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こんにちは、翼祈(たすき)です。
神奈川県藤沢市に介護事業所「あおいけあ」という、若者と高齢者のシェアハウスがあり、入居者の高齢者の女性2人には「何でも話せる友達。くだらない話でも聞いてくれる」と口を揃え、若者の男性2人も「実家にいるみたいで気持ちがリラックスする」「同世代で話す時より使う言葉が柔らかくなる」と笑顔を見せます。買い物に付き合ったり、料理を教えて頂いたり、ここでの関係は家族同然です。
また、2022年8月より見守りサービス付き高齢者向け住宅へ、「昼間も職員常駐なし」を国が容認したり、埼玉県さいたま市には地域の人の交流の場となっている空き家改修カフェ「コンドウカフェ」も2022年春よりオープンされています。
今回は社会とその地域に暮らす人々に関連する、シェアハウス、見守りサービス付き高齢者向け住宅、空き家改修カフェをご紹介致します。
若者と高齢者がシェアハウス、声がけが保つ重要性
若い人は通学・出社時に入居者の高齢者に「行ってきます」と声がけすれば家賃が半額になるー。こんなシェアハウスが、神奈川県藤沢市に産声を上げました。発案したのは小規模多機能型居宅介護などのサービスをしている介護事業所「あおいけあ」代表の男性。世代を超えてみんなで気を配り、支え合っていくそんな居場所づくりや地域へ根ざしていくことが狙いです。
「北海道は本当に魚も野菜も牛乳も全部美味しいよね」「でも冬は寒さが厳しくて大変よね」。2022年5月下旬の早朝、2階建てシェアハウス「ノビシロハウス亀井野」にある別棟2階のテラスで、高齢者と若い人が1階に佇むカフェで購入したコーヒーを飲みながら、わいわいと会話が弾んでいました。
このお茶会を企画したのは、このシェアハウスに入居する会社員の男性と大学2年の男性の2人です。同じくこのシェアハウスの入居者である70代と80代の女性2人が参加し、会社員の男性の友人の北海道のお土産をみんなで食べながら、それぞれが生まれた地元などの話題で約1時間の楽しい会話が弾みました。
こちらのシェアハウス入居者同士の「支え合い」の基盤が日常的に行われています。例を挙げると、会社員の男性は出社の時に、買い物をする用事のある入居者の女性を駅まで同伴します。大学2年生の男性は入居者の女性に晩ご飯のおかずをよそおって貰いながら、料理を教えて頂いたりもしています。
シェアハウスは約20平方mのワンルームで各階に四戸あります。当初は2004年に学生向けに建設されましたが、学生数の減少などに伴い空いた部屋が急増。地元銀行が介護事業所「あおいけあ」の代表の男性に建物の購入を提案したのがきっかけとなりました。
介護事業所「あおいけあ」代表の男性は、孤独死や認知症を懸念が持たれ入居出来ない単身高齢者が多いと耳にし、「若い世代から高齢者まで誰でも住めるシェアハウスに」と、2019年からリニューアル案を具現化しました。アパートを引き取り、1階の四戸は車椅子でも入居可能にするため建物をバリアフリー化しました。
2階の二戸は若い世代向けです。家賃月7万円は周辺の入居出来る場所より相場よりやや高い傾向ですが、月7万円の家賃を半額にする絶対条件は「朝、シェアハウスを離れるときに1階の高齢者に『行ってきます』と声がけする」と「毎月に1回入居者同士ののお茶会を催す」。2021年4月から順次、若い世代の入居がスタートしました。
参考:ノビシロハウス亀井野
介護事業所「あおいけあ」代表の男性によれば、高齢者が一方的に若い世代が支えるだけの存在に陥らない様に働き先も準備します。カフェで焙煎したコーヒーのシール貼りをしたり、向かいの保育所にお子さんを送迎に来た親御さんがシェアハウス併設のコインランドリーに洗濯物を洗濯すると、高齢者がお子さんを迎えに来るまで洗濯物をにたたんでおく「家事代行」も随時計画中です。「介護の『ケア』は英語に直すと気にかけるという意味が含まれています。地域の住民が相互に気にかけ出来る様な街づくりをしたい」。
若い世代が高齢世帯の沢山いる集合住宅で生活して地域活性化を盛り込む事業や、高齢者と若い世代がシェアハウスで生活する取り組みも日本全国で拡大しています。
国が見守りサービス付き高齢者向け住宅へ、「日中も職員常駐なし」容認
国土交通省では、日本各地で約27万人が生活する見守りサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に関して、緊急通報装置の完備などを絶対条件とし、「社員の常駐は必要ない」ことを容認する方針にする予定です。
現法律では夜間帯のみ社員の常駐の必要性が認められていますが、昼間の社員の常駐の必要のない方針へと拡大されます。2022年8月にも、早期に社員の配置基準を緩くする改正省令を施行する方向で固めます。
