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この度、KIF1A関連神経疾患家族会『たこやきの会』会長の織田菜々子さんと副会長の元木里奈さんにインタビューさせていただきました!
前編では、織田さんの息子さんがKIF1A(キフワンエー)関連神経疾患の診断を受けるまでの経緯や家族会『たこやきの会』立ち上げのきっかけについて詳しく伺いました。
前編の記事はこちらです→
後編では、先日無事に終了したクラウドファンディングから得た反響、今後のKIF1A関連神経疾患を国の指定難病にするための活動での将来のビジョンについて伺いました。
今回お話を伺ったのは、翼祈、島川です。
ぜひ最後までご覧になってください!
クラウドファンディングについて
翼祈:2026年1月9日まで行われていたクラウドファンディングは、どんなことを目的にされていたのでしょうか?
織田さん:私たちの会は、会員から会費を取っていないので、立ち上げ時は予算がゼロで、とにかくお金をかけずにできる活動を行っていました。
ただ、会の活動を広げていくためには、どうしても資金が必要です。
助成金や募金などに加え、クラウドファンディングも資金調達方法の1つとして良いのではないかと、元木さんから提案がありました。
私も、クラウドファンディングは、資金調達だけでなく、より多くの人たちに私たちの活動や疾患のことを知っていただくことができるチャンスだと思い、挑戦することに決めました。
翼祈:私はクラウドファンディングのページに関しては非常に心に訴えられる文章が多く、本当に親の愛は偉大だと感じながら、質問を考えさせていただきました。
織田さん:ありがとうございます。クラウドファンディングのページは、元木さんが作ってくれました。
元木さん:ありがとうございます。嬉しいです。
翼祈:目標額を大幅に超えて終了したクラウドファンディングを経て、織田さんの中でどんな心境の変化や、活動のPRにどんな影響がありましたか?
織田さん:本当に私たちの想像以上の方達にご協力いただけたなと思います。
当初目標額は30万円に設定していたのですが、始める時は、私たちのことを応援してくれる人は、本当にいるんだろうか、目標金額は達成できるだろうかという不安がありました。
目標金額が集まるかどうか全く分からない不安なスタートでしたが、蓋を開けると最終的に99名、直接口座や手渡しで寄付をくださった方も含めると、100名以上の方に寄付を頂きました。
また、寄付まではいかなくても興味を持ってページを見て下さった方もいると思うので、多くの方に疾患や私たちの活動について、少しでも知っていただける機会になったのではないかと思います。
これまでは、資金もなく、できることは限られている中で、とにかくがむしゃらに活動をしていましたが、クラウドファンディングを通じて、私たちだけで活動しているのではなく、周りには本当に多くの応援してくださっている方々がいることを実感しました。
私たちが今まで、目標に向かってコツコツ取り組んできたことが少しずつ皆さんに応援してもらえる形になっていると思い、とても嬉しいですし、応援してくださる1人1人の存在を凄く心強く感じています。
「ご寄付でいただいたお金を1円たりとも無駄にしてはいけない」ということが当会の共通認識です。
皆様が応援してくださったお気持ちに、少しでも応えられる様に、気を引き締めて活動していきたいと思っています。


翼祈:クラウドファンディングの際、オーダーケーキ屋さんのメイプリルさんが、応援ケーキを作って下さっていたのをインスタで拝見しました。
こうした理解のある方が周りにいることで、織田さんの息子さんが診断を受けた時と変わったことや過ごしやすくなったことは何かございますか?
