2022年から糖尿病の名称変更へ、議論中。治療法の研究に成功も。光となるかー? 

糖尿病 名称変更

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

日本の糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人と推計され、糖尿病にかかる年間の医療費も1兆2,236億円にも達します。日本の2型糖尿病患者数は約2000万人と言われていて、腎症による人工透析患者数の増加傾向も社会問題です。

糖尿病は、高血糖や炎症などで膵β細胞からのインスリン分泌が低下し、肥満などでインスリン抵抗性により発症します。インスリン分泌の低下により血糖値が上昇することが明らかとなっていますが、その原因はまだ解明されておらず、糖尿病患者で減少する膵β細胞からのインスリン分泌の機能を回復させることが、糖尿病の治療の最善策だと考えられています。

私もジプレキサから薬剤性糖尿病となり、今は2型糖尿病です。この病気は本当に管理が難しく、先日の通院でそのことを改めて考えさせられました。

今回は糖尿病を巡る、新しい情報について発信したいと思います。

2022年から糖尿病の名称変更を議論中

「糖尿病」という病名に抵抗を感じますー。当事者らのそんな声が集まり、病名の変更しようと訴える取り組みが起きています。過去には、「痴呆症」が「認知症」、「精神分裂病」が「統合失調症」にそれぞれ変わったケースがあります。その反面で、「名前を変更しても差別は消えない」「社会へ与える影響が余りに大きい」と慎重に検討することを求める意見も根強いです。

「糖尿病に対し、誤った認識が偏見を遂行し、差別を生み出しています」。医師や当事者らで構成された公益社団法人「日本糖尿病協会」が2022年11月、東京都内で開催した報道関係者向けセミナーの冒頭の挨拶で、協会理事長の男性はこう危惧しました。

糖尿病は、免疫の異常などで血液中の血糖値を下げるホルモン「インスリン」が足りなくなり、働きが鈍くなって高血糖になる病気です。従来は当事者の尿に糖が混じることからこの様に名付けられましたが、実際は尿に糖が出ない当事者も多くいます。

「日本糖尿病協会」の協会理事長の男性によりますと、日本では1960〜1970年代に糖尿病の患者が急増し、「治りにくい病気」というイメージが拡大しました。治療法が確立した現代においても、過剰に健康リスクがあると連想され、就職など社会生活で不利な状況を虐げられる人もいるといます。

「日本糖尿病協会」が2021年12月〜2022年9月に、公式ホームページ上で実施したアンケートで結果では、回答を寄せた当事者1087人の90.2%が抵抗感や不快感を抱え、79.8%が病名を変更して欲しいと回答しました。この様に「負のイメージ」を一新するためにも、日本糖尿病学会は各部署と連携し、病名の変更も併せて議論を重ねています。

ですが、糖尿病の名称に関しては20年以上前も、「日本糖尿病学会」の学術集会で話題に上がりましたが、賛否両論となり変更は叶いませんでした。今回も名称を見直しを歓迎する声がある一方、「関連する法律や診療科名などの変更しなければならず、コストが高くつく」「インスリン注射が毎日必要である1型糖尿病当事者にかかる高額な医療費負担など、優先すべき課題が山積している」「病気自体への理解が加速しない限り、名称を変更しても偏見や分断は消えない」という意見も集まっています。

「日本糖尿病協会」によりますと、糖尿病は、歴史上紀元前から認知されていた病気で、ラテン語は「溢れ出す」という単語が選ばれ、英語の「diabetes(ダイアビーティス)」以外にも、フランス語やドイツ語でも同じ様に溢れるという意味の病名が使用されています。

日本では、喉が乾く症状があったことで、古来から「消渇」と称され、平安時代の貴族、藤原道長も「消渇」だったと言い伝えられています。

江戸時代にはオランダより医学の知識が輸入されたことで、オランダ語で「尿」と「洪水」を表す「pisvloed(ピスフルトゥ)」という病名を翻訳した結果、「尿崩(にょうほう)」が使用され始めました。

