での実験に懸念の声 読売新聞(2021年)

地元の獣医師の男性は「デング熱や黄熱は深刻な感染症です。ネッタイシマカの駆除は早急な課題となっています」と実証実験に支持をします。遺伝子改変生物の問題が専門のカリフォルニア大アーバイン校の教授の男性も、「厳格で安全な実証実験を通過していて、人の健康被害や環境への影響はないだろう」と想定しています。

「ネッタイシマカ」の実証実験に反対する地域住民もおり、定期的に抗議集会や勉強会を開催し、実証実験中止の意義を募る立て看板も設けています。アメリカ内の複数の環境保護団体も「ネッタイシマカ」の実証実験に反対を表明していて、アメリカのメディアは「地域の分断が発生しています」と一報しています。

ジカウイルスの治療薬、ワクチンは?

問6 治療薬はありますか?

答 ジカウイルスに対する特有の薬は見つかっておりません。対症療法となります。

問12 予防接種はありますか?

答 ジカウイルス感染症に有効なワクチンはありません。

引用:ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて 厚生労働省(2016年)

花王、殺虫剤の効かない耐性蚊に効く界面活性剤を開発

花王は2023年6月20日、台所用洗剤やシャンプーに含まれる界面活性剤で蚊を駆除する方法を開発したと明らかにしました。タイなど熱帯地域で確認されている殺虫剤が効かない耐性蚊にも効果があるとされ、これまでの殺虫成分を使用しない新しい駆除剤として技術を実用化を目指すということです。

花王によりますと、蚊の身体の表面には細かい凹凸がある以外にも、水を弾きやすい物質で覆われているといいます。そのことで水を吹きかけても濡れづらく、雨の中でも飛び続けられていられるとされます。

そこで花王は、水と油を馴染みやすくする性質を持っている、洗剤やシャンプーなど一般的な製品にも幅広く使用されている「界面活性剤」に着目したといいます。界面活性剤を混ぜた水を蚊に吹き付けることで羽を濡らし、飛べなくするのに成功しました。

昆虫の体表面には、“気門”と呼ばれる空気の取り込み穴が存在します。表面張力の低い界面活性剤の水溶液を身体に付着させることで、この“気門”を塞ぎ、動けなくすることも可能です。

花王の研究員の女性は「子ども達の大切な命を守る新しい、耐性蚊の駆除技術として研究を加速させたいです」と説明しています。

花王はそれ以外にも2022年6月から[シリコーンオイル]を配合し、耐性蚊が肌に留まりづらくなる虫除けクリームをタイで販売しています。WHOの推計では、2023年は耐性蚊による感染者が特に多く、タイでは「現時点で既に2022年のおよそ5倍の感染者が出ている」ということです。

南米や東南アジアを中心に世界で年間3.9億人がデング熱に感染し、およそ2万人が亡くなっていて、「地球温暖化の影響や都市化の進展で耐性蚊の生息エリアが拡がっていることから感染者も高止まり傾向で、リスクはこれから先もっと高まるだろう」とも言われています。

花王は蚊の媒介で感染するデング熱やマラリアなどの被害を減少させる取り組みにも励んでいて、新しい駆除方法を研究しており、今後も取り組みを強化してしていきたい考えでいます。

参考:殺虫剤が効かない蚊にも効果か、シャンプーや洗剤の成分で駆除する方法を花王が開発 読売新聞(2023年)

私の家族は、

父だけ血液型が違うのですが、私と母は蚊が好む血液型です。母と私が同じ血液型でも、私の家の近くにいる蚊は、母の方が好きみたいです。

私は蚊に刺されてから、刺されたことに気付かず、痒くなって気付きます。夏場はお風呂の中にまで玄関から入って来るのですが、私がお風呂に入っている時に目の前に蚊が通っても刺されない時があります。

母の場合は洗面所にいる時から刺され、お風呂では「待ってました」かのごとく、入っている間何匹も刺されるそうです。

なので私の家では蚊のいる時期は、蚊取り線香が手放せず、ずっと黙々と炊いています。それでも、数的には減っていない気もします。

「ネッタイシマカ」が日本でも空港の検疫所で過去に見つかったとか、蚊って飛行機の内の高気圧に耐えられるんだ、と驚きました。私の家でも蚊取り線香に対する耐性を持った蚊が最近は多い気がするので、突然変異したら怖いなと思います。

蚊の多い私の家では、「ネッタイシマカ」の話は決して他人事ではないなと感じています。

関連記事

蚊媒介感染症に注意して! さいたま市がポスター 人流増加で予防法など周知 東京新聞(2024年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

ネッタイシマカ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。