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こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは学校の健診で、「何で上半身裸にならなくてはならないんだろう?」と考えたことはありますか?私が学生時代は結構昔で、あの当時はそうなることが当たり前と思っていた時代で、自分も自然とそうしていました。ですが、今その疑問を訴えている家族会があります。
小中学校の内科健診で上半身裸になることに、生徒や親御さんが「時代錯誤も甚だしい」だと異議を唱えています。京都府医師会の見解を持ち出し、こういった声に対して、「脱衣でないと疾患を見逃す恐れがある診断の精度を維持するために必要な手段だ」という長岡京市教育委員会に対し、着衣か脱衣か選択できる様にして欲しいという切実な訴えです。
家族会が立ち上がったきっかけは、2022年7月に岡山県岡山市にある小中学校で健診を担当していた医師が逮捕された盗撮事件が起きたことが背景にありました。捜査にあたった京都府警によりますと、学校健診でペン型のカメラを胸ポケットに入れ、女の子の上半身を盗撮していました。自宅から押収された動画にはおよそ280人の女の子が映っていました。
今回は立ち上がった【子どもたちの安心できる健康診断をめざす会】の想いと訴えの内容について、考えていきたいと思います。
【子どもたちの安心できる健康診断をめざす会】が訴える、学校健診の在り方とは?
小中学校の健康診断が、生徒の上半身を裸にして実施されることに、「異性の医師に裸を見られたくない」と子ども達や親御さんから不安の声が高まっています。
千葉県に住む会社員の女性は2022年12月21日、「本人の意思を尊重した健診」を早期に要望する趣旨に賛同を寄せた人の署名を文部科学省に提出しました。2020年からオンライン署名活動をスタートし、署名の賛同者は4万2000人を超えました。
京都府長岡京市でも2022年11月、子ども達と親御さんで構成された【子どもたちの安心できる健康診断をめざす会】が、上半身脱衣での学校健診での在り方の見直しを要望するおよそ5300筆の署名を長岡京市教育委員会に提出しました。
「大人に自分の裸を学校健診で見せるということ。その恥ずかしさを想像するだけでも、子を持つ親として許せませんでした。着衣での健康診断を許可して頂きます様にお願い申し上げます」。大学1年生の長女がいる会社員の江川学さんは2022年11月22日、署名が記載された用紙の束を手に、切実な想いを訴えました。
受け取った長岡京市教育委員会の担当者は「病気の見逃しがあってはいけませんが、プライバシーへの考慮も重要不可欠となります。皆々様には丁寧に説明をしていきたい所存です。生徒に寄り添った議論が重ねられたら」と説明しました。
江川さんは、「娘から話を聞くと小・中・高の12年間、学校健康診断を受ける時に上半身裸でされていたと言われました。まさかこんなに、上半身裸で強制的に行われるのは、今の時代には不適切ではと思います」と危惧しました。
京都市内に14ある小中学校の全てで、現在も男女全員上半身裸での学校健診が実施されている長岡京市。今回署名を書いた大学1年生の女性は、中学時代の学校健診の当時を振り返りました。
「健診の順番が自分に回って来る2番目前になると、下着も全部脱ぎ、ずっとこのまま上半身を隠した状態で、健診の時に全部隠すのを止めさせられるという感じでした。腕で胸を隠す感じで健診が終わる前まで待ってました。本当に嫌でした、ここまで脱ぐ必要性はあるのかなって、ずっと感じてましたし。本当に嫌な気持ちがあったので、誰にも言えずにすぐに忘れてしまおうという想いでした。」
集まった署名では、上半身裸でいる時間を極限まで減らしたいという願いから、直前まで服を着て待機し、下着をつけた状態で学校健診を受けることを許可して頂きたいと訴えます。
この署名が開始された経緯となったのが、2022年7月に発覚した、小中学校での医師による健診中の盗撮事件でした。この事件をきっかけに、長岡京市議会でも、学校健診の見直しを要望する声が高まりました。
子どもが上半身裸にならなくても、タオルなどで隠しながら健診を行えるのではないかー?。親御さんから相談が届いた川口良江市議は、まずは生徒や親御さんの声に耳を傾けて欲しいと、議会で長岡京市教育委員会にアンケートを実施することを要求しましたが…
長岡京市の川口市議は、「思春期の生徒さんたちが全員上半身裸で学校健診を受けるってどうなの?っていう想いが強くありましたので。それに関連して『アンケートを実施するつもりはありません』っていうことでした。学校健診がこの方法でいいのかを、みんなで考えていきたいという課題なので…そこは、学校医の方と学校が現在は協議されているんですが、生徒たちの声とか親御さんの声もその中に入れて頂き、話し合いの場を設置して欲しいということをまず第一に要望したいと思っています」。
これに関して長岡京市の教育委員会は、健診の直前までバスタオルを羽織らせるなど年齢に応じた配慮は学校により実行していますが、上半身裸での健診は「必須」との立場でいます。
過去に上半身裸での健診を受けた人たちからは、「もはや性暴力」「ここまで脱ぐ必要がある?」といった声も届いています。
医師が学校健診で何を確認しているのか、学校医を務める正木クリニックの院長の女性に解説を求めると、肌の変色や発疹、アトピーといった皮膚疾患の有無や、虐待の痕や外傷の有無ということでした。また心音は、下着を着用したままだと聞き取りにくいといいます。
