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こんにちは、翼祈(たすき)です。
以前アメリカで、2023年5月に、高齢者向けのRSウイルス用のRSVワクチンが正式に承認されたという記事を書きました。あの当時日本では、承認中で、まだ打てませんでした。
それから4ヵ月近く経った2023年8月に、日本でも高齢者向けのRSVワクチンの正式承認が決まりました!
2023年8月28日夜、高齢者や子どもが感染すると、重い肺炎を発症することもある、RSウイルスのRSVワクチンに関して、厚生労働省の専門家部会は、60歳以上の高齢者を対象に使用を認めることを正式に了承しました。
厚生労働省の担当者は「準備が整えば速やかに高齢者用のRSVワクチンを承認する」と説明しています。これから、厚生労働省の正式な承認を経て、RSウイルスのRSVワクチンの製造・販売が日本で初めて可能となります。
今回は日本で初めてのRSVワクチンの承認と、そのワクチンの効果を確かめた治験についてお話します。
高齢者用のRSVワクチン、効果はどれ位?
先日の厚生労働省の専門家部会で正式に了承されたのは、イギリスの大手製薬会社である、グラクソ・スミスクライン(GSK)社が開発した、RSウイルスのRSVワクチン「アレックスビー」です。開発されたRSウイルスのワクチンは、RSVの一部をベースに製造された、組み換えタンパクワクチンと呼ばれるタイプのワクチンとなります。
RSウイルスは、鼻水や発熱などの風邪の様な症状が数日続きます。ほとんどの場合は軽症ですが、乳児や新生児、高齢者の場合、肺炎を発症し重症化することもあります。
2歳までにほとんど子ども全員が発症し、何度も感染や発症を繰り返していきます。
日本で承認されたRSVワクチンはまだありませんでした。
今回正式に了承されたRSVワクチンは、RSウイルスの発症や重症化を予防することに期待が持たれています。
今回RSVワクチンを開発したグラクソ・スミスクラインによりますと、17ヵ国のおよそ2万5千人が参加した国際的な治験では、RSVワクチンを接種した人で、肺炎などの重い病気の発症が94.1%まで減少し、軽い症状も含めた全体的なRSVワクチンの有効性は82.6%となりました。副反応は注射部位の痛みや筋肉痛、疲労、頭痛が多く見受けられました。
2022年10月にグラクソ・スミスクラインが厚生労働省に承認申請を行い、2023年8月28日夜に開かれた厚生労働省の専門家部会は、このRSVワクチンの有効性の確認が取れ、安全性にも重大な懸念はないということで、日本でも使用を認めることを正式に了承しました。
参考:RSウイルス感染症のワクチン 日本国内初承認へ 対象は60歳以上 NHK NEWS WEB(2023年)
高齢者のRSウイルスが専門の宮城県塩釜市にある坂総合病院の副院長の男性によれば、高齢者では、RSウイルスに感染して亡くなるケースもある以外にも、重症化したことをきっかけで食事を取りにくくなったり、寝たきりになるケースも少なくないといいます。
日本では新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行した2023年5月頃から、RSウイルスに感染する人が増加しています。
高齢者でのRSウイルスの流行状況に関しての詳細なデータはありませんが、介護施設や地域などで拡大する場合が多いとみられます。
今回、RSVワクチンの承認申請をしたグラクソ・スミスクラインなどの研究グループの推計によれば、日本でRSウイルスに感染して入院する60歳以上の人は、毎年約6万3000人、入院して亡くなる人は約4500人とされています。
呼吸器の疾患は増えている
まず始めに高齢者用のRSVワクチンを正式承認したアメリカでは、RSウイルスだけではなく、コロナやインフルエンザなどの呼吸器系の感染症が、高齢者の間でも増えていると、ニュースで言っていました。
日本でも呼吸器系の感染症は増えています。特にインフルエンザは、A型とB型、両方の型に同時にかかる人も最近では多く、1医療機関当たりの感染者も、40人に迫るスピードで、大流行しています。
それ以外にも色んな感染症が流行っています。今回の高齢者向けのRSVワクチンは、60歳以上の高齢者に対応だといいますが、最近の流行を省みると、両親にRSVワクチンを接種できるなら、受けさせるべきだなと、この記事を書いて思いました。
皆さんも、これからますます冷え込み、人の数が多くなる時期も迎えます。人混みを避けて、とは出勤とか通学もありますし、簡単には言えませんが、身体をご自愛して頂きたいです。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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