腸管出血性大腸菌感染症。食中毒の1つ。感染しない様に調理などで気を付けたいことは? 

腸管出血性大腸菌感染症 食中毒

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

腸管出血性大腸菌感染症とは、O157などに当たったことで発症する感染症で、感染源のウイルスには全て、「O」が付くことから、一般的に「『オーの何番』が感染源」だと言われます。

症状としては、病原体に感染すると2~9日程度の潜伏期を経た後に、激しく鋭い腹痛と水溶性の下痢、続いて著しい血便を引き起こします。他の症状は発熱、吐き気、嘔吐です。

また、酸にも強いことから、胃酸の中でも生存します。その反面で、全く症状が出ないものから軽い下痢や腹痛のみで終わる時もあります。

激しい腹痛と血便が起きている時には、特に注意が必要です。

原性大腸菌はおよそ170種類あり、大腸菌は、人間や家畜の腸内に存在している菌のことを指し、多くのものは下痢などの原因に至ることはありませんが、その中でベロ毒素を産生し、O157など人間の身体を攻撃する大腸菌で、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすものは“腸管出血性大腸菌”と呼ばれています。

マイナス20度に冷凍してもO157は死滅しません。ですが、低温であればO157などの“腸管出血性大腸菌”の増加速度は遅くなります。

食中毒が多発する5月~10月の夏から秋にかけて特に“腸管出血性大腸菌”には注意が必要となりますが、気温の低い時期でも“腸管出血性大腸菌”の発生が見受けられることで、夏以外の季節も1年を通して注意が必要となります。

腸管出血性大腸菌感染症は少ない菌量でも“腸管出血性大腸菌”に感染し発症することから、家族や集団生活の中で感染が拡大する場合があります。特に、抵抗力の弱い高齢者や赤ちゃんは注意が必要となります。

今回は腸管出血性大腸菌感染症の重篤な合併症、感染経路、予防策などを、多角的にお知らせします。

▽合併症

感染した患者の6~7%では、下痢、腹痛の初期症状の後、数日から2週間後(そのほとんどは5日から7日後)に溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome,HUS)という重症な症状が出ます。

初期には、顔色不良、むくみ、尿量減少、意識障害などの症状が見受けられます。

これらは腎機能や神経学的障害などの後遺症が残る可能性があり、HUSを発症し、半数程度で人工透析が必要になって、溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全などを生じた場合、死に至ることもあります。

HUSを発症した方の致死率は1~5%と報告されています。特に、赤ちゃんや高齢者では重症化することで、注意が必要となります。下痢などの症状がありましたら、速やかに病院を受診して下さい。

ほか、意識障害、けいれん、昏睡などの脳症。

▽感染経路

飲食物を介した経口感染で、菌に汚染された飲食物を摂取することや、糞便に含まれる大腸菌がタオルやお風呂の湯、ドアノブに直接または間接的に口から入ることによって腸管出血性大腸菌感染症に感染します。咳・汗・くしゃみなどでは腸管出血性大腸菌感染症には感染しません。

焼肉、バーベキューなどで生肉を扱う箸(トング)と、焼いた肉を取り分けたり食べたりする箸(トング)を区別せずに使って、感染生肉を扱ったまな板や包丁を使い分けをせずに、または十分な洗浄・消毒をせずに野菜を切り、その野菜を生で食べて調理道具を介しての感染。

動物園や牧場などで動物に触れ、十分手を洗わなかったための接触感染。

または、感染者の糞便に含まれる“腸管出血性大腸菌”での二次感染。

▽感染源となった食べ物

今まで日本で原因食品等と特定又は推定されたものは、井戸水、牛肉、牛タタキ、牛レバー刺し、アップルジュース、ハンバーグ、果物、牛角切りステーキ、生野菜、冷やしキュウリ、ローストビーフ、鹿肉などジビエ、カイワレ大根、サラダ、キャベツ、白菜漬け、メロン、シーフードソース、日本そば、ユッケ、キュウリの和え物などがあります。

▽診断基準

病院で最初に行うのは、便の細菌検査です。便にO157がいるかどうかを分析するためで、ベロ毒素の検出、病原体の種類の確認も同時に行います。

下痢が長引き、血便が出ていたりする時には、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症している恐れもあることから、尿検査や血液検査で腎機能、血尿の有無も確認していきます。

