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音楽が好き。
本が好き。
映画が好き。
猫が好き。
「好き」を並べたら、
まだまだたくさんある。
先日、友人と居酒屋で飲んでいたときのこと。
ふと、こんな話になりました。
「ダンゴムシ、好きなんだよね」
「俺も」
「カエルも好き」
「わかる」
「ザリガニも」
「今でも好きなんだよね」
笑いながら、
そんな子どもじみた「好き」を
お互いに並べていきました。
案外、似たようなラインナップです。
カブトムシか、クワガタムシか。
いや、カナブンもいい。
子どもの頃に夢中になったものを、
大人になった今でも好きだと言い合う。
考えてみれば、
ずいぶん平和な時間です。
別に、
何かの役に立つわけでもない。
人に褒められるわけでもない。
ましてや、
「いい大人が何を言っているんだ」
と思われるかもしれない。
でも、
好きなものは好きなんですよね。
大人になると、
「もっと役に立つことをしなきゃ」とか、
「こんなものが好きだと言ったら恥ずかしい」とか、
いつの間にか、
自分の「好き」にまで
理由を求めるようになります。
でも、本当は、
好きになるのに理由なんていらない。
音楽が好き。
猫が好き。
映画が好き。
虫が好き。
くだらないことが好き。
誰にも理解されなくても、
自分が好きなら、それでいい。
むしろ、
そういう「役に立たない好き」を
いくつ持っているかが、
人生を少し面白くしてくれるのかもしれません。
子どもの頃の自分が好きだったものを、
大人になった自分がまだ好きでいる。
それって、
案外いいことなんじゃないでしょうか。
居酒屋で、
いい歳をした大人二人が、
「カブトムシよりクワガタだろ」
「いや、カナブンも捨てがたい」
なんて話をしている。
バカな大人の会話です。
でも、
私はこういう時間が好きです。
そして、
こういう話をしていて、
ふと思ったことがあります。
「好きなもの」については、
こんなに自由に話せるのに、
「自分自身」のことになると、
急にそうはいかなくなるな、と。
大人になると、
自分のことまで
「役に立つかどうか」で
考えてしまうことがあります。
仕事では、
「何ができますか?」
「どんなことが得意ですか?」
「これくらいはできますよね?」
そんなふうに、
できることを聞かれる。
もちろん、
仕事だから
できることは大切です。
でも、
人間って、
「できること」だけで
できているわけじゃない。
好きなものがあって、
苦手なものがあって、
得意なことがあって、
どうしてもできないことがある。
人と話すのが好きな人もいれば、
一人で黙々と作業するほうが
楽な人もいる。
朝が得意な人もいれば、
朝がどうしても苦手な人もいる。
同じ仕事でも、
ある人には簡単なことが、
別の人には
ものすごく疲れることだってある。
障がいや特性がある人なら、
その違いは
もっと大きくなることがあります。
だからこそ、
「何ができないか」だけを見るのではなく、
「何が好きなのか」
「何なら続けられるのか」
「どんな環境なら力を出せるのか」
そんなところにも、
目を向けていいんじゃないかと思います。
私は、
障がい者福祉や
障がい者雇用についての記事を書いています 。
制度のこと。
働くこと。
就労支援のこと。
障がいのこと。
どれも大切な話です。
でも、
その根っこにあるものは、
案外シンプルなのかもしれません。
「あなたは、何が好きですか?」
「何なら無理なく続けられますか?」
「どんな場所なら、
あなたらしくいられますか?」
そんなことを、
もっと大切にしてもいいんじゃないか。
「好き」は、
子どもだけのものじゃない。
そして、
「好き」を大切にすることは、
その人が、
その人のままでいることを
大切にすることでもある。
そう考えると、
ダンゴムシが好きでもいい。
カエルが好きでもいい。
ザリガニが好きでもいい。
仕事が得意じゃなくてもいい。
人付き合いが苦手でもいい。
みんなと同じように
できなくてもいい。
大人になっても、
好きなものは好きでいい。
そして、
そんな「好き」や「苦手」や
「自分らしさ」を抱えたまま、
人は働いたり、
誰かと関わったり、
それぞれの場所で
生きていけばいい。
福祉について考えることも、
もしかしたら、
そんなところから
始まるのかもしれません。
……まあ、
そんな難しい話もしていた本人たちは、
結局、
ザリガニの話をしていました。
そして私は密かに、
デカいカエルが欲しいと
考えていました。
追伸
本音を言えば、
仕事の面接で、
「何ができますか?」
「ザリガニ採取です」
「どんなことが得意ですか?」
「ダンゴムシを集めることです」
「これくらいはできますよね?」
「セミ取りですか? 得意ですよ」
と答えてみたい。
たぶん、
その場で不採用になると思います。
でも、
そんな特技でも、
どこかで誰かの役に立つかもしれない。
……いや、
やっぱり役に立たないかもしれない。
それでも、
好きなんだから仕方がない。
大人になっても、
好きなものは好きでいい。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
ねこパンクでした。
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