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こちらのインタビュー記事は後編になります。
前編を見ていない方は、是非、こちらからご覧になってください。
(記事を挿入)
じじっか代表中村路子さん✖利用者の楓さんのクロストーク!絵本「やっと手に入れたしあわせ」に込めた想いと今後の展望
『血縁のない大家族』をテーマに、主に経済的な困難やDV、その他さまざまな事情で入所されたお母さんと子どもに対して、心身と生活を安定するための相談・援助を進めながら、自立を支援している一般社団法人umau.。
その代表であり、自身も二児を抱えるシングルマザーの中村路子さんに、支援の拠点としている実家より実家を目指す「じじっか」で、これまでのあゆみや活動の手応えについて前回はお話を伺いました。
後半となる今回は、昨年取り組んだクラウドファンディングでも支援を募ったプロジェクト、『リリボンマーケット』のことや、じじっかとTANOSHIKA、両方に通い、自分の体験談を一冊の絵本「やっと手に入れたしあわせ」として出版した、楓(かえで)さんにもお話を伺い、作品に込めた想いや、じじっかの今後の展望などのお話を聞いていきます。
今回取材をしたライターは、salad、どんはれ、編集長の島川です。
リリボンマーケットの取り組みを通じて感じた課題と子ども達の変化
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引用元:(ふるさとチョイスGCF)みんなで作る「リリボン」で血縁のない世帯が過ごす居場所を継続させたい 福岡県久留米市×一般社団法人umau.
じじっかでは昨年、服の端切れからリリボンを作成して、物品と交換する事ができる『リリボンマーケット』を昨年7月にオープンされ、一年が経ちました。
昨年末にクラウドファンディングを通じて250万円を集め、今年4月に事業を開始。
東京在住のデザイナーさんに、リリボンの商品開発を依頼し、6月末に企画書が上がり、8・9月で商品を作り始める所まで話が進んでいるとのこと。
路子さん達がこだわったのは、リリボンの商品を作る過程を誰しもが参加できる、作業的な工程を作りたいということ。
その為に、まずリリボンを編んで、そのリボンを売る方法が様々に考案されました。
現在、以下の3つが商品化を目指して商品開発が進んでいます。
・ハンドメイドされる方向けに、バッグなどを作れるように、リリボン単体での販売
・小物として、リリボン以外にも色んなものを編み込んだおしゃれなストラップの販売
・インテリアに使えるマットの製作・販売
すでに、とてもいいブランドタイトルも決まり、売り場のデザインを決めている最中とのことで、非常に楽しみです!
リリボンマーケットを利用する方の様子の変化
リリボンマーケットが始まってからの利用者さんの様子について伺うと、以前の姿について
最初の3年ぐらいは寄付していただいた洋服を、自由に持って帰っていいよっていうスタイルだったそうですが、子ども達が、せっかくいただいた洋服を着てすぐに「これいらない」とポイポイ下に落としていってしまうことがあったそうです。
「これはもちろん、せっかくいだいた方にも申し訳ないし、無料で渡すことが、子供達自体をわがままに育てていってしまうことになるなと思ったわけです。」
このように振り返り、子ども達の様子に危機感を感じた路子さん達が「でも、お金払ってというのも違うな」と考えて生まれたのがリリボンでした。
「『1メートル作ったら、好きな洋服1枚と交換できるよ』という形で、ちょっとした努力をしてもらうことで、自分で獲得できるようにしました。」
路子さんによると、お母さんに「消しゴム買って」と言っても、なかなか忙しくて買ってもらえなかったりして、小さな消しゴムで学校に通ってる子ども達も多いそうです。
リリボンマーケットには文房具もあるため、リリボンを編んで、その対価で購入するという形が今はできています。
「4歳の子でも、何歳の子でも編み編みをして1メートル作れば消しゴムと変えられる。これ1つの子供達への教育じゃないかなと思ってて、何かをゲットするためには、自分が少し、努力する何かしらチャレンジするっていうことが生まれたりするわけです。
そしたらね、「お母さんにプレゼント渡すから頑張って編み編みする!」とストーリーが生まれてきたりとか、いい変化が生まれています。もう週末は子供達も欲しいものがあったら、編み編みして交換するのが当たり前になってきました。」
タダでもらえるということも大事だけど、自分が何かしら努力して、自分の好きなものを親に頼らずゲットするということが、利用者さんが、感じてくれているところではないか、そのように路子さん達は考えてこの仕組みを作りました。
