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こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事では、小さい頃から、「自分の身体は、安易に人には見せてはいけない」など、広い視点から子ども達に投げかける、一冊の性教育本を紹介致します。
進級、入園など年齢が上がるにつれて、お子さんが一人で行動できる範囲が拡大する小学校の新学期、不安に感じる親御さんにオススメしたい本です。
2023年4月14日より、形や色、種類も色んなパンがきっかけで、人権や多様性に関して、親子で勉強できる、小学館クリエイティブ刊の、性教育本『パンでわかる包括的性教育~入学前までにやっておきたい!将来のための30のこと~』が販売中です。
身体のことだけでなく、「自分自身も、自分以外の友達など、周りの人も大事にする考え方」を小さいお子さんに教えるヒントが書かれています。
1冊、定価1,430円(税込み)で、販売中です。
今回は、『パンでわかる包括的性教育』という本が、それ以外に販売されている性教育本とは何が一線を画すのか?という優れている点や読んで頂きたいと思う理由などを紹介します。
『パンでわかる包括的性教育』にはどんなことが書かれている?この本で伝えたいこととは?
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本書で取り扱う「包括的性教育」は、からだの発達や生殖のしくみなど、一般的にイメージする性教育の内容だけではありません。多様性や人権、ジェンダー平等を知ることから始まり、「自分も、自分以外の人も大切にするための関係性の築き方や、コミュニケーションの取り方」を学びます。小さい子どもでも性犯罪に巻き込まれる可能性があることから、世界では思春期からではなく幼い頃から身につけておきたいスキルとして主流になっています。
本書は、「包括的性教育」のキーワードである、人種、性別、性的指向、ルッキズム、家族の形、価値観などのあらゆる多様性を、いろいろな形や大きさがある多種多様なパンに置き換えて紹介する、これまでになかったユニークな性教育本です。
画像・引用:わが子を守るために知っておきたい! 新学期シーズンの親の不安を取り除く本『パンでわかる包括的性教育』が4/14に発売 PR TIMES(2023年4月14日公開)
今、幅広いところで性教育の在り方が必要となっている!
子どもの頃から熱心に孫の世話をするお祖父さんがいましたが、最近問題となっているのが、義父が孫である女の子のおむつ替えをするという問題です。
「昔は誰でもしていたよ」という声があっても、最近は、「プライベートゾーン」という、人に安易に見せてはいけない場所は、義父であっても、「おむつ替えなどするよと言っても、させてはいけない」、という考え方が強まっています。
血は繋がっているとはいえ、義父と女の子の孫では異性同士。赤ちゃんや子どもの頃から、お互いに、「簡単に人に自分の身体を見せないこと」を、意識させる考え方としては、とても良いと思います。
例え義父であっても、2021年春に文部科学省が手引きや教材を公開した【生命(いのち)の安全教育】の中では、性暴力になるという考え方だからです。
1970年代からアメリカで発展した「アサーション」という考え方では、「自分だけが我慢しない」「相手が悪いと決め付けない」という2つの自己主張法という考え方も浸透しつつありますね。
【生命(いのち)の安全教育】に関する内容は、下記に動画を貼っておきますので、ぜひご覧になって頂きたいと思います。↓
性犯罪に巻き込まれないためにも包括的性教育は必要
一見平和そうな日本ですが、子ども達が性犯罪に巻き込まれる事件は日々起きています。
警察庁の資料によれば、SNSに起因する被害児童数は1665名にも及んでおり、小学生の割合も高くなっています。
こちらの資料もぜひご一読いただいておくと、よいと思います。
2024年に、2023年から議論されていたDBS(子どもに接する仕事に就く人について、性犯罪歴の確認を義務付ける制度のこと)が承認されましたが、あくまで学校の先生などが対象で、対象ではない職業も多く、抜け道が多いなと感じています。
「グルーミング(最終的に性的行為に及ぶことを目的として、子どもとの信頼関係を構築するための行動をとること)」など、始めはそんなそぶりを見せないのに急にそういった行為に及ぼうとする人物もいることを知っておくことも自分の身を守ることにつながります。
最近さらに深刻なのが、「ディープフェイク」です。
中学校などの卒業アルバムやネットに投稿した女性の写真を利用して、AIでその女性や女の子の顔を違う人物の身体に組み込んで、裸にして、さもその人がそういうものを撮った様に画像や動画として拡散される被害が相次いでいます。
被害者が気付いた時には、ネット上で相当数出回っており、中には「小学生の頃、好きだった子」という理由で、中学生が「ディープフェイク」を作っており、元々韓国で社会問題となっていたことですが、「日本でもやはり起こっていたか…」と思うと、頭が痛くなりました。
参考サイト
もし、あなたの卒業アルバムが裸にされたら NHK NEWS WEB(2024年9月14日公開)
WEB特集 卒業アルバムの同級生を裸に 子どもも加害者?画像加工の実態|NHK(2024年12月18日公開)
芸能人の偽の性的画像 メルカリなどで大量販売 対策求める声 NHK NEWS WEB(2024年12月14日公開)
昔から「自分の身は自分で守らなきゃ」という概念が、SNS社会やAIの脅威に脅かされ、昔にはあった秩序も破綻していると感じています。
今回の『パンでわかる包括的性教育』の本は、パンという親しみやすい食べ物を擬人化したことで、分かりやすく、優れている、良作だと思いました。
私が子どもの頃はこういう本はありませんでしたし、知識としても乏しかった。
今はそれが充実していると感じていても、私が子どもの頃より自分自身の身体が傷付くこととか、お金や若者の間で深刻なオーバードースなどで、どうにかしてそれを叶えるために、自分自身の身体を大事にするという考え方が欠損してしまったと思います。
立ちんぼをして、お金やオーバードース用のドラッグなどを貰おうとするトー横キッズなどがその代表例でしょう。
私が子どもの頃は確かに性教育が今より遅れていた。でも、SNSもありませんでしたし、まずそういう犯罪に巻き込まれるケースもほとんど聞かれなかったです。
今は確かに性教育は進歩しています。
でも、SNS社会がそれに追いつかない様に突き放し、誰もが身近に始められ、誰とでも簡単に繋がる社会となって、犯罪に巻き込まれることが増えました。
小学生など幼い子であっても、簡単に20以上年の離れた大人と接点を持ち、性犯罪にも巻き込まれる事態となっています。
文明の発展が、この様な危機をもたらすことは、時代に違う意味で逆行し、凄く怖いことです。
確かに今の日本に、期待が持てるか、といえば、私もNOです。これからどうなるんだろう?と、言葉で表すこともできない、漠然とした不安がいつも心の中にあります。
それでも、『パンでわかる包括的性教育』という小さいお子さんでも理解しやすく、かつ読みやすいこの本が、「自分のことを大事にしてね」とメッセージを発信することで、今の小さい子ども達が大人になった時、2025年現在とは違う、未来があるかもしれません。
私も記事を通じて少しでも未来の世代に希望の種を撒いていきたいなと感じました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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