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うつ病viviの追憶「忘れられないXmas」
はじめに
Xmasが近づくと思い出す、あの日の出来事。
かれこれ25年くらい前。
viviは当時、水商売をしてました。
毎日が迎い酒。酒を浴びるほど飲み、毎日朝まで飲んで遊んでいました。
今思えば、無茶苦茶な毎日。夢も希望もあきらめ自暴自棄になっていました。
それでも、今を生き抜こうと必死でした。
ストーカー
当時、一人暮らしをしていて新しいマンションに越したばかりでした。
また、「ストーカー」という言葉が世に出てきた頃で、いろんなストーカーにまつわる話が出回って、一人暮らしをしている女性たちを脅かしていました。
一人暮らしをしている女性がいました。
ある日、彼氏と一緒にその部屋に帰ってきて、ベッドの下でくつろいでいると、彼が突然、彼女にタバコを買い忘れたので、外に出ようと誘ってきました。それを聞いて彼女は疑問に思いながら彼と一緒に外にでました。そして、コンビニに着くと彼は電話をかけはじめました。「警察ですか?今、彼女の部屋に行ったら、ベッドの下に斧を持った男が一人隠れています」と。彼女は驚愕しました。一人で部屋に帰っていたら今頃・・。彼と一緒でよかった。彼が機転をきかせたおかげで、想像できないくらいの恐怖から身を守れた。彼女は始めは信じられなかったけど、だんだん怖くなって寒気がして身震いを・・・。
12月某日、午前4時ごろ
12月某日、この日も相変わらず仕事で浴びるほど飲み、更にアフターでお客さんと飲んでいました。
飲んでいる時、ふと「今日は、一人で帰ってはいけない」ということが頭の中によぎりました。
「そうだ、このお客さんを連れて帰ろう!」心の中でつぶやきました。
「今夜は飲みすぎたから、部屋まで送ってくれる?」
「いいよ」
作戦成功と心の中でガッツポーズをとりました。
クロゼットの中に・・
まさか、自分の身に何かが起きるなんて、これっぽっちも思っていませんでした。
そして、計画通りお客さんと部屋に・・。
部屋に入って、いつもの定位置にバッグを置いた時、後ろで怒鳴る声。
「お前、誰だ?」
振り返るとクロゼットのある方向に男がいて、走って逃げていくのが見えました。
多分、数秒。時が止まりました。そして、ゆっくりあたりを見渡しました。
窓ガラスの割れた破片。
ベッドサイドテーブルの上に置かれたナイフやガムテープ。
灰皿の中の知らない銘柄のタバコ。
ぐちゃぐちゃになったクロゼットの中。
少しずつ酔いが覚めて、今起きている状況が見えてきました。
その瞬間、発狂しました。
そうです。例のストーカーの話によく似た出来事が、今、まさに目の前で起きているのです。
朝がきました
このお客さんが110番通報して警察が来ました。被害状況を話したり、指紋をとったり。
一通りのことが終わったら夜が明けました。疲れて2,3時間ひと眠り。
そして、あらためて、部屋の中を見て回りました。荒らされたあとは、無惨なものでした。
それは、風呂場やトイレの中にものびていました。犯人はベランダから侵入。ガラスを割って部屋の中に入り部屋を荒らしながら、viviの帰りを何時間も待ち続けたのです。それも、ベッドの下ではなくクローゼットの中で。
姉がやっと来てくれました
viviはまだ放心状態でした。ショックが大きく何から手をつけたらいいのかわからなくて。
姉が身の回りの片付けをしてくれました。洗濯・掃除など。越したばかりだったので不動産への報告もしました。これも姉がしてくれました。
犯人は逃げて捕まってなかったので、しばらく姉に世話になることにしました。
Xmasイブ前夜
姉の部屋には当時お付き合いしていた姉の彼氏さんがいました。
そして、Xmasイブ前夜、姉から言われました。
「明日は彼と過ごすから、出て行って」と・・
ビジネスホテルで二泊
24、25日はビジネスホテルで一人過ごしました。
何もすることがないし部屋にいても気が滅入るだけなので、夜は仕事に行きました。
酒はあまり飲みませんでした。というより、どんだけ飲んでも酔いませんでした。
店が終わっても飲みに行かず、アフターも断りました。
仕事が終わると真っすぐホテルへ帰宅。冷たいベッドで眠りました。
おわりに
あれは、きっと「虫の知らせ」というものだったのだと思います。
泥酔していたにも関わらず、何かがviviを危険から守ってくれました。
それからXmasイブの日。あれはあれで、よかったのだと思います。
事件のあと、一人になれたことで自分を振り返ることができました。
あの日を境に泥酔するほど飲まなくなり、夜のお勤めも辞めることもできました。
それもこれも「虫の知らせ」があったからです。
この知らせが、viviの人生を大きく変えてくれました。
再び、日の当たる場所に出てこれたこと。
これが一番の大きな転機でした。
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