便を用いてのO157抗原かベロ毒素の検出するための便中抗原検査を行います。その上で培養検査でO157を発見し、ベロ毒素が作られていることが分かると、O157感染症だと診断します。

血液検査では、赤血球や白血球、血小板の数を分析します。また、腎臓や肝臓の機能が低下していないかどうかも検査していきます。

▽治療法

 

主な治療法

・腸管出血性大腸菌感染症は下痢を引き起こす原因のごく一部にしか過ぎません。下痢の原因がO157などの腸管出血性大腸菌であるかどうかを確認するために、必ず医師の診察を受けて下さい。

・下痢を引き起こしている時の治療法の基本は、安静、水分補給、消化しやすい食事の摂取をすることなどです。これらのことに気を配り、医師の指示に従って下さい。

・腸管の運動を抑制する働きの下痢止め薬や痛み止め薬の中には、菌や毒素を身体外に排出しづらくする薬があります。自己判断で服用せずに医師の診察を受けて下さい。

・水分補給ができない時は、輸液をする場合もあります。

▽予防策

予防策

・二次感染を防ぐ為には、トイレの後や、調理の前、食事の前には、石けんで手を十分に消毒効果のあるもので洗いましょう。

・食材を十分に洗いましょう。

・加熱して調理する食材は、中まで火が通る様に十分に加熱しましょう。
十分に日が通る目安は、食品の中心部の温度が75℃、1分間以上となります。電子レンジを使う時は、調理時間に気を配り、熱の伝わりづらいものは時折かき混ぜることも必要となります。

・生ものは、短い時間でも冷蔵庫に入れましょう。

・調理する前に消費期限や賞味期限を確認し、冷蔵庫・冷凍庫を過信せず、早めに食材を使い切る様にしましょう。冷蔵庫は10度以下、冷凍庫は-15度以下が目安となります。

・食材ごとにまな板、ふきん、包丁、菜箸などの調理器具を十分に洗いましょう。生の魚や生肉が触れた包丁やまな板でそのまま続けて野菜等を切らず、洗った後に熱湯をかけてから煮沸消毒をし、使うことが大事です。

・肉・レバーなどは十分に加熱し、生食は控えましょう。

・バーベキューや焼肉などは生肉で使う箸と焼き上がった肉で使う箸は区別して使いましょう。食事する時の用の箸と明確に使い分けをしましょう

・野菜や果物を生で食べる時は流水でよく洗いましょう。ブロッコリーなど複雑な形の食材は熱湯で湯がいておきます。

・調理された食材は、室温で長時間放置せず、早めに食べましょう。

・残った料理で、時間が経過したものや、少しでも危険だと思うものは、思い切って捨てるべきでしょう。

・会食の席などで提供された食事の持ち帰りはやめるべきです。

・レバーなどの食肉を生で食べることは控えると同時に、加熱が不十分な牛タタキなどの食肉を赤ちゃんやお年寄りに食べさせない様にしましょう。

・使った後の調理器具は、熱湯または次亜塩素酸ナトリウム製剤などで台所用漂白剤で消毒し、洗う時に使ったスポンジやたわしも忘れずに乾燥させてから保管しましょう。

・井戸水などの生水を飲む前に必ず煮沸してから飲みましょう。 

▽それ以外の感染予防

それ以外の予防策

・すぐに病院に行って、医師の診断を仰ぎましょう。

・感染者が使ったトイレ、洗面所等のドアノブなどを十分に消毒します。
(逆性石けんや消毒用アルコールなどを使います)。ペーパータオルを使うとなお効果的です。

・帰宅した後、食事をする前、排便・おむつ換えをした後は、手・指を石けんと流水で十分に洗いましょう。調理している中に生の魚や生の肉、卵を使った後や食材を変えた時は必ず手を洗いましょう。また、ペットに触ったり、鼻をかんだ後の手洗いも重要となります。

・便や嘔吐物に汚染されたものに触れた手を介して腸管出血性大腸菌感染症に感染することから、マスクと手袋をして汚染されたものを処理をし、石けんを使い流水で十分に手洗いしましょう。