外部からの取材の反響について
近年はテレビや新聞、雑誌など、外部からの視察が絶えず来られているじじっかさん。
どういった点が注目してもらえているか感じているかを伺ってみると、以下のような点を挙げられました。
・ネーミングがいいこと
・子ども食堂と思ってきたら、子ども食堂のイメージよりもキャパが大きいこと
・施設ではなく、民間がやっている活動ということ
・テレビや新聞、雑誌での露出が増えていること
・大体が子ども食堂では「貧困」を打ち出さない中、そこをしっかりと打ち出していいこと
「私達も、メディアが取り上げやすいために、貧困って言ってるわけじゃなくて、ちゃんと誰しもが持っている「心の貧困」みたいなものを、一緒に対話できる場所でありたいから、貧困って堂々と言えるんです。」
さらに、「人が集まりやすいのと、ルールがない。」という点も挙げていました。
「ここはルールを持ってなくて、その場その場で話し合って決めるんですけど、なんかそういったルールの無さから起きる自由感みたいなものがなんか、ここに来てる人達が伸び伸び、生き生きとしてる感はありますね。」
取材に来た方には、できるだけ自分たちが目標とする『3分の1生活』を目指して、やれることをお伝えしているそうです。
NHK出演の反響や絵本「やっと手に入れたしあわせ」について
先日はNHKでも取材を受けられていたじじっかさん。
その反響はこちらの想像以上に大きかったそうで、最初の夜中の放送が終わった直後に県外の方と、母子家庭の方から相談が深夜に連続で2件来たそうです。
「やっぱり話を聞いてほしい人が全国にいて、NHKの番組を見て、自分に当てはまった部分とか多分感じた部分があられたんでしょうね。」
相談を持ってきてくれる方がとても多くなり、寄付金をたくさんいただいたり、物資を送っていただいたりと、これまで久留米のネットワークで助けられてきていたものが、全国で「じじっかを応援しようと」思ってくださる方が増えてきたことが、一番の反響だったと、振り返っておられました。
こちらは以前NHKで放送があった際の記事です。
参考元:家庭内の虐待や性被害を受け自傷行為を繰り返した女性 支えた“じじっか” – 性暴力を考える – NHK みんなでプラス
『やっと手に入れたしあわせ』についての感想
NHKさんの取材の際に、もう一つ話題になったものがありました。
それが、TANOSHIKAの利用者さんでもある楓さんと制作した絵本、『やっと手に入れたしあわせ』です。

こちらが表紙です!
販売サイト:Amazon.co.jp
制作する姿を身近で見届けた路子さんに、読んだ感想を伺いました。
「楓さんが1番苦しかった時期は、副代表の樋口さんが、ずっと楓ちゃんといてくれたんですけど、ここぞっていうタイミングで、私を呼んでくれる場面とかもあって、楓ちゃんが苦しかった時期とか、どういった背景があるのかとかいうのは、逐一聞いていたので、まずその想いを、ああやって形にしたというのが、とても嬉しかった。
あとこんな表現ができる子なんだって知った。楓ちゃん自体にセンスがあるんですよ。
多分自分が苦しんでるからこそ、着目する点が違うというか、人と対話したり、同じ空間で過ごしていたとしても、多分通常人が見るようなこの現実社会じゃない何か、心の奥みたいなところを見るようになっていて、それがプラスであれマイナスであれ、見過ぎて苦しくなるところと、見れるからこそ、やれることが出てくるみたいなセンスがあるんですよ。それがこの本に出ていると思った。
そういうのがとても嬉しくて。
デザインもそうだし、文章もそうだし、イラストもそうだし、これからやっていく色んな企画とかもそうだけど、TANOSHIKAさんのおかげで、多分この人が経験してきたことが、全ては財産だった、宝物だったって言えるぐらい将来活かすと思うのね。
絵本を読んだからこそ、そして、楓ちゃんと色々話してきたからこそ、将来が見えた。
その出発点が私の中では絵本でした。
まず1つ目のゴールを見せてもらえたことで、もっと楓ちゃんの可能性を知ったし、これからもいいもの作っていくんだろうなって感じました。
この人が感じてきた苦しみとかがあったからこそ、いいものを作っていける。できるものがある。そこに期待してます。」
じじっかの利用者の楓さんに聞く、作品の感想や反響
実際に制作した楓さんにも、じじっかの皆さんや周囲の方に読んでもらった感想や反響について伺うと、必ず一言目に、「そんなに苦しい経験してるのになんでそんなに笑えるの?」と聞かれるそうです。
確かに、普段はどこにいても笑みを絶やさない印象の楓さんですが、作品には自身の過去のDV等の虐待に関する辛い場面もたくさん登場します。
