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2026年7月、
民間企業の障害者法定雇用率は、
2.7%へ引き上げられました。
企業には、
これまで以上に障害者雇用への取り組みが
求められています。
もちろん、
障害のある人が働く機会を広げることは大切です。
でも、
雇用率という数字を達成することだけで、
障害者雇用のあり方を
十分に考えられるのでしょうか。
実際に働く人が、
どんな仕事をしているのか。
自分の力を発揮できているのか。
安心して働き続けられる環境があるのか。
そうしたことにも、
目を向ける必要があるのではないでしょうか。
先日、
私が働いているTANOSHIKAを運営する株式会社SANCYOが、
福岡労働局から「もにす認定」を受けました。
「もにす認定」。
名前を聞いたことがある人は、
まだそれほど多くないかもしれません。
私自身も、
今回の認定をきっかけに、
あらためて制度について調べてみました。
そこで気になったのが、
「雇用の質」という考え方です。
今回は、
SANCYOを外側から評価するのではなく、
実際にそこで働いている一人として、
そして障害のある当事者として、
「もにす認定」から考えてみたいと思います。
参考元 : (福岡労働局) 障害者の法定雇用率引き上げのお知らせ(令和8年7月以降)
参考元 : (厚生労働省)「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)」
そもそも「もにす認定」とは?
「もにす認定」の正式名称は、
「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度」です。
厚生労働省が2020年に創設した制度で、
障害者の雇用の促進や、
雇用の安定に関する取り組みなどが優良な中小事業主を認定するものです。
「もにす」という名前には、
「ともにすすむ」
という意味が込められています。
企業と障害のある人が、
ともに進んでいく。
そんな考え方から名付けられた制度です。
では、
何を基準に評価するのでしょうか。
厚生労働省によると、
認定では、
「取組(アウトプット)」
「取組の成果(アウトカム)」
「情報開示(ディスクロージャー)」
という3つの観点から評価されます。
つまり、
「何をやっているのか」
だけではありません。
その取り組みによって、
「どんな成果が出ているのか」。
そして、
その取り組みや成果について、
「どのような情報を開示しているのか」。
そこまで含めて評価する仕組みです。
法定雇用障害者数以上の障害者を雇用していることなど、
一定の基準も設けられています。
一つの基準だけで判断するのではなく、
複数の観点から、
障害者雇用への取り組みを評価する制度です。
さらに、
認定された企業の取り組みを地域のロールモデルとして公表し、
ほかの企業にも参考にしてもらうことも、
この制度の目的の一つになっています。
認定された会社だけの話ではなく、
その取り組みを、
ほかの企業の障害者雇用にもつなげていく。
そんな役割も持っている制度なのだと思います。
参照元 : (障害者雇用めぐるメディア) もにす認定制度とは?認定のメリットや認定基準、申請手続きを解説 2026/04/22
SANCYOは、何を評価されたのか
今回、
福岡労働局が公表した内容を見ると、
SANCYOについて、
いくつかの具体的な取り組みが紹介されています。
障害者の実雇用率が100%を超える高い実績を継続していること。
そして、
障害特性に配慮した業務改善。
能力に応じたキャリアプランの作成。
成果を適正に評価する人事制度の構築。
福岡労働局は、
こうした取り組みを、
障害者の雇用を促進するだけでなく、
「雇用の質の向上」にもつながる
優れた取り組みとして評価しています。
ここで興味深いのが、
「雇用した」というところで
終わっていないことです。
どんな仕事をするのか。
その仕事をどう評価するのか。
そして、その先にどんなキャリアを描けるのか。
働く側からすると、
こうした部分は、
実際に仕事を続けていくうえで
無視できないところです。
私は、これはA型事業所にとっても、
とても大切な部分なのではないかと思います。
A型事業所は、
「働く場所」を提供するだけではありません。
利用者と雇用契約を結び、
実際に仕事をして、
その仕事に対して賃金が支払われます。
だからこそ、
「とりあえず仕事がある」というだけではなく、
「どんな仕事をするのか」
「その仕事を通して何を身につけられるのか」
「本人の得意なことを、どう仕事につなげていくのか」
という視点が重要になります。
もちろん、
すべての人がキャリアアップを
目指さなければならない、
という話ではありません。
安定して働き続けたい人もいれば、
できる仕事を少しずつ増やしたい人もいます。
一般企業への就職を目指す人もいるでしょう。
大切なのは、
全員が同じ方向を目指すことではなく、
本人が何を望んでいるのかを考えることです。
その人にとって、
どんな働き方が続けやすいのか。
どんな仕事なら力を発揮できるのか。
そこを一緒に考えていくことが、
A型事業所に求められる
「働く支援」の一つなのではないでしょうか。
