ドラマからみえてくる、視覚障害者の世界ってどんなの?

視覚障害

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先々週あたりから、今クールのドラマが始まりました。
まず全ドラマ、一話を観てみようと思って観たのが『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』です。
まだまだ始まったばかりですが、どうやらやんちゃな男の子と視覚障害の女の子のラブストーリーのようですね。

目が見える男の子、見えない女の子…。
見える世界が違うと思われるこの二人が、どうやって仲良くなっていくのか、わたしの中では非常に興味深いドラマです。

視覚障害とは?

ドラマでは、主人公と同じクラスで、同じく視覚障害をもつ友人が登場します。
主人公のユキコは、「色がうっすらわかる」「ルーペを使えば大きい字を認識できる」程度の弱視。
友人の空は、視野が欠けるタイプの弱視。
もう一人の友人の陽太は、生まれつきの全盲です。
ひとくちに視覚障害といっても、その症状は様々なのです。

①視力障害
視覚的な情報を全く得られない又はほとんど得られない人と、文字の拡大や視覚補助具等を使用し保有する視力を活用できる人に大きく分けられます。全盲、弱視といわれることもあります。

②視野障害
全体的に見える範囲が狭くなったり、部分的に見えないところがあるなど、視野が欠ける状態です。見える部分が中心だけになって段々と周囲が見えなくなるタイプや、周囲はぼんやり見えるが真ん中が見えないタイプです。

③色覚障害
色を感じる眼の機能が障害により分かりづらい状態です。色が全然わからないというよりは、一定の色が分かりづらい人が多いです。

④光覚障害
光を感じその強さを区別する機能が、障害により調整できなくなる状態です。暗順応(明→暗で目が慣れてくること)や、明順応(暗→明で目が慣れてくること)がうまくできません。

視覚障害者はどうやって生活しているの?

「目が見えなくて大変ねぇ」と健常者は思ってしまいますが、視覚障害者は見えないなりに日常生活が送れるよう、様々な工夫をしています。

例えば、料理をするとき。
調味料によって容器の形を変えておくと、塩と砂糖を間違えずに済みます。
調味料が一度に一定の量だけ出てくるような構造の容器もあります。
炊飯器や電子レンジなど、音声ナビ機能がついた調理器具もあるので、ひとりで料理するのもできるかもしれません。

時間を知りたいときは、蓋を開けて針を触ることで時刻を確認できる腕時計も市販されています。

お金の管理にも困らないように対策がしてあります。
硬貨のギザギザはよく知られていますが、お札の右下にも触ってわかるマークがついているんですよ。

 

視覚障害の方にとって、快適な日常を送るにはそれなりの準備と工夫が必要です。
そういうとき、皆さんには、スマホの音声機能が便利だという声が多いようです。
どのような意図で開発されたかどうかは分かりませんが、とてもありがたい機能なんですね。
AIスピーカーのような、家電と連動するものもでてきましたし、大いに貢献してくれること間違いなしですよね。

「白杖」は、命の次に大事なもの

視覚障害者が杖を持ちながら歩いているのを見たことはありませんか?
名前を「白杖(はくじょう)」といいます。
ドラマのヒロインは、この白杖を『命の次に大事なもの』と言っています。

見た感じはただの杖で、どれも同じように見えるかもしれませんが、使う人の身長や歩く速さなどによって、ひとつずつ異なっています。
いわゆるセミオーダーメイドのようなものかもしれません。
杖の先端にローラーが付いていたり、折り畳み式のものがあったり…と様々です。

 

白杖の使い方は主に3つです。

①自分の1歩先の地面を白杖でたたいたり地面をスライドさせることで、自分が歩く先に障害物などがないか、地面の状況や進行方向を確認します。また、点字ブロックの上を歩く際も、足の感覚と白杖で触れた感覚を利用して歩いています。

②白杖を持っていることで、自分に視覚障害があることを周りの人に伝えます。外を歩く際には、見え方によって周りの人に気づかずぶつかってしまう場合もあります。こうしたことを防ぐために、白杖を持っていることでまず、周りの人に自分に視覚障害があることを伝える役割もあります。

③地面を白杖でたたくと音がします。その音の反響を聞いて、今どれくらいの広さの場所にいるのか、入り口はどのあたりにあるのかを確認します。当然ながら、視覚障害のある方が皆それをできるわけではありませんが、音の反響を歩く時の参考にしている人もいます。



このドラマのヒロインは、徐々に視力を失ってしまったせいか、白杖を持つのに抵抗がありました。
「なぜわざわざ、自分は障害者だと主張して歩かなければいけないのか」と言い放つ場面もありました。
自分が障害者だと認めることになる…と。

