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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は様々な障害や病気を抱えていますが、どれも内部障害で、パッと見では分からないことが多いと思います。
左から話しかけられても反応が薄いことや、基礎疾患で喉が渇きやすくよく水分を摂ることで、「この人、何か違うな?」と思われるかもしれません。
内部障害は目に見えないことで、理解されづらく、そのことが外を歩く時には良い時もあれば、人に頼む時に理解を得られないという、悩みをいつも持っています。
「困っている時、すぐにでも助けを求められたら…」と思っていた時に、『てったおカゴ』という、三重県のスーパーが始めた、ヘルプマークがデザインされた、買い物カゴの記事を読みました。
2023年12月1日、三重県内でスーパー28店舗を展開する「ぎゅーとら」(本社・三重県伊勢市)は、障害者や高齢者などでサポートが必要な来店客を援助するための『てったおカゴ』を全28店舗に導入しました。店頭で『てったおカゴ』を貸し出し、「ぎゅーとら」のスタッフによるサポートやそれ以外の来店客の理解促進に繋げたいことが狙いです。
今回は「ぎゅーとら」が『てったおカゴ』の導入に踏み切った背景をお知らせしたいと思います。
『てったおカゴ』誕生秘話
『てったおカゴ』は、視覚に障害を抱えている人たちが使う白杖にちなみ、白色のカゴに、外見から分かりにくい内部障害や病気を持つ人たちが身につけて周りの人に示す「ヘルプマーク」のシールを貼り付けた買い物カゴとなります。伊勢弁で「手伝う」を意味する「てったう」にちなんで命名されました。
商品名や表示の文字が読みづらい▽棚から商品が取りにくい▽手に力が入らず商品が取りづらいい▽レジでの支払いが難しい▽レジでの会計をする時に時間がかかってしまう-など、サポートを必要とする来店客が、買い物をする前にサービスカウンターで『てったおカゴ』を受け取り、買い物カゴとして使います。
『てったおカゴ』を持っていることで、「ぎゅーとら」のスタッフだけでなく、周囲の別のお客さんからも一目で分かり、「てったいましょか(手伝いましょうか)」などの声かけをしやすくなり、安心して買い物をすることができます。
『てったおカゴ』の導入は、次第に視力が落ちていく「網膜色素変性症」を罹患する知人から、「買い物をしていると商品の文字が読めなくなったり、人とぶつかったりして困っているのよ」と、NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの事務局長の女性が話を聞きました。
2023年春、「白杖を持ったまま買い物をするのはとても難しいです。何かマークになるものが導入して頂ければサポートしやすいと思います」と、「ぎゅーとら」に呼びかけたのがきっかけでした。「ぎゅーとら」も、サポートしたくても声をかけていいものか迷ってしまう課題がスタッフ間で上がっていたことから、すぐに導入を決定しました。
2023年7月-11月に伊勢市内店舗でモニターによる白いカゴを使用しての実証実験を行い、障害を抱えている本人らの意見を聞きながら、伊勢市の協力も得ながら改善を重ねていき、全28店舗で『てったおカゴ』を導入する運びになりました。
モニター客からは「見守られている感じがあって、安心して買い物をすることができました」「私がお店の方にお願いする前に気付いて貰えて、声をかけてくれたり、カゴを運んでくれたり気遣いが凄く嬉しいものでした」など大きな反響を集めました。
三重県内全28店舗に『てったおカゴ』を3、4個ずつ配置し、商品の表示が見えづらかったり、陳列棚の商品が取りづらかったりと、サポートを必要とする人にサービスカウンターで貸し出します。「ぎゅーとら」によりますと、この取り組みは三重県内の小売業で初、全国的に見てもおそらく初めての試みだとします。
さらに「カゴの色で区別する以外にも、ヘルプマークを貼り付けたらより理解しやすくなるのでは」との意見をすぐさま取り入れ、『てったおカゴ』にヘルプマークのシールも貼り付けました。
参考:スーパーのカゴにヘルプマーク 「てったいましょか」広げたくて 毎日新聞(2023年)
「ぎゅーとら」と三重伊勢市が連携して『てったおカゴ』を導入し、2023年12月1日のお披露目会には、『てったおカゴ』を導入するきっかけを作ったNPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの関係者も参加しました。
NPO法人伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの事務局長の女性は「障害を抱えている当事者の声に耳を傾け、こんなに迅速に、『てったおカゴ』を実現して頂いたことは大変ありがたいです。ご本人もご家族も『てったおカゴ』のお陰で、安心して買い物をすることができます。思いやりの優しい心に包まれたスーパーでの買い物が、ここ伊勢市から全国で広がっていくと嬉しく感じます」と語りました。
「ぎゅーとら」の社長の男性は「サポートを必要とされているお客様が、『てったおカゴ』を使うことで一目で理解できて、声かけやお手伝いがしやすくなります。伊勢の地から優しい気持ちや思いやり、文化が全国に浸透していくと嬉しい限りです」と述べました。
ほっこりしました。
私は冒頭でも書きましたが、全て内部障害です。ものの場所が分からず、お店の人に置いてある場所を聞く、そんな普通のことはできますが、何となく見た目では分からないことで、少し構えるというか、全てをお店の方に委ねては駄目な様な気がして、困り事も解決しないまま、お店を後にすることもあったりします。
この『てったおカゴ』に関しては、ヘルプマークがデザインされていて、私も内部障害でも、障害者なので、このカゴがあれば、困っていることでも、躊躇わずにお店の人もそういう姿勢で対応して貰えるのかな?と思いました。
買い物カゴにヘルプマーク、という考えは頭にはありませんでした。世間的にヘルプマークの認知が進んだからこその、今回の導入だったと思います。
この取り組みは地域によってスーパーは変わってしまいますが、後に続くお店が出て来ても良いのではないか?と考えた位、障害者や高齢者の方など、サポートが必要な人に寄り添った、素晴らしい社会福祉だと思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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