『1640日の家族』。〜里親と実親の間で揺れ動く男の子の、実話に基づく感動映画〜 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

養子縁組とは、血縁関係にない人同士が法律上の親子関係を結ぶための制度のことをいい、日本では古くから、子どもに恵まれなかったときの家系の存続や跡取りを設けるために広く実施されてきました。

また里親にも、養育⾥親、特別養⼦縁組⾥親、季節・週末里親の制度があります。2022年7月にそんな里親をテーマにした映画が公開されます。今回はその映画の内容やキャスト陣など、日本で問題となっている国際養子縁組の実情について、ご紹介していきます。

フランスをあたたかい涙で包んだ、里親と“息子”の愛くるしい日常に、突然その幸せな生活に訪れた“家族”のタイムリミットを描いた実話に基づく感動作【La vraie famille】(原題)が邦題『1640日の家族』として2022年7月29日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開されます。あわせて特報映像とビジュアル、場面写真も解禁となりました。

今は一緒に居れなくても、血の繋がりがなくったって、家族だった思い出は消えない。さまざまなかたちの家族にエールを贈る奇跡の物語。到着したビジュアルは、「大切なのは、愛しすぎないこと」というキャッチコピーとともに、“家族”5人の幸せな姿が捉えられ、彼らの強い絆を感じ取れます。さらに場面写真では、家族が5人で楽しそうにテーブルに集まる姿や、実父がシモンを抱きかかえている様子などが描き出されました。

あらすじ

生後18か月のシモン(ガブリエル・パヴィ)を受け入れた里親のアンナ(メラニー・ティエリー)と夫のドリス(リエ・サレム)。2人の息子とは兄弟のように育ち、幸せな4年半が過ぎようとしていた。そんなある日、実父のエディ(フェリックス・モアティ)からシモンを手元で育てたいという申し出があり…。

突然訪れた“家族”でいられるタイムリミット。そのとき、彼らが選んだ未来とは――。

画像・引用:監督の実体験を映画化『1640日の家族』公開決定 特報解禁 cinemacafe.net(2022年)

監督、キャスト陣

メガホンを執るのは、代理母の恋をユーモラスに描いた長編デビュー作[ディアーヌならできる](2017)が、第9回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルで映画監督審査員賞に輝いたファビアン・ゴルジュアール監督。彼が子どもの頃、両親が里子を迎えて4年半一緒に暮らした、自分の人生を影響を与えたこの経験をいつか必ず映画の題材にしたいと思い続け、念願の映画化が実現しました。その影響を与えた経験の中での複雑な感情を脚本に落とし込む中でファビアン監督は、[キッド](1921)や[クレイマー、クレイマー](1979)、[E.T.](1982)といった傑作群をモチーフにしたと話します。

主人公の6歳のシモン役には、公園で母親と遊んでいる時を監督とキャスティング・ディレクターによって発掘された、演技初挑戦のガブリエル・パヴィ君。愛情豊かな里親家族と実父の間で揺れ動く姿を繊細に演じ切りました。映画初出演にして一躍スターダムにのしあがった[存在のない子供たち](2018)のゼイン・アル=ラフィーアさんや、[ミナリ](2020)のアラン・キムさんに継ぐ、新しく天才子役が見出されました。

シモンの里親のアンナには2018年第44回セザール賞を獲得したメラニー・ティエリー、夫役を[キャメラを止めるな!](2022年)のリエ・サレム、実父のエディを[沈黙のレジスタンス ~ユダヤ孤児を救った芸術家~](2020年)のフェリックス・モアティら実力派が多数出演。フランス国内では、第36回ナミュール国際フランコフォニー映画祭俳優賞受賞、第14回アングレーム・フランス語圏映画祭で女優賞と審査員賞に輝き、賞賛を浴びました。

予告編も解禁。

このほど、公開された予告編は、里親のアンナが「私をもう“ママ”と呼んじゃダメなの」と里子のシモンに話しかけるシーンからスタート。実親の父からシモンと一緒に生活したいと申し出が入り、4年半、幸せに歩んできた“家族”の時間に、突然のタイムリミットがやって来ます…。愛と葛藤の先に、彼らが選択した未来とは――。実子の様に育てて来た愛する“息子”との突然の別れを受け入れることができないアンナの涙を流す姿や、実親の父と里親の間で揺れ動く6歳のシモンの繊細な様子が表されてます。この先の展開が気になる映像になっています。