・バスタオルなどは使いまわしをしない様にしましょう。タオルの共用も避けて下さい。

・腸管出血性大腸菌感染症に感染して入浴をする時は、シャワーのみで済ませるか家族全員が入ってから、最後に入浴するなどしましょう。

・おしりを十分に洗いましょう。

・浴槽の水やプールの水は飲まず、毎日流し、水を入れ替えましょう。

・家庭用ビニールプールで自宅で水浴びをする時、他の子ども達とは一緒に入らない様に気を付けましょう。家庭用プールを介して腸管出血性大腸菌感染症に感染することもとても考えられることから、衛生管理に気を付けると同時に、家庭用プールに入る前によく身体を洗いましょう。

・下痢や発熱など、体調が優れない時は、プールに入ることは止めましょう。

・感染者の便で汚染された下着、寝具は、家庭用漂白剤に浸け置きしてから、家族のものとは別にして洗濯をしましょう。また、汚染されたものは煮沸をしても十分な消毒効果を持っています。感染者の便で汚染された衣服などは、天日で充分に乾かして下さい。

・動物と接触した後は十分な手洗いをしましょう。

▽万一感染した場合には

・感染者の便で汚染された衣類やおむつなどは、塩素系漂白剤か80度の熱湯に10分間以上浸け置きして、他の衣類などとは別に洗濯して下さい。

・トイレや部屋のドアノブなど、“腸管出血性大腸菌”で汚染されやすい場所を塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)や消毒用エタノールなどを使用して消毒して下さい。

・感染者とのタオルの共用はしないで下さい。

・感染者は入浴せずにシャワーで済ませ、他の家族と一緒に入浴することは避けて下さい。

・保育園などでは、オムツを交換する時の手洗い、園児に対する排便をした後・食事をする前の手洗い指導を徹底して行って下さい。

▽食中毒予防の3原則

  1. 調理前に必ず手洗い(つけない)
  2. 生鮮食品はすぐに冷蔵庫へ(増やさない)
  3. 食材を中心までよく加熱(やっつける)

引用:腸管出血性大腸菌感染症(O-157など)に注意しましょう いわき市

新鮮だから『生のものは安全という考えは間違い』です。新鮮でも“腸管出血性大腸菌”が付いている肉を十分加熱しないで食べると腸管出血性大腸菌感染症に感染する可能性があります。

▽登園・登校の目安

学校保健安全法では、第三種に指定され、腸管出血性大腸菌感染症の症状により学校医その他の医師から、腸管出血性大腸菌感染症の感染の恐れはもうないと認められるまでは出席停止です。登校については学校医またはかかりつけの医師と相談して下さい。

参考サイト

腸管出血性大腸菌感染症について 山口県感染症情報センター

腸管出血性大腸菌感染症 群馬県

感染症情報/腸管出血性大腸菌感染症 広島県

腸管出血性大腸菌感染症に気をつけましょう 松山市

食中毒になると、

2週間前からの献立を3食分聞かれるそうです。母はそれを聞いて、食中毒対策で毎食献立を紙に毎日毎月ずっと記入しています。

母は食中毒が怖いと思っているので、まず生肉は一切食べません。肉もどちらかと言えば、かなり黒焦げに近くなるまで、じっくりと中まで火が通る様に焼きます。

私は食中毒にはなったことはありませんが、食中毒になるとどんなやり取りがあるか知っていますが、ここでは敢えて省略します。

と、書いていますが、この記事を書く前日、コーヒー牛乳を飲もうとしたら賞味期限が切れていて、少し飲んでから腐っているのに気付き、すぐさま吐き出きましたが、その日はその後1日中お腹がジクジクしていました。

母は賞味期限を気にする。父は切れていてもたまに悪くなっていてお腹を下しても全く気にしない。私は賞味期限が少しでも切れていたらすぐ捨てるなどかなり気にしますが、時々うっかり期限を見落としてしまうことがあります。

食中毒が10年以上前の焼肉屋でのユッケ事件などで怖いのは知っていましたが、この記事を書いて、さらに怖いなと感じました。

食中毒はどこで起こるか分かりません。当事者にならないためにも、少しでもそうなる原因のものは1つずつ無くしていきたいですね。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。