「何をされるかわからない」「資産価値がゼロになる」障がい者グループホームに猛反対する住民の声とは? 

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こんにちは、ゆたです。

私が統合失調症になってから10年の月日が流れました。

嫌なことも良かったこともたくさんの思い出があります。

ただ、どれだけ嫌なことがあっても、私の障がいをバカにしたり、差別する人はほとんどいませんでした。

そもそも信頼する人物にしか打ち明けていないですが、たまに関係性があまりない人にも伝わったりします。

その時は大概、気まずい空気になるか、いじられるかの二択でしたので、大した問題はありませんでした。

なので、それが世間の反応かなって勝手に思い込んでいました。

今回紹介しますとある出来事は、世間の冷たさ、障がい者に対する風当たりについて今一度考えるきっかけになり得ます。

あまり気持ちの良い話題ではありませんが、是非、一緒に考えて頂ければ幸いです。

「施設の開設はやらせない!」住民の怒りの声とは?

指摘

「なぜ住民の感情に配慮しないのか!」

「町内会の全員が賛成しなければ、(施設の開設)やらせない!」

神奈川県横浜市金沢区の集会で住民の一人が捲し立てるように放った言葉です。

町内で開設目前に迫った知的障がい者向けのグループホームへの猛抗議が始まりました。

住民たちのあまりの剣幕に運営側も恐怖を感じて、間もなく開設を中止したというのです。

これだけでは情報があまりにも少ないと思いますので、一つ一つ解説していきますね。

まず、グループホームを開設にあたり、大半の住民は好意的な反応を示していました。

グループホームの運営会社の担当者さんを町内会の役員さんが入居者と良好な関係を築いていきたいと考えて、役員会に招きました。

地域と人、そしてグルーホームが手を取り合い良好な関係を築いていこう、そういった前向きな会議の途中、役員ではない住民が突然現れて、怒声をあげ始めたというのです。

このグループホームでは、作業所などに通う知的障がい者6人が、スタッフの支援を受けながら暮らす予定だったそうです。

実を言うと住民に対して、概要は知らされていなかったようなのです。

なので、グループホームができるとは知っていた人もいたかと思いますが、知的障がい者が暮らすことは周知していなかったといいます。

ただ、これには理由があります。

まず、大前提としてグループホームやケアホームは迷惑施設ではなく住宅です。

そして、障害者差別解消法の附帯決議でも「国及び地方公共団体において、グループホームやケアホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して周辺住民の同意を求めないことを徹底する」とされています。

理由としては同意を求めること自体が障がい者差別になるからだそうです。

なので、住民に対し、グループホーム施設を開設する際、許可を取ることが差別になってしまうので、許可を求める行為をしてはいけません。

ですが、完成間近になると、噂や情報はどこからか流れてきます。

住民たちも「町内に障がい者のグループホームができる」と噂を聞き、役員会で怒声を荒げたのではないでしょうか。

参考:【横浜】「殺され損だ」「何をされるか」「資産価値がゼロになる」…障害者グループホームに猛反対する「ごく普通の住民たち」のおかしな言い分

その後も。

その後も住民たちはグループホームやそれらの施設に対し、様々な方法で自分たちの声を訴えていきます。

住民たちは30本を超える黄色い幟旗を各戸の塀に括り付け、旗には「地域住民の安全を守れ」「子どもたちの安全を守れ」などの文字が記されていたと言います。この地域で近く完成するグループホームの入居者に向けた露骨なヘイトメッセージが書かれていたそうです。

このように住民たちの反発が相次いでいるため、中止になったり延期になったりとなかなか上手く進まないという事態に陥ります。

慣れない土地で暮らす障がい者にとって、住民たちの暖かい支援は必要不可欠だと思います。

このような状態ではグループホームの開設は難しいでしょう。

住民たちの声の真意

それではなぜ、グループホームに対して、ここまで過激な行動をとってしまうのでしょうか?