織田さん:家族会を作り、活動を行うことで、疾患を知ってくださる方、応援してくださる方が、非常に増えたと思っています。診断当初は、孤独を感じていた部分がありましたが、今の私には、同じ疾患に向き合う仲間がいて、助けてくれる医師や研究者がいる。そのことを非常に心強く思っています。
私たちのホームページやSNSを保育園や学校、児童発達支援センターの先生方、理学療法士、作業療法士さん達も見て下さっているようです。その方達も私たちの活動、子ども達の疾患の情報を見て、支援や保育の仕方を考えてくださっていて、非常に助かっています。

実際のケーキ
実際の投稿:https://www.instagram.com/p/DR672KWj-9Z/
メイプリルInstagram:オーダーメイドケーキ&スイーツのメイプリルMikiFukumoto (@mapril_sweets) • Instagram photos and videos
その他の活動について
翼祈:スイス公共放送協会の国際部が運営するオンラインメディアで、『たこやきの会』が取り上げられました。その時に感じたお気持ちなどをお聞かせ下さい。
織田さん:スイス公共放送の日本人記者の方が、家族会のホームページを見て問い合わせをして下さいました。記事の中心はスイスでの希少疾患における取組ですが、執筆する際、日本の家族のことも取り上げたいと考えて下さったそうです。
様々な希少疾患の団体があるなかで当会を取り上げてもらえたことは、非常に光栄ですし、誇らしく思いました。
記事を拝読し、世界には多くの希少疾患の団体があり、それぞれが本当に苦労しながら活動されていることを改めて実感しました。
また、国を越えて、たくさんの家族の方達が活動されていることに、やる気や励ましをもらい、一緒に頑張っている人達が多くいることを、心強く感じました。
翼祈:兵庫県の木工倶楽部 PIECE OF WOOD様より、活動に対する寄付活動やリーフレット設置などを継続されているそうですが、どのような経緯から、交流が生まれたのですか?
織田さん:元々、知り合いの方でした。
息子が病気であること、家族会を立ち上げている話を知って、団体として支援できることがないかと言って下さり、色々と積極的に動いて下さっています。
翼祈:2025年11月22日に、車椅子ユーザーも参加しやすいユニバーサルスポーツのコーンホール大会に参加していましたが、その時に印象に残った出来事を教えて下さい。
織田さん:当会からは息子だけでなく、他にも県内に住む家族会の会員の方たちが参加させてもらいました。皆さん、競技を通じて親睦を深めながら、子ども達の疾患について知っていただけるきっかけになったと思っています。
今後について
翼祈:世の中の啓発や理解を広げるため、どのようなことが『たこやきの会』の今後の活動に必要になっていくと感じますか?
織田さん:まずは、多くの医療関係者の皆さんに、この疾患のことを知っていただきたいです。医療関係者のなかで疾患の認知度が上がることで、私たちの子どもと同じ症状が出ている患者さんがいれば、この病気ではないかと疑うきっかけになればと考えています。また、同じ疾患をお持ちの方がいたら、ぜひ当会のことを患者さんに紹介していただければと思います。
2026年はクラウドファンディングでいただいた寄付を資金源として、家族会のブースを、小児遺伝学会や小児神経学会をはじめとする様々な学術集会に出展したいです。
また、医療関係者だけではなく、一般の方達への周知も行っていきたいなと思っています。
引き続き、SNSやホームページで情報を発信したり、各種イベントをPRの機会として積極的に利用したいです。
他の希少疾患団体も私たちと似た悩みや目標を抱えていますが、やはりそれぞれ団体ごとに活動しては、どうしても人数が少なく、声のボリュームとしては小さくなってしまいます。
最近、日本難病・疾病団体協議会(JPA)さんが、全国の様々な希少疾患患者・家族会を取りまとめて、「RDネットワーク(希少疾患全国連携)」という、1つの連合体を作ってくださいました。他の希少疾患の人達とも協力し合うことで、希少疾患が抱える課題を社会に積極的にアピールし解決していきたいです。
翼祈:織田様や『たこやきの会』様が今後叶えたい夢や、将来の展望をお聞きしてもいいでしょうか?