それらを楓さんは包み隠さず、正面から描き切りました。
「子供だけじゃなくて大人にも、絶対読んでほしい、親にも読んでほしい」と、本を読んでくれた方は言ってくれるそうです。
でも、私の中で結局それを書いたのって、今苦しんでる子達、私と同じ境遇だったり、別の境遇の子達だったりとか、そういう色んな経験をしてたり、今も苦しんでいる子達とか、その人達に届けたいってだけで、ただ作った作品です。色んな人から『言葉には言い表せない』『何て感想言ったらいいかわからない』『反応に困る』って言われました。」
描かれたのがリアルな人生だからこそ、読んだ人は一言で片づけられない。
作品の編集に携わった者として、そうした反応も不思議ではありませんでした。
「『でも、その経験があるのにそんなに明るいのは凄いよね。』って言われて、『でしょ(笑)』って返事しつつ、本当に、そうやって言ってもらえることが凄くありがたいなと思って、「読んでよかった。」と言われて凄く嬉しかった。」
「ずっと叶えたかった夢だったので、TANOSHIKAのおかげで早めに叶えられたし、早く届けたい人達に届けられたのが凄くありがたかった。だからこそ、色んな人が読んで、色んな感想をもらって、言葉には出せないとは言われるけど、「その先の話も見たい」と言ってもらえたので、これから書いていきたいなって、頑張ろうっていう気持ちにはなりました。」
楓さんはいつもの笑顔でそう振り返りました。
制作して感じたことや、読者に伝えたいこと
「書いてる最中凄く苦しかったの覚えてます。毎日のように書きながらフラッシュバックを起こして、もう嫌だってなった瞬間もあるんですよ。」
制作中のことを楓さんに振り返ってもらうと、やはり苦しんで書かれていたこと、そして、じじっかの皆さんとのつながりが、彼女を支えていたことが見えてきました。
「作品を書いてること、それで苦しんでいるのは周りの人もみんな知ってて、でもその中で、助けてくれる大人が、やっぱ私の周りに多いな、それを待っている人が多いなって、思ったし、だから『ここで絶対諦めちゃ駄目だ。』『そうやって支えてくれる人がいるんだから、私がやりたい夢なんだから、絶対諦めちゃいけないな』っていうのがあったので、制作を通じて、助けてくれる大人が親だけじゃないってことを、凄く感じれたなって思います。」
路子さんも「関わってきた大人は全員泣きましたね。」と一緒に当時を振り返りました。
読者に伝えたいことについて尋ねると、真剣な表情で答えてくれました。
「読者に対しては、やっぱり助けてくれる大人がいるってことだけを、絶対忘れないでほしいなと思うんですよ。
今どんなに大人に傷つけられても、どんなに親が嫌なやつだろうと、大人に傷つけられて、笑えなくなってても、大人はその人だけじゃない。笑わせてくれる大人が周りにいる。
諦めなかったら来るからって、大人がくそだとか、信じられないだけでなくて、 感謝さえ忘れなければ、絶対助けてくれる大人が現れるから、それだけは忘れないでほしい。」
「私も本当に何回も死のうとしてるので、『生きることを諦めないで』っていうのは、私も言われて凄く嫌だったので、その人達にとっては凄いきついかもしれないけど、やっぱり生きることがきついとか、もうしんどくなった時に、自分1人じゃそこから這い上がれないけど、そこから一緒に這い上がってくれる人がここにいるから。そういう大人が現れることだけは絶対諦めないで、って。
『生きることをやっぱ諦めないでほしいな』っていうのは、絶対伝えたいです。
そう言えるまでの状態になりましたね。」
じじっかとの出会いで変わったこと

楓さんに、代表の路子さんやじじっかの皆さんと出会って、どんなことが変わったかを尋ねると、難しい!と言いながらしばらく考えて、「生きることが楽しくなった」と答えてくれました。
これまで、自身の親に対しても、隠すときは自分を隠し、親や周りの人にあんまり「寂しい」とか、言ってこなかった楓さん。
「それを言うことが自分の中で『悪だ』とか、『弟がいるので、しちゃいけないよね』とか、弟にも自分が荒れている時に我慢させている時期があったので、親に対して本音を言うことが怖い時が一時期ありました。」
「でもじじっかで、みっちゃん(路子さん)とか、他の人とかに自分の本音の「寂しい」とかを言った時にちゃんとそこを受け入れてくれた。私を、私として受け入れてくれたってのが大きくて、だから『自分って出していいんだ。自分を作らなくていいんだ。私を私として受け入れてくれる人がいるんだ』ってことをここで知って、『ちゃんと私の色を出していこう』と思った。」
「そこから生きることが楽しくなったし、夢を持つことが色々できるけん、それは本当に感謝してる。前を向いて生きようと思ったし、落ち込んでも回復が早くなった!」