それは、障がい者に対しての差別意識ではないか、と思います。

幟旗に書かれていた「地域住民の安全を守れ」とか「子どもたちの安全を守れ」と言うのは知的障がい者、いや、それ以外も含めた多くの障がい者に対し、危険視しているのではないでしょうか。

平たく言えば、犯罪行為をしてしまいそうな奴らだ、と思っているのです。

私としては言わんとしていることはわかります。

ニュースなどで事件を起こした時に、精神的な疾患があったので無罪、なんて文言が多く見られており、障がい者は犯罪を犯してしまいそうというイメージが定着しています。

それに加え、無罪になる。そんな人たちを家の近くに住まわせるのは住民だって反発してしまいます。

私は住民に対し、差別するな! と言うつもりはありません。

ただ、今グループホームで暮らそうとしている方々は、本当に犯罪を犯すような人たちなのかをしっかり判断してほしいのです。

知的障がい者であろうと私のような精神障害者であろうと、多くの人たちは犯罪を犯すつもりはさらさらありません。

もし機会があれば、グループホームやその利用者とコミュニケーションをとってみるのはいかがでしょうか?

もしかすると、偏見だったり、思い込みの部分があるのかも知れません。

グループホームで暮らす多くの人たちは不安でいっぱいです。

先ほども言ったように住民たちの温かい支援は必須です。

障がいの有無ですぐに危険視するのではなく、障がい者であろうと人なので実際のコミュニケーションの中で判断して頂けると、大変助かります。

終わりに。

正直、住民たちの不安な思いというのは、理解できます。

一部ではありますが、障がいを抱え、それが主な原因で犯罪行為に走った人や事実無罪になった人もいます。

ただ、それは障がいの有無に関わらずありました。

健常者でも犯罪を犯し、無罪になった人もいますし、障がいがある=犯罪者になりやすいというわけではありません。

これに関しては私たち障がい者も障がいはあれど一生懸命生きているというアピールをしていく必要がありますし、健常者や住民の方々も耳を傾けてもらう必要があります。

お互いがお互いに寄り添う姿勢がなくては上手くいかないのではないかと思います。

人間という生き物はカテゴリーに当てはめようとしてしまいがちです。

女だからこうすべきとか障がい者だからこうあるべきだ、とか自分の尺度で決めつけてしまいます。

しかし、それはいずれ反発を生み、自分自身や大切な人たちを生きづらくさせてしまう原因にもなり得ます。

なので、色んな人たちと触れ合い、心を豊かにして、大きな尺度と余裕がある人間になれれば、きっと、偏見や決めつけは少なくなると思いますし、少なくとも私はそんな人がかっこいいなと思います。

私も理解が及ばないことや心のどこかでそれは違う! と周りを否定したりしてしまいます。これから記事を書く人間としても、もっともっと、大きな視野で物事を計れる努力をしていきます。

話は外れてしまいましたが、結論として、障がい者=犯罪者というのは早計かも知れないが、住民や健常者がそういった感覚を持ってしまうことについては障がい者である私も理解できるので、私は安全な人間だとアピールしていく必要がある、ということです。

障がい者側から一方的に信用して欲しいというのはあまりにも都合が良い気がしてしまいます。

なので、こちら側も信頼されるような行動を取り、社会にできるだけ適応することが必要だと思います。

少し私的な考えが強い記事になってしまいましたが、これは障がい者である私がいうことに意味があると思ったので、包み隠さず話しをさせていただきました。

私の意見に賛同することが難しい人もたくさんいると思います。大前提、私の意見が正しいとか、誤っているとか、そんな尺度で話すつもりは毛頭ありません。

ただ、お互いが寄り添う気持ちを持つことで、もしかしたらこういった争いごとが減るかも知れない、と思っている自分がいます。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございます、今回はここまでです。

誰かの何かを考えるきっかけになれれば幸いです。以上お相手はゆたでした。

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