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はじめに
少子高齢化社会になってきて久しいです。
団塊の世代が高齢化してますます働く人々が少なくなってきています。
認知症患者も増加し、2025年には、65 歳以上の高齢者のおおよそ5人に1人は認知症患者になると予測されています。
これからますます認知症の方は増えていくだろうと思います。
そうすると働く人口も減っていくと予想されます。
参照元:(厚生労働省)認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)(PDF)

注文を間違える料理店
そんな中、ユニークな料理店が開催されました。
その名も「注文を間違える料理店」です。認知症の方が働いています。
発起人の小国士朗さんは語ります。
それは当時テレビ局のディレクターとして介護施設を訪れたときのことでした。その介護施設のお年寄りたちは自分で身の回りのことをします。掃除、洗濯、料理も包丁を持ってします。
しかし、その日のメニューはハンバーグと聞いていたのに餃子が出てきました。それを訂正しようとしましたが、別に餃子でもいいのではないかと思うようになりました。
鋳型にはめようとしていた自分をかえりみて、お年寄りたちの働く意欲をそぐよりもそれを促すことの方が重要ではないかと考えたからでした。
確かに、安全でおいしい食べ物が出てくれば、ハンバーグか餃子なのかはあまり関係がないと思うかもしれません。時々間違えてしまうことなんて、「まっいっか」と受け流してそのままおいしく食事をいただければなんの問題もありません。

日本全国から世界中へ
こうして、ユニークな料理店は開催されるに至りました。
全国の19都道府県で25を超える団体で開催されました。
認知症というとなにもできなくなるという印象を持っている人も多いでしょう。
しかし、認知症でも、働きたいと思う人も多く、ときどきオーダーを間違えてしまいますが、お客様の温かな対応により、なごやかな雰囲気で料理店は開店していきました。
「認知症の方を見世物にしている」「不謹慎だ」という意見もあります。
しかし、認知症でも働ける高齢者の人々を見て、まだまだ人はやれるのだと励まされた人もいると思います。
私も歳をとるにつれ、できないことが増える恐怖があります。それでも、元気なうちは働きたいという高齢者の働く姿を見て、人の可能性を無限に感じました。
日本で発祥したこの活動は世界中にも広がっているようです。
自分たちの街でもぜひ開催したいという声が上がってきています。

認知症とともに
認知症は根治する病気ではありません。
それならば、周りの人々が変わるしかありません。
オーダーを間違えても「まっいっか、てへぺろ」精神でお客様が受け止めてくれることにより、認知症の方が働く場が広がるのです。
長年、接客業をしていた女性の高齢者の方も働くことに生きがいを感じ、そこには優しい世界がありました。
私も時間があればこの料理店で食事をしてみたいと思います。
コーヒーのかわりにオムレツが出てきても、ゆったりした気持ちでそれを受け止め、食べたいと思いました。
正確さも大事ですが、寛容になることで認知症の方でも働ける社会は案外素敵なことではないかと考えてしまいます。

おわりに
歳を取れば誰もが認知症になる可能性があります。
私には認知症の母がいますが、母が作る味が薄くなったお味噌汁を飲んでいました。
母は何歳になっても娘である私のお世話がしたいと言っていました。
私も味が薄くなっても気にせず、母の手料理を食べていました。
母のやる気をそぐことはしたくありませんでした。
後でちょっと手直しすれば、お味噌汁もおいしくなります。
ほんの少しの工夫でカバーできることもあります。
自分らしくいきいきと生きたい。
そんなお年寄りたちの意欲を発揮する場はなくしてはならないと思います。
私もいずれ歳を取りますが、いつまでも元気に働きたいと思いますし、周囲がこんな環境なら楽しく歳が取れそうだと感じました。
参照元:(IDEAS FOR GOOD)注文をまちがえる料理店、9月21日「認知症の日」に全国同時開催へ | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン 2025年8月21日

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