「A型事業所は“通過点”なのか?  一般就労だけをゴールにしない働き方」【ねこパンク】

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「これが正解」を疑うこと

世の中には、
いつの間にか「正解」とされているものがあります。

「一般就労が成功だと言われることが多い」

「A型事業所は通過点だと考えられがちだ」

「普通に働けることが理想とされる」

「働けるなら一般就労を目指すべきだと言われる」

本当にそうなのでしょうか。

自分はここ数年、

「A型事業所は通過点であるべきだ」

という考え方に違和感を感じていました。

私が好きなパンクという文化には、
みんなが当たり前だと思っているものを、
一度疑ってみるという考え方があります。

「これが普通だ」
「これが成功だ」

そう言われているものに対して、

「本当にそうなのか?」

と問い続けること。

自分にとって、
A型事業所や福祉をめぐる違和感も、
どこかそれに似ていました。

 福祉という「枠組み」への違和感

黒猫が仲間の猫と相談している画像

まず前提として、就労継続支援A型事業所とは何か。

就労継続支援A型事業とは

通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者 に対して、雇用契約の締結等による就労の 機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上 のために必要な訓練等の支援を行う。(利用期間:制限なし)

引用元 : (厚生労働省)障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス (PDF)

世の中の福祉、特に就労支援の現場では、

「一般就労=成功」
「A型事業所=通過点」

という図式が、
あまりにも当たり前のように扱われています。

けれど、自分はそこに違和感を感じます。

そもそも、
「普通」とは何なのか。

一般企業で働けることが、
本当に唯一の正解なのか。

障がいを抱えながら、
障がいと向き合って生きていく中で、

自分は何度も、
「普通」という枠組みに
押し込まれるような感覚を味わってきました。

次男に障がいがあるとわかった時、
福祉制度と関わる中で、

自分はその複雑さに戸惑うことがありました。

制度、法律、専門用語。
普通に生きていたら、
触れることのない世界。

そして、
支援を受けるためには、

自分から動かなければならない。

当たり前の話かも知れませんが、
複雑な手続きを越え、
制度や仕組みに自分を合わせなければならない。

もちろん、その仕組みには必要な理由があります。

それでも、自分には少し窮屈に感じられました。

守るための仕組みなのに、
そこには確実に“快適とは言い難い不自由さ”がありました。

もちろん福祉は万能ではありません。

ただ待っているだけでは、

人生は変わらない。

自分から動くことで、

初めて「支援」は力になる。

福祉というシステムは、
歴史的には「保護(守られる)」という側面が強調されてきました。

けれど現代では、
「受動的に守られるもの」から、
「主体的に参加するもの」へと少しずつ変化しています。

利用者自身が生活をコントロールし、
選択し、
社会と関わっていく。

福祉には、
「エンパワメント(Empowerment)」という考え方があります。

簡単に言えば、
「助けてもらう人」で終わるのではなく、
自分の力を取り戻し、
自分で選び、
自分の人生をつくっていくという考え方です。

この考え方を知ったとき、
「福祉は受け身のものではないんだ」
と、少し見方が変わりました。

つまり福祉とは、
“守られる場所や制度”であると同時に、
自分自身の力を取り戻していくための仕組みでもあるのだと思います。

そういう意味では、
福祉もまた、
能動的に利用することが必要なのだと思います。

参照元 : (京都光華大学) エンパワメント~本来の力を発揮する~2022.08.03

A型事業所の現実とズレ

三つのご飯のうち、どれを選ぶか悩んでいる黒猫

A型事業所には、さまざまな作業内容があります。

  1. 軽作業・製造
    箱詰め、シール貼り、部品組み立て、食品製造など。
    未経験でも取り組みやすく、最も一般的な業務です。
  2. 事務・PC業務
    データ入力、書類整理、ECサイト運営補助など。
    一般就労を意識したスキル習得が目的です。
  3. 清掃・現場作業
    施設外就労として、清掃や農作業など。
    実践的な仕事としての側面が強い分野です。

