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こんにちは、翼祈(たすき)です。
タイトルにある防災ラジオ付き自動販売機では、地域のFM局が発信する災害情報などを音声で伝えることが可能な自動起動ラジオを搭載しています。ラジオの受信機とスピーカーを備えていて、自動販売機上部に取り付けた自動起動ラジオは全天候型の防水防錆です。
地域のFM局から緊急地震速報が発出されると自動的にラジオの電源が入り、地元のラジオ局の電波を受信してスピーカーから住んでいるエリアに放送されます。
街中にある自動販売機から防災情報を拡声することで、外出している市民にも迅速に緊急情報を伝えることが可能です。
この事業は、FVジャパン株式会社、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社の協力のもと、各地のコミュニティFM及び県域FM局へ防災ラジオ付き自動販売機の設置・普及を推進しています。
今回はこの防災ラジオ付き自動販売機が設置されている都道府県を取り上げて、特集します。
2023年1月、
災害時に避難・防災情報などを発信するコミュニティーFMのラジオ放送が自動的に流れる機能を据え付けた防災ラジオ付き自動販売機が、東京都世田谷区池尻1にある区立世田谷公園に設置されました。東京都内では初めてだといいます。
コミュニティーFMラジオ局「エフエム世田谷」の担当者は、「世田谷区と連携して緊急速報などを放送し、世田谷区民の安全・安心に貢献します」と述べました。
2023年1月17日、東京都港区にあるコカ・コーラボトラーズジャパン社の自販機の上部に強力磁石で専用のラジオ機器を据え付けました。震度5以上の地震が発生した時などに「エフエム世田谷」が作動して、防災・避難所情報などを流します。最大で半径およそ100mに音声が届きます。停電しても内蔵電池でおよそ2日間動かすことが可能です。
それ以外にも、火災情報、子どもや高齢者の行方不明情報、不審者情報などの放送を想定しています。
防災ラジオ付き自動販売機の設置のきっかけは、三重県鈴鹿市にある不動産業者「鈴鹿コミュニティー」からの呼びかけが始まりだといいます。地元でコミュニティーFM局「鈴鹿ヴォイスFM」にも携わる「エフエム世田谷」は、2017年に自販機に備えるラジオを開発しました。全国のコミュニティーFM局に設置する賛同を呼びかけています。
費用は事業に協力する自販機運用会社が負担するためFM局の出費はありません。コカ・コーラボトラーズジャパン社によりますと、2023年1月18日現在、愛知県や大阪府など全国14都府県のおよそ30局が契約を締結し防災ラジオ付き自動販売機を設置しています。今後はエフエム東京など、より広範囲で放送するFM局とも連携し、防災ラジオ付き自動販売機の設置地域を拡大したい方針です。
参考:公園に防災ラジオ付き自販機 震度5以上で作動 東京・世田谷に設置 毎日新聞(2023年)
「エフエム世田谷」の加藤正彦社長は「昔から防災に関心を持ち、外で歩いている人にもラジオで防災情報を伝える方法がないかと考えていました」と説明します。
自販機にスピーカーを付けるアイディアを思いつき、コカ・コーラボトラーズジャパン社の協賛を得て実現したといいます。「ラジオは伝えるスピードが速く、人の命を救う武器になります」と言葉に力を込めました。
2023年5月、
全国のコミュニティFM局向けに専用番組を配信する、東京都千代田区にある株式会社ミュージックバード(TOKYO FMグループ)では、全国のコミュニティFM及び県域FM局と連携し、防犯・防災等の緊急情報を自動販売機から音声で伝える防犯・防災ラジオ付き自動販売機の普及・設置を推し進めています。
2023年5月26日、広島エフエム放送株式会社(広島FM)の放送エリアである広島県広島市西区己斐本町3丁目に防災ラジオ付き自動販売機が設置されました。
阪神・淡路大震災から29年、東日本第震災から13年…、そして南海トラフ地震が懸念される中で、これから重要な情報を色んな手段で市民に届ける様に、防災ラジオ付き自動販売機の設置を推進するもので、広島FMが放送する「緊急地震速報」を街中にある自動販売機から放送する、安全・安心に貢献する自動販売機となります。
画像引用・参考:【災害時に活躍!】緊急地震速報などが流れる街中の「防災ラジオ付き自動販売機」広島県1号機設置 PR TIMES(2023年)
2023年9月、
防災ラジオの機能が付いた自動販売機が、2023年9月21日に、福島県福島市にある「道の駅ふくしま」に新しく設置され、災害が発生した時に防災ラジオとしての役目を果たし、東北地方で初めての設置となりました。
防災拠点としての道の駅の機能を強化しようと、福島市などが設置しました。自販機にラジオの受信機が取り付けられ、緊急地震速報以外にも、ラジオ福島が放送する台風や地震などの災害情報が流れます。大規模な災害が発生した時には自販機の飲料が無料で提供されます。
この様な防災ラジオとしての機能を据え付けた自動販売機は、7年前に三重県で設置が始まって以降、各地で導入する自治体が増えています。
「道の駅ふくしま」は高速道路のインターチェンジに近いことで、福島市が「広域防災拠点」と位置付けて非常食などを備蓄する防災倉庫も設置し、福島市は、今回の防災ラジオ付き自動販売機の設置で災害対応の拠点としての機能が強化されるとします。