「今までブレブレで、どんな大人になりたいとか、どんな人になりたいとか、ずっとなかった状態が、私の中で変わってきて、みっちゃん(路子さん)とか、その樋口さんみたいな、芯のあるブレない大人になりたいって変わってきた。『こういう人になりたい』が、ちゃんとできた。」
お話を聞いている間、楓さんと並んで、取材を受けていた路子さんが、時折年の離れた姉妹のような距離感で(楓さん)泣かないでね(笑)(路子さん)立派んなったなこいつ(笑)と、お話しされているのが非常に印象的でした。
こうしたいい意味で遠慮のないやり取りの中で、これまで出せなかった本音や、自分を出すことができていくようになったんだろうなと、思わされました。
今後の活動についてやメッセージ
今後の活動について、ライターのどんよりと晴れているから、次のような質問を投げかけました。
どんはれ:血縁がない家族のような絆を作るにはなにが大切だと思いますか?個人的には他者とつながることが容易ではない社会だとは思いますが、じじっかさんが目指しているものをお聞きしたいです。
「簡単なところでいくと、下の名前で呼ぶこと。名前で呼ぶってのは、大きいんですよ」
「中村さんじゃなくてミチコさん、みっちゃん、ミチコなんていう風に呼び合える関係が、まず入り口になるかなと思う。」と、その狙いについて話されました。
じじっかさんでは、絆を作る入り口として、ニックネームとか、下の名前でみんなほぼ呼び捨てにするのだそうです。家族だから呼び捨てで呼ぶと、距離感が近くなっていく。
路子さんも、人と繋がっていくことが難しくなっていることや、「緩やかな繋がり」という言葉で表現されるように、ある程度いい距離感を保てる社会になってるとお感じではあるそうです。
その上で意識していることとして、次のようなお話をして下さいました。
「私達のテーマの1つに『2歩踏み込む』っていう言葉があって、繋がることを0歩目とすると、1歩目が例えば友人関係、ご飯を食べに行ったりとかできる、ちょっとした相談ができるみたいな状態とすると、世の中ではその1歩目の人達がたくさん繋がっているといいね、と言われてるかもしれないけど、私達はその1歩先の2歩目を目指しています。」
「今まで苦しくても、人に言えなかったこととか、言ったらなんて思われるだろう、自分のことを軽蔑されるかな。とか、心の中に誰しもが抱いてると思うんですね。それを「裏暮らし」って呼んでるんですけど、それをちゃんと伝えていける関係性を持つことを、「2歩踏み込む」って呼んでいます。」
その先の3歩目については、絶対に墓場まで持って行く、自分の中だけで収めておきたい気持ちも持っているとから、そこまでは行く必要はなく、なかなか繋がりが深くならない社会になってきたからこそ、その手前の2歩目を踏み込むことをテーマに掲げて、言えなかったことが言えると、生きるのが、楽になる。
「言えた。」「分かってくれた。」「分かってくれはしなかったけど、自分が言えた。」
そのことで、凄い肩の荷が下りたような気がするとか、その1人で抱えてた問題に対して、みんなが真剣に考えてくれて、解決することができるので、2歩踏み込むということを意識しているとのことでした。
続けて、「久留米という土地でじじっかさんができる役割、地域への貢献とはどんなことか」について、伺いました。
「母子家庭の当事者だからこそ、見えることが必ずあるから、皆んなで支えながら「今のままでも豊かになれる方法」を探していくことが、じじっかの役割で、それ自体が、地域全体の必要な人に届いていけるようになったら、それが地域貢献になるかなと思っています。」と力強く答えられました。
これを見ている母子家庭の方や、地域の方に伝えたいこと
「母子家庭じゃなくてもいいし、久留米市に住んでなくてもいいし、とにかくじじっかに遊びにきてほしいなと思います。
手伝ってほしいこともめちゃくちゃあるし、自分ができること、ここができるよ、とかも言ってほしいし、もちろん私達ができることも一緒に考えたいし。
一応、じじっかに登録する用紙はあるんですけど、登録するしない関係なく、一緒にご飯食べたり一緒に考えたり、一緒に遊んだりするっていうのを、当たり前にしたいから、とにかく遊びに来てほしいかな。
出会ってもらって、皆んなで、やれること考えて、一緒に子育てをして。
何百人の子育てを、一緒にしていけたら嬉しいなと思います。」
そう語る路子さんの目は未来を見据えていました。
【インタビューを終えての感想】
salad:私自身、様々な事情で、家庭や家族、実家というものには、マイナスなイメージしかなかったのですが、じじっかさんのお話を聞いていて、家族ってそんなに悪いものじゃない気がする、実家っていろんな形があると思いました。
