乳児用液体ミルクが、防災備蓄として重宝され、今求められている理由とはー?  

乳児用液体ミルク

この記事は約 7 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

災害で避難生活の続く、石川県能登半島などの被災地。

地震直後に新たな命が産まれたこともありましたが、長引く避難生活で、特に小さな赤ちゃんなどがいる方は、不安な夜を過ごされていると思います。

特に今はコロナやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が避難所で拡大しており、小さいお子さんが感染症にかかると重症化しやすく、警戒されています。

断水で水が出ない地域も多い中、いかに感染症から大事な家族を守っていくかが、今現在もこれからも深刻な課題だと言えます。

赤ちゃんに安心して母乳やミルクを飲ませられない、そんな時に役に立つのが、元々防災備蓄として重宝されていた、「乳児用液体ミルク」です。

「乳児用液体ミルク」とは、お湯や水で溶かす必要がなく常温で保存可能です。2016年の熊本地震が発生した時にフィンランドから緊急輸入され利便性が注目されました。2018年に厚生労働省が省令改正し、日本国内での製造・販売を解禁しました。

2019年3月に明治がスチール缶、江崎グリコが紙パックで販売をスタートし、森永乳業や雪印メグミルクも販売しています。

今回は、「乳児用液体ミルク」が、令和6年能登半島地震で、今後必要になるであろうメリットをお話します。

「乳児用液体ミルク」の良い部分

画像引用・参考:災害時に役立つ乳児用液体ミルク 備蓄は東京23区中15区どまり 課題は価格と賞味期限 東京すくすく(2023年)

災害時の断水や停電でもそのまま飲むことができる「乳児用液体ミルク」に関して、デメリットだった賞味期限の短さは改良されつつあって、防災備蓄の広がりに期待が持たれています。

東京23区で「乳児用液体ミルク」を防災備蓄しているのは文京、新宿など15区です。実際に使いつつ、無くなったら買い足す「ローリングストック」という手法を導入し、賞味期限(半年~1年)が迫った「乳児用液体ミルク」は保育園や乳児院などに配布しています。東京都も5000本以上を防災備蓄し、熊本県や千葉県の災害現場に救援物資として届けてきました。

2019年9月の台風15号で被災した千葉県鋸南町役場によりますと、支援物資として届いた「乳児用液体ミルク」を赤ちゃんに与えたお母さんには「停電の中、そのままストローを差して娘に飲ませることができて非常にあの時は助かりました」と好評でした。

被災のストレスで母乳が出づらくなった人にも活用されて来たといいます。

「乳児用液体ミルク」はアメリカやヨーロッパをメーンに普及していますが、日本では粉ミルクと同じ水準の品質を確保することが困難で、長年、製造・販売が見送られてきました。

熊本地震など近年の大規模災害では、停電や断水によりお湯や水が無くても、そのまま哺乳瓶に注いで乳幼児にミルクを飲ませることが可能だったとして注目されました。

ですが、2018年9月の北海道地震では支援物資で届いた北欧製の液体ミルクが、被災者に馴染みがなかったことで活用されず廃棄される問題が発生しました。

日本国内での「乳児用液体ミルク」の販売を求める声が高まって、2019年3月から江崎グリコや明治が販売をスタートしました。各自治体が災害用の防災備蓄を進めてきました。

日本国内販売シェアおよそ6割の明治は、小売企業や自治体などを介して、沢山の「乳児用液体ミルク」が被災地へと届いています。

その反面、保存期間や価格では粉ミルクの方が優位とされます。明治が乳幼児のお母さんなどを対象にした実態調査では、「乳児用液体ミルク」を使ったことがあるのは1割超に留まりました。明治の担当者は「『乳児用液体ミルク』の使い方を丁寧にお母さん側に伝えることで、市場拡大の伸びしろは十分にあります」と述べました。

発売から4年が経った2023年、明治はデメリットだった賞味期限を粉ミルクと同じ水準の1年半まで延ばした新しい「乳児用液体ミルク」を開発しました。明治の担当者は「メリットを伝えることで防災備蓄がより広がって頂ければ」と説明しています。

「乳児用液体ミルク」のメリット

「乳児用液体ミルク」は夜間授乳や外出時の便利さによる育児の負担軽減でニーズが高まり、防災面でも注目を集めています。

参考:頼れる液体ミルク 台風被災地 お湯いらずで重宝 東京新聞(2019年)

熊本地震の時、4ヵ月の息子と10日間車中泊でした。お湯が確保できず、夜近くの避難所でお湯を貰って息子に飲ませる。お腹が減ると、息子が泣き叫んでもすぐにはミルクを与えられず、育児ノイローゼになりそうでした。色んな方が『乳児用液体ミルク』の素晴らしさを実感されると思います!」 。

外出する時には哺乳瓶に粉ミルクを入れて行く軽装派ですが、『乳児液体ミルク』の圧勝でした。調乳の一手間が必要ないだけで、こんなに楽なのだと感動しました。これからも使い続けます!今日も本当に外出した時は快適でした」。

と、「乳児用液体ミルク」は、実際に使った多くの方から支持を頂いております。

関連記事

乳児用液体ミルクの需要急増、明治が増産へ…1月受注量は平時の2倍超に 読売新聞(2024年)

ビジネス特集 能登半島地震 関心高まる「液体ミルク」 NHK NEWS WEB(2024年)

今の震災には必要なもの

私は以前沐浴ボランティアというタイトルの記事を書きました。詳しくは下記を観て頂きたいと思います。↓

その中の1つを抜粋すると、災害が起きても、赤ちゃんには母乳かミルクを飲ませることが良いと記しました。胸を拭いて、清潔に保ちながら、飲ませるべきだということです。

しかしこの記事自体を書いたのは、2022年で、今回の能登半島地震を想定して書いているものではありません。

これまでの災害と大きく違う点は、被害範囲が広域なこと、地震から1週間以上経っても断水や停電が解消されない地域が多いこと、道路のひび割れで、現地入りするのにも何時間もかかり、物資が被災者にすぐに届けられないことなど、様々な点でこれまで経験したことない被害規模です。

物資も届かず、断水でお風呂もシャワー程度で、地震発生から1回しか入れていない人が多い中、お母さんに、「胸を清潔に」とはとても言えません。

それでも誰もが懸命に生きています。

「乳児用液体ミルク」は、水もお湯も要らずに、赤ちゃんに飲ませることができます。もしかしたら、「乳児用液体ミルク」をご存知の方はまだまだ少ないのかもしれませんが、食べ物も十分に行き届かない中、「乳児用液体ミルク」が今回の被災地の支援物資の中に入って、赤ちゃんを助けてくれたらー、と思っています。

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

乳児用液体ミルク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。