設置のお祝いセレモニーでは、福島市の木幡浩市長や設置するコカ・コーラボトラーズジャパン社などが出席して関係者にお披露目され、木幡市長は、「重要な防災拠点の『道の駅ふくしま』でこの防災ラジオ付き自動販売機が設置されたことは大きな意味が持つと考えています。防災ラジオ付き自販機の設置で利用者の防災意識を日頃から高めることにも結び付きます。様々な業界、業種で防災に取り組んでいくことが大事で、地域一丸となって災害への対応力を高めていきたいです。沢山の人を守る道の駅でありたいです」と挨拶を述べました。
ラジオ福島の花見政行社長は「防災ラジオ付き自販機を通して、信頼に足る情報を迅速に発信したいです」と語りました。
参考:防災ラジオ付き自動販売機、東北で初めて福島の道の駅に登場…緊急地震速報など流す 読売新聞(2023年)
私と防災ラジオ
祖母の家に行くと、自治体が各家に配った防災ラジオが置いてあります。
それを緊急で使われる様な事態にはなったことはありませんが、母が「これって何かあった時に電源が付くんでしょ?ラジオを持っていない家庭からしたら便利だと思う。住んでいるところでも、防災ラジオを配ったらいいのに」と、その防災ラジオを見る度に言います。
確かに災害発生時では、電波や電気が止まり、ラジオから情報を聞くという話はよく聞きますし。
この記事を書いた時、2024年3月に掲載された、防災備蓄自販機について思い出しました。防災備蓄自販機は、災害発生時に必要なものも入っている自販機。
この記事で紹介した防災ラジオ付き自動販売機は、普通に飲み物も買えて、緊急時には防災ラジオが聞こえて来る。
この2つの自販機があれば、仮に災害が発生しても、かなり心強いのではないか?と思いました。
それ位、とても優れた自販機の2つだと感じます。
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その他の能登半島の4月のニュース
能登半島地震発生からから、4ヵ月。最近私が知った災害関連の社会福祉的なニュースは、「かくれびな」です。
ずらりとおよそ1300個もの色とりどりのひな人形が並んでいて、80歳の女性Aさんが展示する「かえりびな」は、還暦を迎えた女性に、再出発を祝う想いを託して贈るものとされてきましたが、いつしか「震災が発生して行方不明になっている人が無事に帰って来られる様に」との願いも込められる様に変わりました。
神奈川県の女性Bさんが発足したボランティア団体「箱根勝手に応援隊」は、被災地に赴き、被災者と一緒に「かえりびな」を作って元気づけたり、慰めたりしていました。
女性Aさんは、「箱根勝手に応援隊」の一員として、西日本豪雨、熊本地震などの災害時に現地を訪問し、被災者と一緒に「かえりびな」を製作してきました。
「箱根勝手に応援隊」のメンバーは東北地方、兵庫、熊本、岡山3県などの被災地と守山市にも拡大し、「かくれびな」は、各地を巡回する展示される度にひなづくりで足りない材料を送り合ったり、ひなを共有しあったりしています。
「被災地の方には人生を再スタートする前向きな気持ちを持って頂きたいです。震災を他人事と捉えられてしまいがちですが、『かえりびな』を飾っておくことで震災や防災のことを話すきっかけになればと思います」と、沢山の被災者に心を砕いてきた「かえりびな」に、女性Aさんは、想いを託しています。
参考:「前向きな気持ち持って」 離れた被災地へ思い巡らす「かえりびな」 毎日新聞(2024年)
また、2024年4月19日より、能登半島地震の被災者をサポートするため、長野県にあるバッジ製作会社「BIG WAVE」が作製した、伝統工芸が盛り込まれた、石川県観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」と、かぶり物は水引のデザインの長野県のPRキャラクター「アルクマ」が並ぶピンバッジが発売中です。
ピンバッジも金色にメッキで塗られ、豪華絢爛さをデザインし、長野県信濃町にある道の駅しなのや県庁などで購入可能です。税込み550円で、1個につき100円が石川県へ義援金として寄付されています。
参考:能登支援へ「アルクマ」と「ひゃくまんさん」並ぶピンバッジ発売へ…売り上げの一部が義援金に 読売新聞(2024年)
そして、2024年4月28日、石川県珠洲市にある、営業を休止していた「道の駅すずなり」が、GWに合わせて営業を再開しました。
奥能登伝統の揚げ浜式塩田の天然塩を使った名物のソフトクリームを手に「久々に食べられて良かった」と笑顔が弾けました。
同日、輪島市河井町にある重蔵神社で開催された縁日は、地震の影響で自由に遊べる場所が限られる中、子どもの居場所を作ろうと、子ども達のお母さん達が企画し、境内にはボールすくいやヨーヨー、輪投げなどの出店が並び、多くの親子連れでに賑わったといいます。
参考:石川・珠洲で道の駅再開 3時間で200人来店 日本経済新聞(2024年)
参考:地震被害の石川 輪島の神社で縁日 多くの子どもたちでにぎわう NHK NEWS WEB(2024年)
それ以外にも、2024年4月25日に、輪島市河合町にある、定番メニューのそばやカツ丼で知られる老舗和食屋「やぶ新橋店」が営業再開したり、
2024年4月28日に、石川県七尾市にある和倉温泉で、地震で大きな被害を受けた飲食店が営業できる場所を創ることで、復興の後押しをしたいと、「和倉温泉屋台村」がオープンしました。
参考:石川 輪島 老舗和食店 約4か月ぶり営業再開 地元客でにぎわう NHK NEWS WEB(2024年)
参考:和倉温泉に地震で被害受けた飲食店の屋台村オープン 七尾市 石川 NEWS WEB(2024年)
noteでも書いています。よければ読んでください。
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