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はじめに
世界の人口の半分は女性であり、女性が子どもを産まなければ人類の繁栄はありえません。そこで、必要不可欠なのは生理です。女性の生理がなければ、子どもは産まれません。
しかし、生理の話は誰もが気軽に話せるものではありません。恥ずかしいものという認識もあるのではないでしょうか。
これから、世界で唯一の生理博物館「小紅厝月經博物館」の活動をご紹介してみようと思います。
少女が抱いた疑問
代表のヴィヴィ・リンさんは語ります。
自分に初潮がきたときにそれがなにかわからず、混乱しました。そこで、誰かに相談したかったのに話すことはタブーとされ、恥ずかしがって母親も誰も答えてはくれませんでした。
台湾という、儒教や道教の教えが強い歴史ある地域では「生理」に対する偏見が根深くあったようでした。それを不思議に思ったリンさんは「生理」に対するスティグマを解消するための活動を始めました。
そんなきっかけからこの博物館は生まれたようです。
博物館の存在
生理のことを知り、気軽に質問でき、話し合える機会を作るためにできた施設です。
普段、パッケージに入って手に取れないナプキンやタンポン、月経カップを触って確かめられるようにしてあります。
世界各国の生理にまつわる本も置かれており、来館者が生理についてのエピソードを書いたり、読んだりできるコーナーも設置してあります。
子連れの家族や、高齢者、男性など性別や年齢をこえたあらゆる人々が博物館を訪れています。
生理のことで教育を受けてこなかった親世代も、この博物館を参考にして子どもたちに生理のことを説明しているようです。
貧困対策・生理用品の無償提供
2023年7月、台湾のすべての学校と大学では、生理用品の無償提供が行われています。「生理」の貧困に対して政府が政策をとっています。
日本では、一部の地域や学校で実施されていますが、全国的には行われていないようです。それは予算の問題や、政策の優先順位、文化的にタブーとされているので議題にのせられにくいなどが関係しているようです。
自分で稼いでいる女性が生理用品も買えない貧困であるとするのは、スマートフォン代や他の洋服代など支払えるのに生理用品だけ買えないのはおかしいという意見もあるようです。
小・中学生に無料配布するのは男性側も賛成している意見が多いようです。父子家庭や、親の無理解により、生理ナプキンが買えない状況下にある若年層に無料配布することは適切な支援といえるのではないでしょうか。
OiTr(オイテル)の導入
OiTr(オイテル)という生理用ナプキンを無料配布するサービスもあります。広告を見ることによってナプキンを手に入れることができます。スマートフォンでOiTr(オイテル)のアプリをダウンロードし、起動させてディスペンサーに近づけて画面の取り出しボタンをタップするだけです。
こうしたサービスがあることは女性にとってありがたいことですね。
公式サイト:https://www.oitr.jp/
生理について取り巻く環境
生理について性別や世代を超えて気軽に話し合える環境を作ることはよいことだと思います。日本にもこのような施設ができるといいと思います。
生理について女性同士でも痛みや感じ方は違うので一概にこう対処した方がいいとはなりませんが、生理の変化でその時の体調もわかりますし、ピルなどのお薬や医療にアクセスしやすい環境などが整ってくればいいなと思います。
男性にはわかりにくい話だったかもしれませんが、最近では生理痛を疑似体験できるセミナーもあるので、男性にとっても理解しやすくなっていく環境ができつつあると期待しています。
まとめ
女性の働きやすさを考えていくことは社会の活力になると思います。生理が持つさまざまな障壁を理解し、それに対応する活動の一つとして生理用品の無料配布などの支援が充実していくとよいと考えます。
男女の格差をなくすことは難しい課題なのかもしれません。なにが平等であるべきなのか議論は分かれるところがあります。ただし、女性が働きやすい環境は男性にとっても働きやすい環境になると思いますので、女性特有の生理に対処することが必ずしも女性だけの利益にはならないのではないかと考えます。
男性側にも理解が必要になってきますし、あらゆる世代の人々が生理に関心を持つことは社会の利益につながると思います。
このような博物館の存在は社会にとっては必要なことだと思います。
参考サイト
HUFFPOST 知ってる?世界で唯一の「月経博物館」。1人の女子中学生の「なぜ」から始まり、博物館ができるまで 2024年7月29日
ELEMINIST 生理用品を無料提供している世界の国一覧 日本の現状は? 2023年8月21日
Women’sHealth 日本でも生理用品の無料配布が当たり前になる? 世界の動きと国内の取り組み 2022年8月31日
毎日新聞 想像を超える痛みに思わず「ウァ…」 男性記者が生理痛を疑似体験 2024年7月28日
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