また、長岡京市によりますと、ついたてなどで他の生徒たちから見えない様にした上で、学校医が脊柱側弯(せきちゅうそくわん)症などをチェックしています。全体の8割が特発性側弯症とされ、その多くが11歳以上の女の子です。
小学4年生~中学3年生が脊柱側湾症が進行しやすく、早期発見できると軽度の治療で解決できますが、見落として悪化した場合、呼吸器などにも影響を及ぼします。
学校健診に関与する署名活動は、全国的にも拡大しています。「子ども達を強制的に裸にしないで!本人の同意を大事にして欲しい」と訴えるインターネットの署名サイトは、学校健診を受ける方法を生徒本人の意思で決定できる様に要望しています。2年間で寄せられた署名は、2万6000超となりました。
京都府医師会による2019年の実態調査によりますと、京都市を除く公立の小中学校259校の中で、男女共に上半身裸で学校健診を行っていたのは小学校で71%、中学校で32%という結果となりました。
この実態調査に京都市が入っていないのは、京都市内の小中学校の100%が、上半身裸で健診を行っているためでした。
玉木クリニックの院長の女性は学校健診に関して、「上半身裸が理想的な手段ですが、下着なしの体操服着用が現実的な話です」と述べました。
参考:脱衣の学校健診「見直しを」訴え相次ぐ 自治体「精度向上に必要」 朝日新聞デジタル(2022年)
文部科学省は小・中学校の学校健康において、プライバシーへの配慮を含む行い方を丁寧に回答し、生徒や親御さんの理解を得る様に学校へと通知を出していますが、国としての統一ルールは設置していません。
みんなが納得しながら受けられる学校健診の在り方へと転換するためにも、今、議論が必要です。
公式Twitter
https://twitter.com/anshin_kenshin?s=21&t=hQlRcHs2oQrT0aRaseq9iA
2024年1月、
文部科学省は、学校の健康診断での実施方法や服装に関して、児童・生徒のプライバシーに配慮する様に、都道府県の教育委員会などに通知を発出しました。通知は2024年1月22日付で、聴診器を当てることや触診といった診察方法を予め児童生徒や保護者に説明することなども要求しました。
異性の医師に自分の裸を見せることに不安を覚える児童・生徒や親御さんがいるため、診察や検査に支障のない範囲で体操服、タオル、下着で体を覆うなどの対応を促進しました。
また、プライバシーに配慮した学校の健康診断に関して、男女別に実施▽待機している時はタオルや体操服などで身体を隠せる様にする▽養護教諭を除いて、児童・生徒と同性の教職員が立ち会う▽カーテンや囲いの設置―などの運用法を具体的に示しました。
ですが、正確な診断には、必要に応じて、医師が下着や体操服をめくって聴診器を入れたり、視診したり、触診したりする医学上欠かせない検査もあります。医療関係者の意見も踏まえ、発出した通知ではその事例として心臓、背中、皮膚、胸部の4つの検査項目を一部イラスト入りで明示しました。
一方、文部科学省は「診察内容の必要性を児童・生徒や親御さんに事前に説明し、学校と医師、児童・生徒の間で共通認識を持つことが必要となります」と主張しました。
文部科学省は、こうした情報を学校の健康診断の前に、学校側から児童・生徒や親御さんに伝えて頂き、安心して受けられる環境づくりに結び付けたい狙いです。
地域ごとに学校の健康診断の在り方を統一していくために、通知では都道府県の医師会などと服装や検査・診察の方法を協議することも必要だと記しました。
文部科学省健康教育・食育課は「児童・生徒のプライバシーに配慮しつつも、正確な検査や診察を実施するために、本人や親御さんの理解を得た上で実施して頂きたいです」と説明しています。
参考:学校の健康診断「原則着衣で」、文科省が通知…プライバシーに配慮 読売新聞(2024年)
私と学校健診。
まだ上半身裸になることに疑問を持つ人がいなかったそんな時代でした。疑問に感じている人がいたとしても、ごく少数だったと思います。そんな私でも学校健診で嫌な思いをしました。
下着を取って検診して貰って、「ふぅー、終わった」と一息ついて、着替えていた時のことです。私の近くにいた同級生がこうその場で言いました。
「あの先生、うちらの裸を観て、明らかに興奮してたよね」。
それを聞いた瞬間背筋が凍って、不快な思いが増幅しました。その先生はとある病院の院長だったのですが、それを聞いてからその院長のことが嫌になり、それでも学校健診には毎年来る。なるだけ感情を押し殺して、無の表情で聞かれたことを、ただ淡々と答える。そうしてやり過ごしました。
その院長のいる病院にも抵抗を持ち、その院長がその病院に院長として勤務していた期間はどんなに体調が悪くても、その病院に行く選択肢はありませんでした。
この記事を書いて、私と同じ様に学校健診で悩んでいる人が多いことに気付きました。やっぱり上半身裸というのは、誰でも抵抗のあることだと思います。去年の11月から急速に広がったこの署名などの活動ですが、嫌な思いをする人がいなくなる、そんな学校健診になっていかねばと思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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