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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2025年が始まりました。2024年はLGBTQ関連で、世界が活発に動いた年でもありました。
特にこの記事でも取り上げるアジア圏が、活発に動いていた様な気もします。その中でベトナムをまずは取り上げますが、最近の動きはどうなのでしょうか?
ベトナムでは、LGBTQの権利保護に関して、東南アジア諸国の中でも特に進んでいて、2014年6月19日に可決された改正婚姻家族法で、禁止されていた同性婚が解除されました。
また、毎年国連ベトナムは、2012年から「ベトプライド」を開催し、LGBTQの平等な権利を要求する動きを実施しています。
参照:「ベトナムはLGBTQに優しい」は本当? 近年の法的変化・社会変化 株式会社クリスク(2020年9月23日公開)
この様に寛大さに近付いていると言われているベトナムですが、1998年当時は、まだまだ偏見や差別などが根強かったとされています。その時代を取り上げた映画が、2025年3月に公開されます。
2025年3月21日(金)より、アッシュ・メイフェア監督最新作『その花は夜に咲く』が、東京都・シネマート新宿ほかにて全国順次公開されることが決定しました。R15+指定です。
アッシュ監督がベトナムで過ごした中学時代の記憶からストーリーが構想され、主人公・サンのキャラクターはトランスジェンダーの友人をモデルになっていると言われています。
今回はこの映画のあらすじと、主演に抜擢されたトランスジェンダーの方、日本を含むアジア圏の2024年のLGBTQ関連に関する内容などを、深く取り上げたいと思います。
あらすじ
経済解放間もない、昔ながらの活気と風情が息づく1998年のサイゴン。その都会の片隅に貧しくもつつましく、愛し合いながら生きる2人、サン(チャン・クアン)とナム(ヴォー・ディエン・ザー・フイ)。サンは望まぬ性に生まれながらも、夜の世界で歌手として、ナムはボクサーとして懸命に暮らしていた。だが、若さゆえ、2人は容赦ない夜の世界に飲まれてゆく。嫉妬や裏切り、焦りや不安……少しずつずれていく2人の距離。運命の歯車が狂いはじめた2人の愛はどこへ向かうのか。
画像・引用元:『第三夫人と髪飾り』監督によるラブストーリー 『その花は夜に咲く』2025年3月公開決定 Real Sound(2024年12月24日公開)
アッシュ監督は、
「ここ数年で、ベトナムはゲイやレズビアンのコミュニティに対して受け入れが増加していますが、現在もなお、まだまだトランスジェンダーのコミュニティは社会や政府から厳しい差別を受け続けています。
トランスジェンダーというテーマの重要性だけでなく、若い女の子・サンがカメラの前で、私たちのために夢を追い続ける姿から、私はこの映画が作られる運びとなりました」
と述べました。
ここからは、主演に抜擢された、トランスジェンダーの方を紹介します。
主演に抜擢された、トランスジェンダーの方とは?
サン役には自らもトランスジェンダーであるチャン・クアンを抜てき。クアンは本作でスクリーン・デビュー果たし、その美しさからミス・インターナショナル・クイーン2023ベトナム大会でトップ10に選ばれ、ベストフェイス賞も受賞している。
引用:スパイク・リーが絶賛 ベトナムの新鋭アッシュ・メイフェア監督最新作『その花は夜に咲く』公開決定 クランクイン(2024年12月24日公開)
入り混ざり合う、多様性。日本はどうなればいい?
2024年12月も、LGBTQ関連で、日本では色々あった月となりました。
2024年12月13日、福岡高裁は、同性同士の婚姻を認めていない戸籍法や民法の規定は憲法違反だとして、福岡県と熊本県に住む3組の同性カップルが国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、
幸福追求権を定義した憲法13条と法の下の平等を定義した憲法14条1項、両性の平等と個人の尊厳に基づいた家族法の制定を求める24条2項に違反すると判断しました。
判決は同性婚を巡る社会情勢の変化にも触れました。
「歴史的に顧みれば全世界的に婚姻は異性間でのみ認められてきたのは事実」としつつ、「同性婚を法制度として認めない理由はもはや存在しない」と踏み込んだ判決となりました。
13条違反を認めたのは地高裁を通じて初めてでした。
参照:同性婚認めない法制度は「違憲」 福岡高裁判決 2審で3例目 毎日新聞(2024年12月13日公開)
また、同日2024年12月13日、自認する性が女性と男性のどちらにも該当しない「ノンバイナリー」の当事者が、「長女」と記載された自らの戸籍に関して、「第一子」など性別に捉われない記載に訂正する様に求める審判を、京都家庭裁判所に申し立てました。
代理人弁護士によれば、「ノンバイナリー」の人による申し立ては異例です。
申立人は、「パスポートも公的書類も性別欄は女か男かしかなく、自分という存在が認められていないと感じてきました。女とも男とも扱われない権利を保障して頂きたいです」と主張しました。
参照:「ノンバイナリー」の当事者 戸籍の記載訂正求め 家裁申し立て NHK NEWS WEB(2024年12月13日公開)
私は2年前の今頃にあるLGBTQの映画を取り上げました。「LGBT理解増進法」が報じられた年でしたね。
この作品に関しては、日本問わず、海外でも評価が高く、海外でも賞を受賞されていましたし、日本でも有名な第78回毎日映画コンクール、第15回TAMA映画賞、第45回ヨコハマ映画祭などで受賞されていました。
日本では、LGBTQが1つの映像コンテンツとして浸透したあるドラマが、タイ版として制作されるとのニュースを観ましたが、まだまだ実際に受け入れられているとは言い難い状況だと思います。
本題のベトナムも、30年余りという長い期間を経て、今寛大さが出て来たと思います。
日本がそうなるためには、まだまだ長い歴史が必要になるかもしれませんが、このベトナムの映画がかつて、または今の日本だとするなら、ずっと議論されているこの問題に、一石を投じる作品になればいいと感じました。
世界のLGBTQ関連のニュース
それ以外の国でも、LGBTQに関する以下の話がありました。詳細は下記の記事を読んで頂きたいと思います。↓
韓国、同性配偶者も健保の被扶養者と認定 最高裁が判断 ロイター(2024年7月18日公開)
タイで同性カップルが婚姻可能に、来年1月から 国王が結婚平等法に署名 BBC NEWS JAPAN(2024年9月25日公開)
参考サイト
noteでも書いています。よければ読んでください。
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