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いつもAKARIの記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。
ライターの金次郎です。
皆さんは「耳が聴こえない世界」ってどんな感じだと思いますか?
試しに、テレビの「音声ボリューム」を「0」にして映像だけ見て下さい。
何を伝えようとしているのかを、映像だけで判断できていると感じますか?
また、公園などで耳栓をして風景を見てみて下さい。
音がなにも聴こえない状況で、外にいる事に恐怖を感じませんか?
耳が聴こえない生活というのは、皆さんの想像以上に日常生活で困る事が多いのです。
今回は、そんな「耳が聴こえない」障がいを持った女性が子供を授かった事で、人生が変わりつつも子供の為に希望を持って生きて行くと言う、5月1日公開予定の映画をご紹介いたします。
私自身の難聴の事や、母に聞いた出産の苦労話などを織り交ぜております。
どうぞ最後までお付き合い下さいませ。
映画『幸せの、忘れもの。』あらすじ
生まれつき耳に障がいを持っていて、音が聴こえない妻アンヘラ。
障がいを持つ妻に対して、手話を通して優しく接する夫のエクトル。
アンヘラは陶芸工房で働き、優しい土の匂いと仲間たちにも見守られ、静かで平穏な日々を過ごしていたのですが、そんな二人に「子宝」というプレゼントが届きます。
予告編では、夫が主治医に
・生まれて来る子も、耳が聴こえない可能性があるのか?
を尋ねていますが、現時点では分からないと言われます。
難産の末に女の子を生みますが、子供ができたことから少しづつ彼女の生活が崩れて行きます。

画像提供:映画「幸せの、忘れもの。」
・耳が聴こえない
と言う、見た目には判らない障がい。
公園で赤ちゃんを遊ばせていている時に、話しかけられても聴こえずに対応しない彼女。
周囲の子連れのママさんからは変な顔をされます。
また家でも、娘が泣いていても気がつかず、旦那さんが代わりに娘をあやすと言う事に。
・自分は必要無い人間かも
という、疎外感を感じはじめます。
聴こえない世界とその外側で、時々見え隠れする『本当の幸せ』をアンヘラは、つかまえることができるのでしょうか?
動画引用元:映画『幸せの、忘れもの。』公式サイト
映画の主演の方についてや、受賞歴について
主演は、エバ・リベルタ監督の実の妹で、ろうの俳優であるミリアム・ガルロさんです。
監督と妹自身の長年に渡る実体験を反映させながら、ろう者と聴者とのわずかなすれ違いや、それぞれが抱く異なる疎外感を映し出しています。
映画は、ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地で賞を受賞しています。
画像引用元:映画『幸せの、忘れもの。』公式サイト
私が隔たりを感じた出来事
この映画では、聴者の世界の隔たりが度々描かれますが、聴者から難聴者になって、私が隔たりを感じた体験として以下の様な出来事が有りました。
仕事から帰る時に乗った電車が人身事故の影響で、途中の駅で止まった時です。
15分ほど経って車内アナウンスが有ったのですが、私は良く聞き取れませんでしたので車掌室まで行って尋ねてみました。
それで他の乗客が「やれやれ」と言う顔をした理由が分かりました。
ストーリーの中の疑問点を自分でも調べ、母の出産体験も聞きました
記事を書くにあたって、試写用の映画を見ました。

画像提供:映画「幸せの、忘れもの。」
出産のシーンで、分娩室にいるアンヘラに麻酔を打つ場面があり、私は麻酔を打つと言う事は「無痛分娩」になるのかな?と思い、調べてみました。
下記参考元のHPにも書いてありますが、フランスでは82.7%の割合で「無痛分娩」なんだそうです。
それに対して、日本は2023年時点でも13.8%とあまり実施されていません。
実は無痛分娩自体は日本でも、大正時代から実施されているそうです。
日本で現代でも無痛分娩が少ない理由は
・分娩のためだけに、産婦人科医院に常駐する麻酔担当医師が少ない
・「お腹を痛めて生んでこそ、我が子」と言う文化
という、医療業界の事情や日本独特のお産に対する意識が絡んでいると言う事も書いています。
参考元:(日本財団ジャーナル)広がりつつある「無痛分娩」という選択肢。正しい知識を医療者に伝える『飛ぶ無痛Cafe』に無痛分娩の基礎知識を識者に聞いた 2025.03.06
記事を書く趣旨を説明して、男性では分からない出産の苦労について母に体験談を聞いてみました。
・あんたや弟たちを産んだ昭和30年代~40年代は、無痛分娩とか選択肢にすら無かったよ
と言い、そして上にも書いている様に
・痛みに絶えてあんたたちを産んだからこそ、子供が愛おしいんだから
と。
更に、私を産んだ時の状況の話しになると
・へその緒が首に巻き付いていて、仮死状態で生まれてきた事
・医師が足を持って逆さまに吊るして、背中をポンポンと軽く叩いたら産声をあげた事
を聞いて、下手をすると私は今頃こうやって記事を書けていなかった可能性もあった事も知りました(怖)。
【体験談】私も難聴ですが、母も難聴の先輩なんです
実を言うと、私の母も右耳が聞こえません。
若い頃に、ストレスからなってしまったと聞いています。
ですが私の様に両耳とも聴力が落ちず、片耳で済んでいます。
しかも、普通に聴こえる左耳だけで補聴器を着けずともテレビを見たり電話に出たり出来ていますので、年齢を重ねる毎に聴力が落ちていっている私は羨ましくてしかたありません。
そういう意味では、母は私にとって難聴の先輩と言うか「親子で難聴になるとか、行動パターンが母に似ているのかな?」なんて思っています。
終わりに

画像提供:映画「幸せの、忘れもの。」
今回の映画は、難聴の私は字幕を見ながら試聴していました。
私自身、補聴器は「耳の聞こえが悪くなった」と感じ出した31年前から使用しています。
理由は当時勤務していた会社での会議やお客様との打ち合わせで、会話の内容が良く聞き取れないと言う事が増えたからです。
私の場合は、入社3年目に長時間労働の疲れから通勤電車内でパニック発作を起こし、その時に有った「めまい・耳鳴り」を放置してしまったからでして、映画の主人公の様な先天性では有りません。
でも、最初は軽度難聴だった私も現在は重度難聴にまで症状は進んでいます。
新しい補聴器に変えたのに、今まで聞こえていた番組のテーマ曲メロディがキチンと聞こえる様にはならなかった時「ここまで聴力が落ちてしまったか」と悲しくなりました。
なので、近年はテレビの「手話ニュース」を勉強がてら見て文字と手の動きを観察していますが
・手話はキチンと習わないと難しい
と感じています。
今回の映画は、アンヘラが隔たりを感じる場面が何度も形を変えて登場しますが、そうした生きづらさや働きづらさが少しでもこの映画をきっかけに解消されていくことを願っています。
この映画を知るきっかけを作ってくれた、支援員さんには感謝です。
皆さんもよければスクリーンで味わっていただければと思います。
『幸せの、忘れもの。』
5月1日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国公開
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
© 2025. Distinto Films SLU, Nexus Creafilms SL, A Contracorriente Films SL, Diverso Films AIE
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記事を読ませていただきました。音が聞こえないのはまわりの状況を把握するのはたいへんだと思います。アナウンスが流れていても聞き取れないことで不便だなぁ!と感じてるのではないでしょうか?そのぶんまわりを見渡して動いて状況の確認で危険な思いをしないですむのです。これからも記事を楽しみにしています。