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先日、パラリンピックについての記事をお伝えしましたが、実はパラリンピック以外にもあまり知られていない、障害者のスポーツ大会はたくさんあるのです。
今回は、そんな障害者のスポーツ大会について、お伝えしましょう。
1.スペシャルオリンピックス
知的障害者を対象とした競技大会です。アメリカのケネディ元大統領の妹、ユニス・シュライバーさんの、「知的障害のある人たちにもスポーツを楽しむ機会を持っていほしい」という願いにより、1968年から始まった大会です。
選手たちはまず、2か月ほどトレーニングをして、週に1度の割合でボランティアのコーチとスポーツを楽しみます。水泳なら、着替えやシャワーを浴びることから始め、徐々に水に慣れていけるようなところからスタートします。
競技会では、できる限り同じレベルの選手同士で競い合えるようにクラス分けを行います。
成績上位選手だけでなく、最後まで競技をやり終えた選手をたたえるため、参加選手全員にはメダルやリボンが送られます。
2.デフリンピック
4年に1度、世界規模で行われる聴覚障害者のためのスポーツ大会です。夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年のオーストリアで初めて開催されました。デフリンピックとは、ろう者(Deaf)+オリンピック(Olympics)という意味を表す造語です。
参加条件は補聴器を外した状態で耳が聴こえないこと(聴力損失が55デジベル超)と、ろう者スポーツ協会に登録していることです。会場内での補聴器の装着は禁止されていて、参加者は、国際手話という、国際交流の場で使える手話を用いて親睦を深めます。
3.アジアパラ競技大会
2010年からスタートしたアジア地域の障害者総合スポーツ大会です。1975年から開催されてきたフェスピック競技大会(極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会)の実績を引き継いでいます。
4年に1度、アジアパラリンピック委員会の主催で開かれています。パラリンピックの正式競技のうち、アジア地域で盛んなものや、フェスピック競技大会で実施されてきたものから、競技が決定されます。
4.INAS(アイナス)グローバル競技大会
知的障害者のスポーツをまとめている、国際知的障害者スポーツ連盟(INAS)が運営する競技大会です。2015年のエクアドル大会では、日本は陸上競技、水泳、卓球、ボート、フットサル、バスケットボールの6競技に参加しました。
次回は、2019年にオーストラリアのブリスベンで開催されます。
5.IBSA(アイビーエスエー)世界選手権大会
視覚障害者のスポーツをまとめている、国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)が運営する競技大会です。2015年のソウル大会では、日本は陸上競技、5人制サッカー、柔道、パワーリフティング、ゴールボールの5競技に参加しました。
ほかにも、水泳やボウリングなどの競技が行われています。
6.全国障害者スポーツ大会
日本国内の身体、知的、そして精神に障害がある人々が参加する、スポーツの全国大会です。以前は別々に開催されていた「全国身体障害者スポーツ大会」と「全国知的障害者スポーツ大会」が統合されて、2001年に宮城県で第1回大会が開かれました。毎年、国民体育大会(国体)終了後に、同じ地域で開催されています。
パラリンピックなどの競技性の高いスポーツとは違い、障害者の社会参加を後押しし、障害への理解を深めることを目的に開催されます。
7.ジャンパラ競技大会
日本障害者スポーツ協会が、各競技団体と共催する国内最高峰の障害者スポーツ大会です。日本選手の競技力向上と、記録の公認を目的に開催されます。海外の選手やチームが出場することもあります。
競技種目は、陸上競技、水泳、ゴールボール、ウィルチェアーラグビー、アルペンスキーなどがあります。
今回は、さまざまな障害者のスポーツ大会についてまとめてみました。障害者がスポーツで成果を発揮できる場は、国内外で広がっています。どれも、パラリンピックと比べるとまだまだ知名度は低いですが、徐々に名前が知られていくといいですね。
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