点字ブロックの意味・重要性

ドラマの冒頭では、主人公の男の子が点字ブロックの上で座り込んで、ヒロインの歩行を邪魔してしまうシーンがありました。
男の子は視覚障害者にとって点字ブロックがないと道をあるけないのだと知ります。
そんな点字ブロックの上に自転車が置いてあるのを見て、自転車を別の場所へ移動させていたところでトラブルに巻き込まれてしまいます。

 

点字ブロックは、正式には「視覚障害者誘導用ブロック」と呼ばれています。
これは、視覚障害者が安全に移動をするための重要な「道」になり、道路だけではなく、駅や施設などの様々な所に敷設されています。
また、近年では横断歩道に敷設された点字ブロック(エスコートゾーン)も増えてきています。
なお、点字ブロックには大きく3つの種類があります。
視覚障害者の誘導を目的とした線状ブロック、注意喚起を目的とした点状ブロック、そして主に駅ホームの端に敷設されている内方線付き点状ブロックの3種類です。

目の不自由な人は、点字ブロックを頼りに歩行しています。
このため、点字ブロックの上やその周囲に障害物があると大変危険です。
点字ブロックの上やその周囲には立ち止まらない、自転車や看板、荷物などを置かないようにしましょう。

視覚障害者に接するにはどうすればいい?

わたしたちが視覚障害者に接するとき、一番多い場面は「声かけ」だと思います。
見えるのが当たり前なわたしたちは、注意が必要です。

①声のかけ方
いきなり腕を引っ張ったり押したりすると驚いてしまいます。いきなり白杖をつかんだり肩を抑えるなど自由を奪う行為も強い不安感を感じます。緊急の時でなければ、できれば正面からソフトに声で話かけると良いでしょう。自分に話しかけられていることに気づかない場合があるので、名前が分かれば名前を呼んで話かけ、そうでない場合、気づいていない様子の際は話かけながら肩を軽く叩いて知らせても良いと思います。

②相槌
会話中に相づちをうつ場合など、首を振ったりするだけでは伝わらず、話が通じているのか分からないので不安になってしまいます。声に出して知らせましょう。

③状況を伝える
相手を待たせるときに「今〇〇をしているので少しお待ちください」といった状況の説明はとても大切です。そうした声がけがないと、その「間」に意味があるのか、それとも相手が自分のリアクションを待っているのか、不安に感じてしまうものです。「今準備しているので少しお待ちください」などと説明があることで、安心して待っていられることができます。また、一緒にエレベータに入るときなど「中は混雑しているようです」、外を歩いているときに「雨雲が出てきました」「前から人が歩いてきているので少し左によけます」など、また街で信号待ちをしている当事者の方に、「信号が青に変わりましたよ」など、ちょっとした情報をさりげなく伝えると安心するでしょう。

④立ち去る
今まで話していた人が何も言わずに立ち去ると、そのことに気づかず、まだいると思って話してしまうこともあります。「それでは失礼します」、「少し席を外します」など一声かけてあげましょう。「時間になったら呼びに来ます」など、また戻る場合はその旨を伝えてください。

 

急にそんな場面に遭遇したら焦ってしまうかもしれませんが、知っているか知らないかでは大きく違います。
また、他にも、移動する際・食事する際など、場面によっても気を配ると、相手も助かると思います。

 

 

 

若手人気俳優が出演していることもあって、ラブストーリーという内容からも、若い世代も注目されているドラマだと思います。
このドラマをきっかけに、視覚障害というものについても興味をもってもらえるといいなと思っています。

 

全盲の芸人・濱田祐太郎

ドラマ中で、視覚障害者の解説をしている、漫談師・濱田祐太郎さん。
第16代R-1ぐらんぷり王者に輝きました。

お笑い芸人ということもあり、視覚障害についてイジられたりすることには比較的寛容な濱田さん。
しかし、過去にたった一度だけ、とあるスタッフから障がい者差別的な扱いを感じたことがあり、それが心の傷として残っていました。

そして先日、とある福祉チャリティー番組からオファーを受けたのですが、たまたまその差別的な扱いをしたスタッフが番組に関わっていることを知ります。
いくら芸人とはいえ、福祉チャリティーをうたった番組にそういうスタッフが関わっている事に違和感を覚えた濱田さんは、その番組の別のスタッフとしっかり話し合いをし、丁重に出演のお断りをしました。

このほど、ミュージシャンの小山田圭吾さんが、過去の障がい者いじめが明るみに出たことで、大きな批判を浴び、東京五輪の直前に開会式クリエーティブチームを辞任する事態となりました。
そのことを受けて、自身におこった出来事と重なったという濱田さんは、「たぶんこんなことは氷山の一角にすぎないと思う」と率直な心境を語っています。

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