織田さん:今後叶えたい目標として、以下のようなことがあります。
①指定難病への追加
②アンチセンス核酸医薬(ASO)の日本国内での実施
③対面交流会の実施
④海外の患者団体とのつながりの強化
①指定難病への追加
私たちの呼びかけで、指定難病への追加に向けた研究が始まろうとしています。
指定難病に追加されると、医療費の負担が軽減されるだけではなく、疾患への認知が確実に広がり、疾患に対する解析や治療に向けた研究が進んでいくことが期待されます。
②アンチセンス核酸医薬(ASO)の日本国内での実施
KIF1A(キフワンエー)関連神経疾患は、これまで根本的な治療法はないとされてきましたが、現在、治療に向けた様々な研究が行われています。なかでもアンチセンス核酸医薬(ASO)を使った治療は、実際にアメリカの非営利団体N-Loremによって、患者に投与されています。歩行機能の回復、言語機能の改善など、症状の改善が見られるだけでなく副作用もほとんどないと報告されています。私たちは、アンチセンス核酸医薬(ASO) を医師、研究者の皆様と連携しながら、ぜひ近い将来日本で実施したいと思い活動しています。
③対面交流会の実施④海外の患者団体とのつながりの強化
家族会員、当事者同士のつながりも、これからさらに深めていけたらと思っています。
家族会の会員は、全国様々なところにお住まいで、対面でお会いできていない方達もたくさんいます。家族会の会員といつも私たちを支えてくれる医師、研究者の皆様と対面での交流会がしたいです。また、海外の同じ病気の患者団体さんとのつながりも強化して、将来的には、海外の患者さんとも対面で交流を行いたいです。
翼祈:この記事で初めて『たこやきの会』さん達のことを知った方もいます。
KIF1A(キフワンエー)関連神経疾患の方やその家族の皆さんに向けて、メッセージをお願い致します。
織田さん:ぜひ『たこやきの会』に入って欲しいです。
精神的な支え、仲間作りという意味合いもありますし、我々は指定難病への追加、アンチセンス核酸医薬(ASO)の日本での早期実施に向けて、医師、研究者の皆様と一緒に活動しています。
この病気をお持ちのお子さんのご家族は、お子さんの症状を少しでも軽減させて、暮らしやすい未来になればと、思っていると思います。治療を実現する取り組みを進めていくためには、希少疾患とともに生きる子どもたちの存在を社会に知らせていくことが重要です。
患者が1人でも多ければ多いほど、声が大きければ大きいほど、疾患に対する研究は進み、治療が現実に近づきます。ぜひ『たこやきの会』に入ってもらいたいです。
感想
翼祈
今回インタビューをさせていただくまで、本当に私はこの疾患に関しては、全く知りませんでしたし、織田さんの言う通り、広く知っていただくことが大事だと思いました。
もしかしたら疾患や症状を知らないことで、診断を受けていない場合や、リハビリや治療、福祉サービスを利用することを、1人で悩まれている方もいるかもしれません。
そのため、こうした当事者家族に繋げていくことが大事だと思います。
アンチセンス核酸医薬(ASO)は海外では、効果があっても日本では治療として認められていない、ドラッグラグではないかと感じました。
通常なら症状を抑えられたり、進行を緩やかにできるものが、制度のはざまでなかなか治療できないこと、海外から取り寄せることはお金が非常にかかり、進行する話を聞きました。
アメリカでは効果が実証されている点に関しては実施もそうですし、日本に承認された時に、実際に治療薬として使える未来が、早くきて欲しいと思いました。
特に希少疾患、患者の数が少ない疾患は、指定難病に登録されるか登録されないかで医療費も違うので、ぜひ国にはこの疾患を追加で登録できる様に進めていただきたいです。
私も今回のお話を聞いて、読者の方、対象のご家族だったり、KIF1A(キフワンエー)関連神経疾患のことを広く伝えていきたいなと思いました。今回はありがとうございました。
島川
これまで何件かこうした当事者の家族会の方にインタビューをさせていただきましたが、皆さん正しい情報共有、仲間作りを共通して課題として挙げられます。
たこやきの会が、これから徐々に大きくなっていき、皆さんの心の支えになっていくことと思います。この記事を通して、それが少しでも力になれたらいいなと思っております。
公式ホームページ:https://www.kif1a.jp/
公式X:https://x.com/kif1a_japan?s=21
公式インスタ:
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