この記事は約 8 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は2023年、甲状腺の疾患の当事者として、甲状腺機能低下症、橋本病、甲状腺機能亢進症、バセドウ病について記事を書きました。
書いていく内に、私が知らないだけで、まだ多くの甲状腺の病気があることを知りました。
今回は前回の記事では書けなかった、無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎などと、甲状腺の治療の第一人者である、専門の病院「隈病院」についてお伝えします。
無痛性甲状腺炎
無痛性甲状腺炎は何らかの原因が起こることで甲状腺の細胞が壊れ、甲状腺に貯められていた甲状腺ホルモンが血中に漏れて来ることで、一過性で甲状腺ホルモンが増加する病気です。甲状腺の細胞が壊れても痛みが生じないことから、無痛性甲状腺炎と呼ばれています。
橋本病や寛解中のバセドウ病の経過中に発症する人が多く、自己免疫が関与していると想定されています。出産後数ヵ月で発症する人も多く、その場合は「出産後甲状腺炎」とも言われています。
▽症状
①甲状腺ホルモンの量が血液中に増加した時期
疲れやすい、息切れ
暑がり
手の震え
心臓がドキドキするなど、動悸
発汗過多
食欲が増す
イライラする
軟便・下痢
ほてる
体重減少
集中力の低下
頻脈
生理不順
不眠
落ち着きがない など
②回復過程で甲状腺ホルモンの量が正常値より少なくなる時期
寒がりなど、身体の冷え
むくみ
体重増加
眠気
便秘 など
亜急性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎は甲状腺の痛みや発熱が生じ、甲状腺に炎症を引き起こす病気です。この病気は風邪を引いた後に発症する甲状腺の炎症でもあり、ウイルスが原因と想定され、遺伝も関係していると考えられています。
「亜急性」の症状は「急性」より長く持続しますが、慢性的に持続するわけではありません。男性より女性に多く、40〜50歳代の女性の多くが発症します。20歳以下の人はほとんどこの病気を発症しません。また再発は少ないですが、1%程度再発がみられます。
▽症状
首の前の辺りに腫れがある、または押すと痛みがある
全身倦怠感
手の震え
食欲が増す
痛みの場所が左右に移動する
息切れ
軟便・下痢
暑がり
あごや肩、耳の辺りに痛みがある
疲れやすい
イライラする
月経不順
落ち着きがない
頻脈
体重減少
食欲不振
発熱
動悸
筋肉痛
多汗
不眠 など
甲状腺中毒症
「甲状腺中毒症」とは血中の甲状腺ホルモンの働きが過剰になる状態を言います。代謝が活発になり暑がりや汗が多くなります。エネルギーが無駄に消費されてしまうため食事の量は増えますがやせてきたりします。神経にも作用して手のふるえやいらいら、下痢など体の様々なところに症状は出現します。
甲状腺眼症
バセドウ病に合併することが多いです。ものが二重に見える複視、眼球の後ろにある組織が肥大することで起こる眼球突出、充血などの症状があります。症状や診察でのスコア、MRI検査所見、血液でのTSAb抗体などで診断および治療の必要性を検討します。この場合も、浜松か大学病院と緊密に連携しながら治療を行います。
甲状腺治療のスペシャリスト、兵庫県神戸市にある「隈病院」
兵庫県神戸市中央区の花隈にある甲状腺専門病院「隈病院」。甲状腺疾患に関連する多くの発表論文の数で世界3位になった経緯があったり、独自に掲げた治療法が広く浸透するといった、最先端の甲状腺の研究は海外からも注目が注がれています。2022年12月27日は開院から90年の節目でした。病床数58床と決して大きい病院ではない地域密着型の「隈病院」が、「クマホスピタル」の名で世界を轟かす様になったのはなぜでしょうか?