ここからは日本から海外へ行く、国際養子縁組の実情について、考えたいと思います。

日本から海外へ行く国際養子縁組の実情

日本から国際養子縁組で海外に渡航した子ども達の数が、2011~19年の約9年の間で少なく見積っても336人になることが、判明しました。全体の7割弱が1歳未満の赤ちゃんでした。国際養子縁組を巡る問題では、人身売買の被害や、子どもの出自に関した情報を取得することが困難になるといった問題が浮かび上がってます。世界的に国際養子縁組は減少傾向を辿る一方、日本からは多くの子ども達が国外に出ている実情が露わとなりました。

国際養子縁組の透明性確保を課題としたハーグ国際養子縁組条約の加盟国が、事務局のハーグ国際私法会議(HCCH)を介して公開されている出身国別の養子の統計や米国務省の資料を確認しました。国は国際養子縁組による子どもの出国数を理解していませんでした。

確認の結果、2011年からの約9年間に日本からの養子を導入したのは、アメリカとカナダ、フランス、イタリア、ベルギーの計5か国です。最多のアメリカ(172人)と、その次にカナダ(160人)と全体の98%を埋めました。他の3か国に関してはフランスは2人、ベルギーは1人、イタリアは1人でした。

年齢層では、1歳未満の赤ちゃんが225人で全体の66%に占めました。1~4歳は83人で、少なく見積もっても5~9歳は6人、10歳以上も11人の中にはいました。1歳未満の赤ちゃんで性別も分かったのは127人で、男児68人、女児59人となりました。

参考:【独自】日本から海外へ養子、9年で336人…政府は把握しておらず 読売新聞(2021年)

国際養子縁組は、国内では民間のあっせん団体が、あっせん先の1つとして手がけてきました。2020年7月に事業を突然停止した東京の民間団体「ベビーライフ」(解散)も国際養子縁組を多数手がけ、336人の相当数に関わっていた可能性があります。東京都によると、ベビーライフが12~18年度にあっせんした307人のうち、174人の養親が外国籍(アメリカ68人、カナダ106人)だったことがわかっています。

関連サイト

日本国籍を持つ方同士の縁組の他に、国際養子縁組があります。国籍の異なる養親と養子との間で行われる養子縁組のことを言います。この場合、一つの決まった法律はありません。

縁組を結ぶ際に基準となる法律は、養親の本国法とされています。ですから、従うべき法律も、国籍によってケースバイケースとなります。また、養子の保護への配慮から、養子の本国法が第三者の同意もしくは公的機関の許可等を養子縁組の成立に必要な要件としている場合には、その条件も満たさなければならないことになっています。

さらにややこしいのですが、夫婦で養親になる場合で、夫婦の国籍が異なる場合は、それぞれの本国法の要件を満たしていなければなりません

引用:養子縁組の利用を考えてるすべての人が知っておくべき全14項目 宮本健太弁護士 LEGA L MALL(2022年)

映画は感動的な雰囲気ですが、

映画はあらすじを読んでいても感動的な作品になるに違いないと思っています。私は小さい頃から、特にハリウッドスターの方々がよく、「この子を新しい養子に迎えます。実子と合わせると、●人目の私の子どもです」という話をよく耳にしていたので、子どもの頃は養子に行った子ども達もきっと幸せに暮らしているのだろう、それが普通だと思っていました。

しかし実際に日本から国際養子縁組に行った子ども達の記事を読んでいると、そんなにいつも優しいものじゃない、厳しい世界だという事に気付きました。そんなに多くの子ども達が海外に行っているのも知りませんでした。どういう理由で国際養子縁組に行ったのか分かりませんが、子ども達にはどこの世界に行っても、逞しく生きていて欲しい、ただそれだけです。

関連サイト

noteでも書いています。よければ読んでください。

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。
    こんなに養子縁組みがあっているとは知りませんでした。
    産まれた命が両親の元で大きく育って生けるような世の中がくればいいなぁ❗️と考えさせられました。
    これからも記事を楽しみにしています。

    • ハリネズミさん。
      コメントありがとうございます。私もこの記事を書くまで、こんなにも国際養子縁組があるなんて知りませんでした。私自身色んな題材を書いていて、映画やドラマの記事のことでも、色んな社会問題を学ばせて頂いております。

      これからも映画やドラマの記事からでも、色んな社会問題を書いていくので、また読みに来て下さい。

      後今日体調が凄く悪いので、コメントを読ませて頂いて元気を頂きました。本当にありがとうございました。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。