ドラマ『生理おじさんとその娘』から見えてくる、男性の生理への向き合い方。 

生理おじさんとその娘 ドラマ

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

男性の皆さんは、どれ位女性の生理を理解していますか?男性にとって、身近にそういう人がいないと、生理というものは分からないのではないでしょうか?

そんな「分からないよ」という男性に向けて、2023年3月にNHKで生理に関する特集ドラマが放送されます。

原田泰造さん(ネプチューン)が、2023年3月24日(金)にNHK総合で放送される特集ドラマ『生理おじさんとその娘』(22:00-23:13)で主演を務めます。

今回はこのドラマに関して、生理と向き合うこととなった男性の例を2つ紹介します。

あらすじ

主人公は、生理用品メーカーの情熱的な広報マン、光橋幸男。高校生の娘と中学生の息子を育てるシングルファーザーだ。半年前、「生理についてよく知ろう!」と幸男が呼びかける動画が「バズ」ったことをきっかけに、「生理のおじさん」として活動している。一躍SNSとお茶の間の人気者となった父親に、思春期の娘・花は、複雑な思いを抱いていた。

生放送の情報バラエティで幸男と共演するコメンテーターの北城うららもまた、幸男の言動が気に食わない。ある日、うららの「あなたは女性のことを全然分かってない」という挑発に興奮した幸男は思わず「僕は娘の生理周期も把握している!」と発言。幸男の会社にはクレームが殺到し、学校でうわさになった花は家出してしまう。激しく落ち込む幸男。彼は炎上を乗り切り、愛娘と仲直りできるのか。生理を巡る親子のスレ違いを、2人はどう乗り越えるのかーー。

引用:生理を巡る父娘のスレ違いを描く「生理のおじさんとその娘」NHKで放送 cinemacafe.net(2023年)

ここからは生理に向き合うこととなった父と娘、大学生の生理への考え方について2つご紹介します。

娘が生理になった!そんな時に役に立った【りぼん】の特集サイトの《生理カンペキBOOK》

画像引用・参考:娘が突然「生理が来ちゃった」…父の窮地を救った「りぼん」の付録がすごい! ネットで無料公開 東京すくすく(2022年)

パパ。今生理が来ちゃった

ある日自宅で、小学5年生の長女から生理が始まったと言われました。男性である私の生理に関する知識は、保健体育や理科で勉強した程度でした。生理用品の使い方や入浴できるかできないか、これから起こる身体や精神的な変化―。長女の疑問に何1つ答えることができませんでした。

こんな時に頼りにしたい妻は仕事に出勤しています。2人の娘を持つ父親になっても、生理は他人事だったんだと痛感した瞬間でした。

妻にLINEでヘルプを求めると「【りぼん】の付録が便利よ。公式サイトで公開されているから、長女に見せて欲しい」と返事が送られて来ました。SNSでも話題の【りぼん】の《生理カンペキBOOK》は、生理に対して不安に感じる長女と私の「今、知りたいこと」が沢山書かれていました。

この《生理カンペキBOOK》は、2021年10月発売の集英社の月刊少女漫画誌【りぼん】11月号のとじこみ別冊(付録)でした。フルカラー12ページとなり、産婦人科医の高橋幸子さんが監修し、大手生理用品メーカーの賛同も獲得し、りぼん編集部が作成に携わりました。2022年6月27日には【りぼん】公式サイト内で無料公開もスタートしました。

まず「生理って何だろう!?」といった6項目で解説しています。可愛いイラストも沢山載っています。生理のある期間は人それぞれ異なりますが3~7日程度、生理が始まる1~2週間前には苛々したり腹痛も起きる、入浴はできます―。スマホでページをめくるごとに、長女の生理に対する疑問に的確に答えてくれました。「可愛いイラストがあるから読みやすい。パパが全然分からないことが書いてあって嬉しい」と言って、長女は《生理カンペキBOOK》を熱心に読み込みました。こわばった表情は段々和らいでいきました。

