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こんにちは、中村鮮魚店です。
白杖と聞いて、みなさんはどんなイメージがありますか?
私は「視覚障害のある方が、歩くときに使う白い杖」というくらいの知識しかありませんでした。
そんな中、ライターのモリサワさんがたくさんの視覚障害に関する情報を発信してくださり、あらためて白杖について学んでみようと思いました。
そこで今回は、白杖ユーザーである同僚のモリサワさんに協力してもらい、実際に白杖を使った歩行を体験してみることにしました。
この記事を通して、白杖と見えにくい世界を一緒に体験してみませんか?
モリサワさんの白杖に関する過去記事はコチラです↓
白杖について、より詳しく知ることができます😊
いざ、白杖体験!
というわけで、モリサワさんの私物の白杖をお借りし、視覚障害の体験を行いたいと思います!
ちなみに、こういった白杖体験では、全盲を想定したアイマスクが使用されますが、白杖ユーザーの中で全盲の方は、なんと1割とのこと…
なので、今回作ったメガネには、シャラシャラとしたビニールを貼って視界がぼやけるようにしてみました。
ちなみにこのメガネは、ロービジョンの見え方をそのまま再現したものではありません。
あくまで、さまざまな「見えにくさ」の一例を体験するために制作しました。
白杖を持ってみよう!
ちなみに、白杖を使う方は、歩行訓練士の方と一緒に歩行訓練を行い、自分に合った白杖を選ぶことが多いそうです。
白杖にはさまざまな種類があり、長さや重さ、持ち手なども人によって異なります。
今回は、モリサワさんが普段使っている白杖をお借りしました。
まずは、持ち方から教えてもらいます。
人差し指を添えるようにして持つ方法でしたが、白杖の持ち方も、人によって違うそうです。
そして、白杖に紐がついていたので、ついつい手首に通したくなりますが…
モリサワさん「皆さん、紐を手に通すと思うんですけど、白杖が車に引かれた場合、紐と一緒に持っていかれるんですよね」
えっ…白杖に付いてる紐なのに、そんな危険もあるの!?
なので、手に通さず、紐も一緒に握りました。
そして、メーカーによっては、強い力が加わったときに紐が外れるようになっているものもあるそうです。
白杖を使って歩いてみよう!
いよいよ、メガネをかけて白杖を持って歩いてみます。
制作したメガネをかけると視界全体が少し白っぽくなり、物の輪郭がぼやけます。
中鮮「なんも見えない!」
実際には、まったく何も見えないわけではありません。
ですが、目の前に物があることは分かっても、輪郭がぼやけて立体感もわかりにくかったです。
点字ブロックのくすんだ黄色も道路に同化してしまい、どこにあるのか分かりにくくなりました。

モリサワさんから教えてもらった方法では、進行方向の2歩ほど先を探るように、白杖を左右へスライドさせます。
ですが、白杖の先端が人や物に当たってしまいそうで、最初は思い切って動かすことができませんでした。
そして、歩き始めると視界から入ってくる情報が少ない分、足の感覚が頼りになるので、自然と足元から伝わってくる感覚に集中していきました。
どこを歩いているのか。
道路に段差はないか。
点字ブロックはあるか。
普段なら何気なく通り過ぎるであろう点字ブロックがこんなに心強いなんて…
点字ブロックが消えた?!
歩いていると、点字ブロックが斜めになっている場所に差しかかりました。
モリサワさん「どうなりましたか?」
中鮮「(点字ブロックが)ないです!!!」
実感としては、まるでつり橋の途中が途切れたような不安感…
モリサワさん「その時は、点字ブロックがどういう風に誘導しているのか、足で感じたり、白杖を点字ブロックに沿わせたりしてみてください」
そこで今更ながら『点字ブロックって、全部まっすぐじゃないんだ…!!』と気がつきました。
さらに歩いていると、さまざまな障害物が出てきます。
しかし、物の立体感が分かりにくいため、地上にある機器なども「黒い物体がある」という程度にしか認識できません。
「(黒い物体に対して)あれは何??」
そんな風に何なのか分からないものが突然目の前に現れるので、とにかくずっとビビりっぱなしです。
そして、ビルの日陰から、急に開けた明るい場所へ出た瞬間――
「まぶしい!!」
あまりの明るさに、視界が一瞬で真っ白になりました。
何も見えない恐怖で、目が慣れるまでその場から動くことができませんでした。
中鮮「暗い所から明るい所に行ったときの見えなさが、すごかったです!!」
島川さん「暗い所から明るい所へ行った方が見やすいのかなと思っていましたけど、逆に真っ白になって、情報が入ってこなくなるんですね」
島川さんに交代
今度はメガネを外した島川さんがチャレンジします。
「いよいよ何にも見えないです(笑)」
普段はメガネをかけている島川さんですが、裸眼での視力は0.01とのこと。
※ちなみに、島川さんに動物の希望を聞いてみたところ、「自分は怠け者なので、ナマケモノとかいいかもしれないです笑」とのリクエストが!ということで、今回はナマケモノになりました🦥
「見えにくい世界」が身近な島川さんは、私とは対照的に、白杖を使いながらスタスタ歩いていきます。
「普段、意識することはないですが、足の裏に全神経が行く感じがありますよね。それに、自分がまっすぐ歩いているかが分からないです」
ところが、歩道が途切れ、信号機のない場所に差しかかると、島川さんの足が止まりました。
視界を制限した状態だと、車が来ているかどうかを確認することはできません。
それまでズンズン歩いていた島川さんが、ここでは「無防備」に感じたそうです。
「自分がこの状態で外出するなら、無理ですね」
視野を狭くしたメガネに変える
次は、視野を狭くした状態を想定したメガネに交換します。
こちらはメガネに2〜3ミリの穴を開けた厚紙を貼ったものを制作しました。
先ほどのメガネに比べると、上下左右の視野が狭く、周囲を確認するには顔ごと動かす必要がありました。
このメガネをかけた状態だと、 人が横切るだけで突然人が現れるように見えて、かなりビックリしてしまいました。
もし、同じ状態で都市部の人ごみの中を歩いたら、ただ歩くことすらままならないでしょうね。
そして、気がつくと見えない部分を無意識に「何かにぶつからないかな」と、白杖を持っていないほうの手を出していました。
モリサワさん「これが雨の時は、両手が白杖と傘でふさがった状態になりますね。」
視野が狭いと道のデコボコにも気づけず、つまずきそうになるのに、手が前に出せない状態は恐怖でしかありません。
そして、前に進むことだけで精一杯な私ですが、白杖ユーザーの方が歩いている姿を思い返すと、他の歩行者と同じスピードで歩いていて、すごいなと思いました。
モリサワさん「白杖ユーザーのスピードは、やはり慣れと残存している視覚情報や音、感覚ですね」
体験してみて初めて、「歩く」という何気ない行動にも、私たちは多くの視覚情報を頼りにしているのだと気づかされました。
後編では、白杖ユーザーであるモリサワさんへのインタビューや、普段使っているサポート機器についてご紹介します!
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