視覚障がいの方が料理を作るには~視覚だけにたよらない料理の仕方~

フライパン、電子レンジ・炊飯器・鍋、ケトルなどの料理道具

この記事は約 6 分で読むことができます。

はじめに

全国に30万人以上いる視覚障がい者の方たち。そのすべての方たちではありませんが、料理をするイメージがありますか?きっと難しいと思われていると思います。

視覚障がいの方の視力や視野は千差万別と言われています。しかし、全盲の方でも、全盲以外の方々でも、僅かな視力を頼りにして料理を作る人は多いと聞きます。

音や香り、鍋のふたから伝わる振動などで火の通り具合を判断するそうです。

視覚障がいがあると料理をするときどんなことに困るでしょうか?

材料を切ったり、鍋で煮たり、最後に盛り付けなど、料理の過程での困りごとをご紹介しながら、料理をしたい、料理を始めたい視覚障がい者の方にもお役に立つ情報をお伝えしたいと思います。

参照元:総務省 1.視覚障がい者の現状と音声案内のニーズ (PDF)

白杖をついて立っている視覚障害者の女性

①パソコンの読み上げ機能

Windowsなら「Windowsキー+shift+enter」 で『読み上げ機能』を使うことができます。これにより、レシピを音声で知ることができます。

ときどき、間違った読み仮名で読まれることもありますが、おおむね内容はわかります。

もう1度聞き返したいときに操作が簡単になるといいなと思いました。

パソコン、タブレット

②視覚障がい者が使いやすい料理道具

調味料は、目で確認することが難しいので、一振りで定量計れる調味料入れを使用したり、1プッシュ定量出てくるスプレーなどを使ったりして味付けしていきます。

まな板は、黒色を使用し、コントラストがはっきりしたものを使って素材の形をわかりやすくしています。

キッチンタイマーを使って焼き時間などの目安にします。慣れた人は音や香りで判断することもできますが、まだまだ慣れていない人には必需品と言えるでしょう。

視覚障害者のための料理道具

画像引用:Spotlite 視覚障害者が料理する方法は?使用する便利グッズも紹介 2023年11月23日 

これらの道具は100円ショップでも購入できます。

他にも便利な道具が開発されるといいですね。

慣れた方はガスコンロで料理するらしいですが、安全性などを考えるとIHや、電子レンジを使った方が良いと思います。

参照元:Spotlite 視覚障害者が料理する方法は?使用する便利グッズも紹介 2023年11月23日 

③視覚障がい者のためのアプリ

Be My Eyesというアプリがあります。180以上の言語で100万人を超えるボランティアとビデオチャットでつながることができます。じゃがいもの皮のむき具合など、目で確認したいことなどを手伝ってくれる無料のアプリです。

↓アプリの詳細はこちらからご覧になれます

Be My Eyes – 視覚障がい者と低視力の人々に視覚を提供する

このようなアプリがあると、視覚障がい者が在宅でひとりでも料理を作ることができると思います。

スマートフォンを操作する女性

材料を切る

包丁の位置をいつも固定しておくと安全に使えるようになるみたいです。

材料を切る動作は見えなくても感覚でわかりやすい動作かもしれません。

晴眼者でも目をつぶって切ることはできます。

包丁は使い終わったらすぐに洗ってしまっておくと良いでしょう。

まな板と包丁

煮る・焼く・いためる

音や香り、いためるときに使っているトングなどの道具から伝わってくる感覚で火の通り具合を知るそうです。これはやっていくうちにわかるそうです。

参照元:【視覚障害啓発YouTuber西田梓】【字幕対応】全盲の私がガスコンロ調理で焼きそばを作ってみた! 2023年3月19日

フライパンでいためている男性

盛り付ける

視覚障がい者の方にはクロックポジションを用いて位置を説明するとわかりやすいです。

手前を6時に、右手が3時、左手が9時、奥が12時と説明すると上手に盛り付けられると思います。

盛り付けの際には、実際に食器や、食器の感覚を手で触れてもらうとわかりやすくなります。汁物は器の7~8分目程度に盛り付け、温度にも注意しましょう。

参照元: 株式会社イージスコンサルティング 食事介助・クロックポジション | 介護 |

壁時計

さいごに

料理は五感をフルに使ってするものです。

目の情報だけに頼らない、音の大きさや音色の変化、香りと道具から伝わってくる感触などで火の通り具合を判断したりと、いくらでも方法があります。

音や香り、感触の情報は晴眼者である私にとっても参考になりました。

火が通っていく過程の音を聞いてその音聞いたことあるなと思いましたし、音の変化で目で見るだけでなく微妙な火の通り具合も判断できると思います。

料理は生活の基本であり、ひとりでもできるものです。自分で料理ができるようになると生活の質もぐっと上がります。自立した生活には料理は欠かせないものです。

火の始末やら心配で、ひとりでは心細い方は、まずは誰か介助者と一緒に料理を作ってみてはいかがでしょうか。誰かと料理を作ることは楽しいことでもあります。お皿や道具など実際に触って確かめながら料理すると良いと思います。

視覚障がいの方でも料理を楽しんでほしいと思いました。

視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚の五感のイラスト

参考サイト:

PR TIMES「きつね色」ってどんな状態?視覚障がい者が料理の音声ガイド役に 味の素㈱から、「音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE」公開2025年2月19日

クックパッドニュース「得意料理はコロッケです!」全盲の人ってどうやって料理をしているの?視覚障がい者の「料理の楽しみ方」は驚きの連続だった2021年10月22日| 

公益財団法人すこやか食生活協会(すこやか食生活ネット)声の食生活情報

やさしい手料理キッチン 2025年1月31日



四つ葉のクローバーの罫線

noteでも書いています。よかったら、読んでみてください。

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