それから病気を尿から出る糖を検査したりして診断を行うことになり、1907年に日本内科学会で病名を糖尿病と統一されました。

糖尿病の診断は現代では血糖値を測定することが必要で、「日本糖尿病協会」は病気の実態を体現する名前にすべきと見直す時期に差し掛かっているとします。

「日本糖尿病協会」の理事長の男性は「血糖値を測定できなかった時代に決定した病名で仕方がなかったかもしれませんが正確な病名とは言えないでしょう。これをきっかけに理解が進んで貰えたら」と説明しています。

参考:「糖尿病」名前変える? 医師と患者が提唱 負のイメージ払拭、治療の力に 東京新聞(2023年)

2022年12月、「糖尿病」の名称を言い換えるとしたら何がよいか、専門医に選択肢の中から選んで貰った結果、最も多かったものは「糖代謝異常症」で、次点では、「高血糖症」、「高血糖症候群」となりました。

2023年9月22日、

専門医などで構成された学術団体、日本糖尿病学会と、当事者や医師で構成された日本糖尿病協会は2023年9月22日、糖尿病の通称の新しい候補に、英語名「ダイアベティス」(Diabetes)を提案しました。糖尿病という名前を巡り、当事者から不潔や怠惰といった負のイメージを持たれやすいとの意見があって、名称の変更を要求する声が日に日に高まっていました。

その反面、糖尿病の名称自体の正式な変更は簡単にできないことから「ダイアベティス」という名称は糖尿病のシンポジウムなどの中で使用していって、1~2年を要して当事者や医師など医療従事者などから広く意見を集めていきます。

これは、2つの団体では、現在の糖尿病という病名では、

▽糖が尿に出ない当事者も多く症状を正確に模していない

上に

▽「尿」というフレーズが不潔なイメージに直結し、偏見や誤解を生んでいる

などがあって、新しい名称を検討していきました。

そして、学術的に正確で、国際的にも認められやすいことが理由で、英語の病名を片仮名にし、採用されると「ダイアベティス(糖尿病)」と新旧の呼称を併記することも検討中です。

日本糖尿病学会と、日本糖尿病協会の合同委員会が2023年1月、新しい名称を検討する作業部会を設けました。「DMS」「ディアベ」「糖代謝症候群」など複数の候補案の中で、学術的に正確で、海外でも用いられている「ダイアベティス」が選出されました。

日本糖尿病協会の清野裕理事長は「将来的には『ダイアベティス』が正しい病名として変更されることも視野に入れています。糖尿病という呼び名は、科学的に正確かが疑問で、当事者に喜ばれていません。世界に共通する言語に選択する舵を切るべきです。『ダイアベティス』として定着すると、行政的な言語も変換していくと想定しています」と強く主張しました。

参考:糖尿病、ダイアベティスに 学会、英語名の通称提案 東京新聞(2023年)

以前は「蜜尿病」との名称も存在しましたが、1907年に糖尿病へと統一されました。日本糖尿病学会と、日本糖尿病協会の合同委員会は糖尿病の名称の変更の必要性や、「ダイアベティス」という新しい名称の妥当性を、啓発活動などで議論を重ねていき、結論を出していきます。

日本糖尿病協会が2021〜2022年に当事者1000人超にアンケート調査をした結果、怠惰な生活をしていると偏見され誤解を持たれることや、病名に「尿」が含まれることへの不快感があることなどを理由に、アンケートに回答した1087人のおよそ9割が糖尿病という名称の変更を希望をしました。

2022年、糖尿病の治療法の研究が成功

膵臓の細胞を増やして移植し、糖尿病のマウスを治療することに成功したと、東京大の教授(実験病理学)らの研究チームが発表した。糖尿病の根本治療につながると期待される成果で、論文が科学誌「ネイチャー・メタボリズム」に掲載される。

チームは、人やマウスの膵臓細胞に「MYCL遺伝子」を入れると、細胞の増殖能力が復活することを発見。糖尿病にしたマウスに、この遺伝子を入れて増やした膵臓の細胞を移植するとインスリンを分泌し、血糖値がほぼ正常値まで低下した。

チームは、5年後をめどに、増やした膵臓細胞を糖尿病患者に移植する臨床試験の開始を目指す。

引用:膵臓の細胞増やして移植、マウスで糖尿病治療に成功…東大教授らのチーム 読売新聞(2022年)