中村さんに「一緒に乗り越えよう!」と言われたときは、できるかな?とおもいましたが、インタビューを終えてみると、できるかもしれない!と前向きになれる。
そんな場所で、3分の1生活でも、確かに誰かと支えあえれば豊かになれる気がする。それがじじっかさんかもしれない。もっともっと、お話を聞きたいと思えるインタビューでした。
ぜひ一度、姪っ子たちをつれて遊びに行きたいと思います。
どんはれ:しっかりと目を見て話された中村さんの誠実な姿勢にうれしく思いました。母子家庭の方がクリスマスが寂しいことから始まったじじっかさんの活動。核家族化が進み、おのおのの家庭で完結してしまう関係性をじじっかさんはお互いが助け合うことにより、関係性を広げています。
ひとり親家庭も大変ですが、ふたり親家庭でも子育ては大変です。
7人の親がいれば子どもたちも安定して過ごせると思います。支える大人が増えれば増えるほど子どもたちの視野が広がり、育てやすくなることでしょう。
福祉という言葉にとらわれないで、立場がある人が一方通行で支えるのではなく、そういう関係性を取っ払って肩肘張らずにお互いが助け合う、草の根的な活動がじじっかさんでできていることがすごいと思いました。
劇的な変化はないかもしれませんが、小さな困りごとの解決の積み重ねが、貧困から抜け出すヒントになっているかもしれません。
三分の一生活を掲げているじじっかさんですが、収入の少ないひとり親家庭でも、そのままでも幸せになれるよという言葉に大いに励まされます。
普通の人が普通に幸せになるのが難しくなっている社会において、貧困であることから逃げないでそれに対応して助け合うしくみを作っていったじじっかさんの活動は素晴らしいと思います。
子どもたちがリボンを作ることで、それを文房具などのほしいものと交換することで労働の大切さを教えるしくみは素敵だと思いました。
学校では勉強を教わることができますが、労働の尊さまで教育するしくみはなかなかないので、子どもの頃からそういう体験ができることは良いことだと思います。
少子高齢化で子どもを育てるのは難しくなっている世の中です。
貧困の連鎖や、虐待などの問題で子どもたちの環境は厳しさが増しています。
しかし、じじっかさんの活動はその連鎖を断ち切るしくみづくりがされていると思いましたし、このような活動が活発化されていけば世の中はよくなるのではないかと希望が持てました。
二歩踏み込むという言葉も初めて聞きましたし、友人から一歩踏み込んで、関係性を作るのは難しいとは思いますが、人とのつながりが希薄になってきた社会を再構築させるためにも必要なことだと思います。
大変有意義なお話がたくさん聴けてよかったと思います。
この度は、インタビューを受けてくださり、ありがとうございました。
島川:中村さんのこれまでの活動についてや、そこにかける想い、活動によって生まれた変化についてのお話や、楓さんの絵本制作に関わって感じたことや伝えたいことなど、聞いていて、胸に来るものがありました。これまでたくさんの方にお話を伺ってきましたが、今回のインタビューはその中でも格別に思い出深いものに自分の中でなりました。
今回は、代表の中村さんと、TANOSHIKAの利用者でもある楓さんにもご参加いただく形でのインタビューにしたのですが、お二人の姿を通じて、普段どういう温度感・空気間で接しておられるのかが伺えて、それを記事や動画を見ている方にも伝えられたのが、とてもよかったなと思います。
今日は初めてじじっかさんにお邪魔したのですが、一歩入った瞬間から、飾り気なく、まさに実家のたたずまいでいらっしゃって、インタビューが終わったころには名残惜しいような、もう少しゆっくりして帰りたくなるような気持ちになりました。
どんな状態の方もその中に受け容れてしまう様な、強さとやさしさを感じる空間でした。
まだまだひとりで抱えて苦しんで悩んでおられる方は、久留米に限らず、たくさんおられると思います。皆さんの活動によって救われたり、励まされたり、支えられる方が、これからもたくさん生まれて、皆で支え合える社会に、なっていくことを祈ります。
この度は、貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました!

後編はここまです。
もし、前編を見られていない方がいましたら、是非、前編もお読み頂けると幸いです。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
前編はこちらからです↓
(記事を挿入)
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