基礎知識以外にも、子どもが初めて生理を来た時に家族らにどう伝えたら良いか、友人の家に遊びに行った時に生理問題をどう解決するかといった、ライフスタイルで困るシーンに関しても高橋先生らの専門家のアドバイスも掲載されています。帰宅した妻も「学校ではここまで生理に関して教えてくれないよ。本当に凄いね」と感心していました。

《生理カンペキBOOK》の表紙には「男のコも大人の人も、みんなで読んでね!」というキャッチコピーがありました。2021年10月にこの《生理カンペキBOOK》が付いた【りぼん】を発売した後も、SNSに「生理について理解しやすい」「男性にも是非読んで欲しい」と感想が寄せられ、複数のメディアが《生理カンペキBOOK》を取り上げ、少しずつ話題になっていきました。電子版の販売期間を終わった後でも「また読みたい」という声が多く届いたので、異例の無料公開となりました。 

参考:娘が生理に!でも妻は仕事でいない・・・ 37歳パパ記者のピンチを救った少女漫画誌「りぼん」の付録 東京新聞(2022年)

関連記事

『りぼん』編集部が作った「生理カンペキBOOK」が永久保存版すぎる。無料公開した思いを聞いた ハフポスト(2022年)

僕たちは生理を学んでこなかった NHK News Up(2022年)

参考サイト

生理について話し合う沖縄の大学生

琉球大学2年生の男女3人が「生理の貧困」を題材にしたドキュメンタリー映画の制作に励んでいます。生理に関する課題解決に励む団体を取材しつつ、「生理の貧困」の問題の改善策を見出したいとしています。琉球大の実習の1つで、2023年2月までに約15分の映画を作り、琉球大の学内で発表する以外にも、映画祭への出品も考えています。

ドキュメンタリー映画に携わるメンバーは人文社会学部マスコミ学コース専攻の女性、男性Aさん、男性Bさんです。2022年10月、実習での題材を決める議論を進めていく中で、男性Aさんから「生理が題材はどう?」とアイデアが浮上しました。

ドキュメンタリー映画に携わるチーム唯一の女性は「女性特有の悩みを男性Aさんがアイデアを出してくれました。私にとって生理は身近な話題なので、逆に思い付かないアイデアでした」とこう振り返りました。男性Aさんは、男性が気付かないところで女性が生理について悩んだりしていることに疑問を感じたと話し「取材を介して、生理について理解することができたらいいなと思いました」と言います。

ドキュメンタリー映画の制作に対し、チームで話し合いを重ねる中で特にポイントを置いたのが「生理の貧困」でした。以前から、沖縄の貧困問題に関心を持っていた男性Bさんは「子どもの貧困を思う中で、生理に関しても題材にすることが大切だと思いました」。そして、沖縄県内で活動する支援団体から話を聞くことで、生理に関しての理解を深め、ドキュメンタリー映画の制作活動をスタートさせました。

2022年12月、沖縄キリスト教学院大学の学生ボランティア団体「Ladybird」の中学生への出前授業に同行し、「生理の貧困」に関しての取材を重ねました。

中学校の生徒たちは男子も女子も互いに「生理の貧困」の話し合いを行っていたとし、「生理をタブー視せずに議論し合える環境で、世代の違いを実感しました」と話した男性Bさん。女性は「女性だけの問題ではないことが大事なんだと再度体感しました」と述べます。

参考:男性が提案 生理の貧困の映像化に挑む大学生 取材通して改善探る 沖縄タイムス(2022年)

男性にとっては、

生理は他人事ではなくなった世の中になったと思います。昔は生理は女子と男子の分離授業で、大人になってからも男性が生理について知ることはあまりなかったのかもしれません。

ですが、今は企業でも男性の社員が生理に関する専用の講習を設け、女性社員の意見も聞きながら、女性が生理の時にどうして欲しいかなどのマニュアルを作成するところも多くなって来ました。

昔から男性にとって生理は遠い存在だったのかもしれません。今は色んなところで、知らなかったその知識を増やすことができます。ドラマもそんな方に響く内容だと思います。

生理が重い女性の私にとって、昔より生理の時の状態をオープンに言える環境となって来ました。これからもこの男性が生理について知る取り組みは維持して頂きたいなと思います。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。