私が以前経験した事業所では、
ハンドメイドの造花制作が主な作業でした。

趣味としては楽しい。

ただ、自分の場合は、

それがそのまま次の仕事に繋がるイメージを持つことができませんでした。

もちろん、それが悪いわけではありません。

社会復帰のための一歩としては、十分に意味はあります。

ただ、「次に繋がるかどうか」という視点では、
どうしてもズレが生じてしまう現実があると思います。

以前経験した事業所の話は別で詳しく記事を書きたいと思います。

本来、
A型事業所には、
もっと多様な役割があっていいはずです。

一般就労を目指す人がいてもいい。

自分のペースで働き続ける人がいてもいい。

表現活動を仕事に変えたい人がいてもいい。

大事なのは、
「どれが正しいか」ではなく、
「選べること」だと思うのです。

“TANOSHIKAというライブハウス”

黒猫が仲間とドラムセット前で相談している画像

現在お世話になっている
TANOSHIKA CREATIVEでは、

  • ライティング、インタビュー
  • デザイン、広告制作
  • コーディング、プログラミング、Webデザイン

など、クリエイティブな業務が中心になっています。

ここでは、

  • スキルが「そのまま仕事に繋がる」
  • 表現すること自体が価値になる
  • 継続することで、自分の形が見えてくる

という環境があります。

同時に、一般就労へのサポートも整っている。

つまり、「どちらも選べる」状態です。

この“選択できること”こそが、
大きな違いだと感じています。

自分には、
ここが「ライブハウス」のように感じられます。

障がいを隠す場所ではなく、

自分たちの「音」を鳴らす場所。

そしてそれは、練習や訓練ではありません。

実際に仕事として社会に届けていく「本番」の場です。

もちろん、
福祉施設なのでルールもあります。

決して“自由なだけ”の世界ではありません。

けれど、
ここには、
「普通」に合わせることだけを求められない空気があります。

自分の特性や、
生きづらさや、
不器用さを、
そのまま表現に変えていける。

それは、
とても大きなことでした。

自分の音を鳴らす

黒猫が旗を咥えて歩いている画像

一般的な就労支援では、
「指示通り、正確に働く力」が重視されます。

もちろん、
それは大切な能力です。

ただ、
自分が今向いている方向は、
少し違います。

「社会に合わせる」ことよりも、
「自分を表現する」こと。

ネコでパンクな私には、

きっとその方が自然なのでしょう。

そう考えるようになってから、
昔好きだった言葉を思い出しました。

「ディストーション(歪み)」
「不協和音」
「初期衝動」

昔は好きだったのに、
いつの間にか忘れていた言葉たち。

けれど、
TANOSHIKAで記事を書き始めてから、
また少しずつ思い出しました。

“綺麗に整えること”だけが価値ではない。

少し歪んでいてもいい。
ノイズが混ざっていてもいい。

そこでしか出せない音があると思います。

実際のライブも、
同じ演奏は二度とありません。
その日、その場所、その人だからこそ生まれる音があります。

人の働き方や表現も、
きっと同じなのだと思います。

福祉という制度(アンプ)を借りて、
自分の声(言葉)を、
世の中に響かせていく。

それが、
今のねこパンクなりの「働く」ということなのかもしれません。

枠からはみ出したまま、生きていく

黒猫が壁の穴から覗いている画像

残念ながら、
“ねこパンク”は、
昔から「普通」が苦手です。

意図しなくても、
少しはみ出してしまう。

社会の枠組みに、綺麗に収まれない。

でも、
だからこそ思います。

無理に、
どこかへ辿り着こうとしなくていい。

自分が壊れず、
続けられる場所を選ぶ。

それもまた、
ひとつの完成形なのではないかと。

一般就労を目指すことは、素晴らしいことです。

けれど、
それだけが唯一の正解ではない。

福祉をベースにしながら、
自分なりの働き方を作る。

制度の中で、

自分の表現を続けていく。

そんな生き方も、
あっていいはずです。

大きなステージじゃなくてもいい。

爆音じゃなくてもいい。

ノイズまみれでもいい。

それでも、
鳴り続けている音には意味があります。

福祉というアンプを通して、
今日も自分の音を鳴らしていく。

A型事業所は、ただの「通過点」ではなく、

“生き方そのもの”にもなり得る。

一方で、現実には一般就労のほうが、給与や福利厚生など、

得られる対価に大きな差があることも事実です。

だからこそ、「どちらが正しいか」を決めることはできません。

選ぶのは、あなた自身です。

誰かの正解ではなく、

自分の正解を選び続けること。

それが、働き方だけではなく、

生き方を選ぶことにも繋がっていくのだと思います。

その先にこそ、

本当の意味での「働く」があるのだと思います。

ねこパンクのロゴマーク

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

ねこパンクでした。

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