コロナ後遺症への光?~メカニズム一部解明~

この記事は約 5 分で読むことができます。

若年層の間で、コロナの後遺症に悩まされてる人が増えている中、その後遺症のメカニズムの一部が解明され、治療法への期待がふくらんでいます。

なぜ後遺症は若者に多いのか?

50代、60代にはあまり見られないコロナ後遺症ですが、なぜ若者に多いのかは、まだ解明されていません。

ただ、軽症だった人ほど、後遺症の症状がのちのちに、出てくる場合が多いようです。

その中でも、男女で比較をすると、倦怠感は2倍、脱毛は3倍、女性の方が出現しやすいようです。

味覚・嗅覚障害も女性に多く、味覚障害は男性より長引く傾向もみられました。

この他、若い人や痩せている人は味覚・嗅覚障害が出現しやすいことも分かりました。大阪府が設置しているコロナ後遺症の相談センターでも若い人では味覚・嗅覚障害の相談が多くなっています。

男性は女性よりも、高齢者は若い人はよりも、太っている人は痩せている人よりも新型コロナが重症化しやすいことが分かっていますが、逆に女性、若年者、痩せている人で後遺症が残りやすいということになります。

つまり、どんな人も新型コロナには感染しない方が良いということになります。

味覚障害倦怠感

コロナの後遺症とは?

そもそも、コロナ後遺症とはどのような症状なのでしょうか?

新型コロナウイルス感染症の後遺症は、倦怠感、呼吸苦、咳嗽、味覚・嗅覚障害などが主な症状であり、20歳代以降の全世代で高頻度に認められ、月単位(2~4か月後)で遷延することが明らかになってきた。

回復後に出現する遅発性後遺症はウイルス後疲労症候群と呼ばれ、脱毛、記憶障害、睡眠障害、集中力低下などがある。

引用:新型コロナウイルス感染症後遺症について

後遺症のメカニズムの一部が解明される

ではなぜ、コロナの後遺症は起こるのでしょうか?

人間の身体の中には、ウイルス感染した細胞と戦う「T細胞」と呼ばれる免疫細胞があります。

そのT細胞には複数の種類があり、「ウイルス感染した細胞を排除するもの」「その作用しすぎた役割を抑えるもの」が、後遺症が軽い患者よりも倦怠感が強い患者の方の中で多くなっていた事が教授の研究から分かったのです。

京都大学の上野英樹教授は言います。

「新型コロナウイルスに感染した際に非常に強い免疫応答が起こって、それで『排除の細胞』が一気に出てきたけども、それがちょっと強すぎるのではないかと。強すぎるような反応が起こっために抑制(細胞)系が抑えようとするんですけど、車に例えますと、アクセルと同時にブレーキを踏んでいる様な感じで。免疫の乱れというふうに私たちは呼んでいる」

つまり、2つの免疫細胞が同時に多くなり、免疫の調整ができなくなってしまったことが後遺症のメカニズムではないかと考えられます。

また、嗅覚や味覚障害だけが残る患者については2つのうち「ウイルス排除細胞」が極端に少ないことも判明し、今後、診療や治療に役立てたいと話しています。

参考:新型コロナ“後遺症のメカニズム”で画期的発見(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース

海外でも、後遺症に苦しむ若者がいる。

ノルウェーを例に見てみると、新型コロナウイルスに感染してから6カ月が過ぎても後遺症があったとの調査結果がでています。

後遺症で、もっとも多かったのが倦怠感で、続いて集中力の低下、味覚障害と嗅覚障害の両方またはいずれか一方、記憶障害、息切れでした。

ノルウェーの研究チームは、症状の大半は、調査対象者の年齢が上がるのに伴って頻度が増えた一方で、味覚障害や嗅覚障害は、46歳以下の若年層に多く見られたと述べています。

若年層の学習の妨げに

調査対象者のなかで最年少者グループにあたる「0歳から15歳まで」の子どもについては、6カ月後まで続いた後遺症は見られなかった。しかし、「16歳から30歳まで」の若年層のうち、52%にはこうした後遺症が見られました。

懸念されるのは、入院しなかった若年層(16歳から30歳)の患者も重い後遺症に苦しむ可能性があり、感染してから半年が過ぎても、集中力や記憶力の低下、息切れや倦怠感が出る場合があることです。とりわけ学生は、そういった症状が出た場合、学習の妨げとなるかもしれないと懸念しています。

参考:コロナ後遺症が「半年以上」続く 若年層の感染者で半数以上

最後に

コロナの後遺症は、症状が多いため、メカニズムを1つ1つ調べるにも、1年以上かかるのではないかと見られ、治療法が見つかるかどうかは、まだまだ先は見えない状態です。

しかし、後遺症の患者の中で、コロナワクチンを接種した一部の人に、症状の改善が見られたと報告があります。

都大学の上野教授は、「なぜ、コロナワクチンが効果があるとみられるのか、解明できれば治療法や、治療薬開発への一歩となるでしょう。」と語っています。

 

参考サイト

新型コロナ“後遺症のメカニズム”で画期的発見(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース

治療法確立へ コロナ後遺症メカニズム一部解明

新型コロナウイルス感染症後遺症について

コロナ後遺症「3割が半年後も症状が持続」、軽症例や若年層でも油断は禁物

コロナ後遺症が「半年以上」続く 若年層の感染者で半数以上

 

おすすめ記事の紹介

HOME

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。