「隈病院」の歴史は1932年、長崎県出身の隈鎮雄氏が開業したことから始まりました。当時はまだほとんど知られてこなかった甲状腺の病気「バセドウ病」を診療項目に追加するなど、甲状腺の研究の先頭を走って来ました。
「隈病院」の名を国内外に浸透させたのが当時3代目の院長だった宮内昭さんでした。1993年に研究成果を公表した「甲状腺微小がんの積極的経過観察」は、その後の甲状腺の治療法を抜本的に転換させた画期的な成果でした。
その当時の宮内さんは甲状腺腫瘍を診断する際に診察する「細胞診」を研究し、たった3ミリほどの小さながんでも早期に見分けることができる技術を持っていました。「見つかれば小さながんでも、大小構わず手術で取る」ことが多くあった時代でした。ですが、次第に「見分けることもせず、やり過ぎではないか」との疑問を抱く様になりました。
小さな甲状腺がんであっても全部が増大、進行していくわけではありません。その上に、甲状腺の切除手術には声帯まひや副甲状腺の機能低下などの後遺症も伴ってしまいます。宮内さんは「かなり小さいがんに関してはまず経過観察を進め、切除する必要がある時だけ手術を行うべきだ」と掲げていました。
「隈病院」内でもその目的に躊躇する医師もいましたが、検証が加速するにつれ次第にその研究も認知されていきました。7年前には、世界的な権威を持つアメリカの甲状腺学会が診療のガイドラインに「隈病院」のプランを採用しました。国内の学会も現在は「隈病院」のプランを推奨しています。
もう1つ、宮内さんの名が世界に浸透したのが情報発信でした。2001年に院長に就任すると、今までの診療で得た知見を社会に還元させることこそ「専門病院における責務」と掲げ、甲状腺の症例データなどを積極的に論文発表する様に、常勤医に発信しました。
2006~2016年に「隈病院」より発表された甲状腺疾患に関連する論文は153件と、その前の10年間から数を倍増させました。医療機関別では、大学病院などが世界トップ10に多く名を連ねる中でも、2015年には「隈病院」が3位にランクインと健闘しました。現在では毎年およそ18万人の外来患者の中で3分の1が兵庫県外からの患者となり、「クマホスピタル」の名を発表した論文などで耳にした海外の患者も通院しています。
参考:「クマホスピタル」ここにあり 神戸の小さな地域病院が世界をリード 最先端の甲状腺医療を提唱 神戸新聞NEXT(2022年)
「隈病院」は開院から90年経過しました。以前はバセドウ病でも甲状腺の部位を全部切除する外科的な治療が主流でしたが、今の治療では薬物による内科的治療、放射性物質での治療が一般的となってきました。甲状腺治療の先頭を走り続けている「隈病院」では2022年春、4代目院長に就任した男性は「隈病院」で初の内科出身院長となりました。
院長の男性は「甲状腺の病気は特に女性が発症することが多い病気となり、悪化すると日々の暮らしも困難となります。患者様のメンタルケアにも力を入れ、一人一人に適した治療を行う『全人的医療』の伝統を継承したい」と述べました。
私と甲状腺。
私の病気は以前書きましたが、甲状腺機能低下症です。今回の記事で紹介した甲状腺の病気には脱毛はないみたいですが、私の発症した甲状腺の病気では髪や眉毛が抜けました。髪も抜けてから年齢的なもの以外でも、20代の頃から髪が常にボリュームがなくてぺったんこです。
私は20歳の時からずっと通っている美容院があるのですが、そこで髪の悩みを話すと店長の男性から「○ちゃん、これ知ってる?このブランドのシャンプーとか何年も前から置いてあったんだけど、今これリピーター多くて、週に5本ずつ置いても毎週完売するし、夫婦で使っていますとか、まとめ買いする人も多くてね。僕も使っているんだけど、確かに髪にコシが出た感じがするかな」と勧められました。
このお店は私はこの美容院以外行き出してから他には行ったことないのですが、髪に良いものを多く販売している感じもあって、値段を観たら、1本3300円…。いつもノンシリコンの市販のものしか使っていないので、かなり高い気がします。
でも「髪にコシが出て来た」と言われて、使いたいなって気持ちはあります。今年の目標はこのシャンプーとコンディショナーを年内に買うことです。もし使って、私の髪の悩みが少しでも減るなら嬉しいなと思っています。
関連記事
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す