また、A型事業所には、
利用者が一般企業への就職を目指すときに、
その可能性を広げていく役割もあると思います。
必要な知識や経験を積む機会をつくり、
本人が希望する働き方に近づけるよう支援する。
一方で、
今の職場で安定して働き続けることも、
その人にとって大切な選択肢です。
一般企業への就職だけを目標にするのではなく、
一人ひとりの希望や状況に応じて、
働き方の選択肢を広げていく。
A型事業所の役割は、
利用者をただ次の場所へ送り出すことではなく、
一人ひとりが自分らしく働ける場所や方法を
見つけていくことにもある。
私は、そう考えています。
参照元 : (福岡労働局)「障害者雇用優良中小事業主(もにす認定事業主)として、株式会社SANCYOを認定しました」2026/09/25
「配慮」と「評価」は、両立できるのか
今回の「もにす認定」を見ていて、
もう一つ気になったのが、
人事評価についてです。
障害のある人が働く職場では、
「配慮すること」が大切です。
体調や障害特性に合わせて、
仕事の方法を工夫する。
必要なサポートを受ける。
そうした工夫によって、
働き続けられる人もいます。
一方で、
「配慮されること」と、
「仕事を評価されること」は、
別の話でもあります。
配慮があるからといって、
仕事を評価しなくていいわけではありません。
逆に、
「障害があるのだから、このくらいでいい」と、
最初から本人の能力や可能性を
決めつけてしまうことも、
望ましいとはいえないでしょう。
一人ひとりの力をどう引き出し、
どう評価していくのか。
それは、障害の有無にかかわらず、
働く職場に共通する課題なのかもしれません。
だからこそ、
「配慮」と「評価」をどう両立させるのかは、
働く人すべてに関係するテーマなのだと思います。
「障害者雇用=特別な雇用」なのだろうか

「障害者雇用」という言葉を使うと、
どうしても、
「障害者を雇う」
という構図に見えてしまいます。
もちろん、
制度として必要な言葉です。
でも、
実際の職場にいるのは、
「障害者」という属性だけを持った人ではありません。
それぞれに、
得意なことがあり、
苦手なことがあり、
生活があり、
体調があります。
障害のない人だって、
同じではありません。
そう考えると、
障害者雇用という制度の先には、
もっとシンプルな問いがあるように思います。
「人が働き続けられる職場とは、どんな場所なのか」
という問いです。
障害があるから、
特別な働き方をする。
障害がないから、
普通に働ける。
そんな単純な話ではありません。
仕事との相性も、
働きやすい環境も、
必要な配慮も、
人によって違います。
だからこそ、
障害者雇用を考えることは、
「人が働く」ということそのものを
考えることにもつながるのではないでしょうか。
「障害者が働きやすい職場」を考えることは、
もしかすると、
「誰にとっても働きやすい職場とは何か」
を考えることにもつながるのかもしれません。
現在、私が働いているTANOSHIKA諏訪野町は、
とてもいい職場だと思っています。
もちろん、
すべてが完璧というわけではありません。
それでも、
そこに流れている雰囲気や、
人と人との関わり方には、
大切なものがあると感じています。
仕事の内容や制度だけでなく、
その場所にどんな空気が流れているのか。
安心して過ごせること。
自分の力を発揮できること。
無理をしすぎず、働き続けられること。
そうした目に見えにくい部分も、
職場を考えるうえでは、
大切なのではないでしょうか。
わたし自身、
WEBライターとして記事を書くなかで、
福祉について学ぶことがたくさんあります。
記事を書くために調べ、
考え、文章にする。
その繰り返しのなかで、
これまで知らなかったことを知り、
新しい視点に気づかされることもあります。
もし、TANOSHIKAを選んでいなかったら、
今の自分はどうなっていたのだろう。
そんなことを考えることもあります。
ここで働くなかで得た経験や学びを、
これからの記事にも生かしていきたい。
そして、
働くことや福祉について考えながら、
自分自身も少しずつ成長していければと思っています。
人数の先にあるもの
障害者雇用を考えるうえで、
数字は欠かせません。
法定雇用率も、
実雇用率も、
制度を運用していくためには必要なものです。
ただ、
数字だけでは見えないものもあります。
その人は、
どんな仕事をしているのか。
自分の力を発揮できているのか。
そして、
「ここで働いていてよかった」と
思える瞬間があるのか。
障害者雇用は、人数だけでは測れない。
だからといって、
数字が必要ないわけでもありません。
数字も大切です。
でも、
その数字の一人ひとりに、
ちゃんと「人」がいる。
そのことを忘れない障害者雇用であってほしい。
今回、
私が働いているSANCYOが「もにす認定」を受けたことで、
あらためて、働くということを考える機会をもらいました。
私自身も、
そこで働く一人として、
これからも考えていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
ねこパンクでした。
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