改正高齢者住まい法に定められている現行の見守りサービス付き高齢者住宅について、経営する事業者には、入居内か、500メートル以内の建物に、看護師などの常駐する決まりを義務づけられています。しかし、全個室に緊急通報装置を完備している事例を除き、夜間帯(17時から翌日の午前9時など)のみ常駐の必要はありません。
社員の常駐基準の緩くした後は、緊急通報装置を必ず完備し、事業者に対して「入居している高齢者の介護状態を考慮しても支障が起こらない」と判断を下し高齢者の同意を獲得出来れば、広間も社員を常駐させる必要はありません。その際には、事業者は1日に1回、電話、見守りセンサー、訪問などで高齢者の状況を把握していなくてはいけません。
国土交通省では「昼間の社員の常駐の必要なし」を認可することで、社員の担い手不足の緩和が出来るとしています。しかし「昼間の社員の常駐の必要なし」の見守りサービス付き高齢者住宅が増加すれば、事故などの繋がる危険度が深まるとの懸念が生じてます。
参考:見守り付き高齢者住宅、国交省が「日中も職員常駐なし」容認へ…要介護者の事故懸念も 読売新聞(2022年)
地域に根づいた、空き家改修カフェ「コンドウカフェ」
埼玉県さいたま市緑区三室にある住宅街に2022年春、「コンドウハウス」という不思議な家がオープンしました。築60年の民家を改修したカフェですが、ただの飲食店ではありません。運営するNPO法人「新しい住まい方研究所」の男性が目指すのは、この家を「地域の人たちの居場所」にすることで、「可能な限りお金をかけずに、豊かに生きる方法を模索する拠点にしたいです」と夢を膨らませていました。
「コンドウハウス」は閑静な住宅街にあって、看板がなければ通り過ぎてしまいそうな木造住宅です。メニューは本格派タイ料理のランチに、こだわりの焙煎コーヒー、埼玉県内の茶葉専門店から仕入れた22種類のお茶、…。水曜から土曜まで週4回カフェをオープンし、近所のお年寄りも立ち寄るようになりました。
男性は「『コンドウカフェ』は人に集まってもらうための入り口」といい、週末は寄付された食材を活用し、子ども食堂を開いています。2022年6月には発達障害を抱えている子ども達をサポートするための講座を開講しました。高齢者の暮らし全般の相談ができるサロンや、介護をする人が一息ついて悩みを分かち合う「介護者カフェ」の開催も企画しています。
参考:KondoCoffeeSutand(コンドウコーヒースタンド) ちょこたび埼玉
高齢のご両親に保証人をお願いが出来なくなった中高年層、障害を抱える人やひとり親家庭など、賃貸物件を借りるのが困難な人がいます。一方で高齢化による空き家の急増は深刻な問題で、両者を結び付けることも「コンドウハウス」では模索しています。
夢は「『コンドウハウス』において、地域に住む人が住まいと安心が保障される居場所、食べ物や仕事があり、他の人との朗らかな結び付きの中でライフスタイルを送れる枠組みを導入すること。壮大すぎる夢だと思いますが…」とNPO法人「新しい住まい方研究所」の男性はこの様に言います。
「コンドウハウス」はその壮大な夢への第一歩。「『コンドウハウス』をベースとし、私たち以外の専門家や実践者とも連携を保ち、個別の問題に対して知恵を出し合って解決に向かう方向性を基盤にしたい」とも話しています。
社会とのつながりはとても大事だから、
私は引きこもりの時は本当に誰とも交流もせず、孤独でしたね。誰とも話さず、でもそれが怖いとか感じず、慣れてしまって、何かこの空間が1番楽だとか安心感があったかと思います。
今は関係性はもうないですが、前のA型を辞める前TANOSHIKAに入社する時の主治医の先生に言われたのが、「どうしてもここを辞めるの?行きたい会社では採用されるという保証はないよ。それでもどうしても働きたいの?先生は、貴方がここを辞めて、上手くいけば良いけど、もし採用が見送られた時、働いているからこそある社会とのつながりが完全に無くなって、また引きこもりに戻るんじゃないってことを心配しているよ」と言われました。
それでも「私は昔から文章を書いて来ましたし、TANOSHIKAは私の発達障害の特性に絶対に当てはまると思っているので、どうしてもここで働きたいと思っています‼︎」と声を上げて、当時の主治医も納得してくれて、今こうしてTANOSHIKAでライターとして働いています。
今はTANOSHIKAで働けて、毎日喜びを爆発させて記事を書いています。もう引きこもりで社会と繋がりがなかった私はいません。この記事に出て来る3つも、そんな社会とのつながりを残す、大事なツールです。人って家族以外、絶対他に居場所はいると思うんですよ。そういう居場所がこの3つなんじゃないでしょうか?
noteでも書いています。よければ読んでください。
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