糖尿病の人のために、美味しくて低糖質のパンを作りました

東京都杉並区にあるJR中央線阿佐ケ谷駅近くの「カフェキッチン ラポム」では、小麦の外皮(ふすま)を使用した低糖質ブランパンが人気を集めています。「糖尿病の一歩手前」と医師から言われたシェフの男性が、血糖値測定器を自身に装着して試行錯誤を重ね、美味しい低糖質なパンを開発しました。

「カフェキッチン ラポム」のブランパン1枚(約50g)の糖質は1.4グラムと低いです。食物繊維が多く含まれ、もちっとした食感も最大の特徴と言えます。シェフの男性と同じ通院先の糖尿病の人に試食をお願いし、「これなら安心して食べられる」とお墨付きを得ました。

男性の妻でオーナーの女性は「外皮のパンはボソボソした美味しくない食感によくなります。それを我慢してまで食べるパンにはしたくなかった」と妥協しなかったと言います。「健康も美味しさも」をキーワードに、店内では低糖質スイーツも揃えています。

2022年5月に新宿で開催された、東京都中野区にある西武信用金庫の物産展でもこのブランパンは完売しました。妻は「ブランパンを目当てにやって来たお客様も多くいて、ニーズがあるんだと実感した」と説明しました。

参考:「糖尿病の一歩手前」 杉並のシェフが開発 低糖質でもおいしいパン 東京新聞(2022年)

糖尿病の父のために、関連本を作りました

兵庫県宝塚市に住む管理栄養士の女性が、糖尿病の父と二人三脚で糖質制限の食事を行い、その経験を綴った本「50歳で糖尿病になり、85歳の今も現役医師の父を救った食事法」を、2023年3月に出版しました。

女性は30代に入って調理師や管理栄養士の資格を取得し、食事や栄養に関して研究しています。東京を拠点に、「美容と健康」を題材にした健康料理教室を開催したり、サプリメント関連の本を執筆しました。

この時に、精神科医である父が糖尿病を発症しました。投薬や食事療法も継続していましたが、祖父も糖尿病で早くに亡くなっていて、父は「自分も長生きはできないだろう」と半ば諦めていました。そんな父の近況を耳にした女性は2012年、地元の宝塚市に帰郷し、父との二人三脚での糖尿病の生活改善がスタートしました。

目標に掲げたのは「美味しい食事をしながらも糖尿病を悪化させない」ことでした。24時間血糖値を測定できる機器を父が着け、専門医に監修をして貰いながら1日の献立を考えました。「父は70歳で孫が誕生して、長生きしたいという願望もできました。私も父に親孝行したいという気持ちが強くあって…」と、女性は当時を回顧しました。

糖尿病専門医らの監修した情報をベースに、本には取り組んだことの具体的内容や食事の実践方法、糖質制限のレシピなどが記載されています。本は青萠堂から出版され、全232ページで、税込1320円となります。

参考:糖尿病と闘う食事サポートを 目指したのは「おいしく糖質制限」 管理栄養士・マリー秋沢さん書籍出版 神戸新聞NEXT(2023年)

本当に管理が難しい病気です。

この間受診の時の、体重も減り、筋肉量が増えて、体脂肪が減っていたので、「母が入院していて、偏った食事もあったけど、時々魚も食べていたから、良かったのかな?血液検査もきっと良いだろう」と、思い、内科に向かいました。

ですが血糖値は良い方でも、HbA1cが上がっていました。私が料理が苦手なので、朝以外の時間の食事は1日1食が多かったことと、冷凍食品の麺類をしていた時に、父が「麺だけではお腹が減るから、ご飯も食べたい」と言い出し、通院前の1ヵ月位、麺類とご飯を炊いていたのが、悪かったと思います。

母が退院してから、入院中して来なかったトマト以外にも他の野菜も再度摂ることにしました。この間の通院は複合的な理由が絡み合いましたが、次の受診では母も帰って来ましたし、「母が入院していたので」なんて理由は通りません。再度この病気と向き合わねばと思いました。

この間の通院で、「糖尿病の人は診察前に血圧と体重を測ってから、それを主治医に見せる様に」という仕組みに変わっていました。この病気は本当に検査機器といい、色々日々変わるなと思っています。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。