カレーライスと地球 〜家族の肖像〜

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「また、カレー。うまいからいいけど。」

年頃の息子は軽くため息をついた。

 

この広い宇宙、太陽系第三惑星地球。極東日本。九州福岡。

あなたと私が一緒にカレーを食べている奇跡を、

「また、カレー」とは何事であるか。しかし、

肉じゃがに、カレー粉ぶち込めばカレーである。

どこの家庭でも、食卓はいつもデジャブ〜。

「また、カレー」これこそが家庭料理の真髄と呼んで欲しいものだ。

 

「また、カレー。まずいんだよ、俺は食わん」

パートナーは上着をハンガーにかけた。

 

この広い世界の中で、俺の子供産みたい人手をあげてー。

何万人の女性が、はいはーいと手を挙げ、ジャンケン大会で

見事勝ち抜いたのが私だった。

ならば話は分かるが、地球上何十億人という女性の中で、私だけが、

はーい。と挙手したのだから、神棚に入れて祀って欲しいものである

「俺には選択権がなかった」

パートナーは冷蔵庫から木綿豆腐を取り出し、ビールを開けた。

 

「私は赤の他人だけど、(息子)さんは、一応血が繋がってるから、

食費考えてカレー食べろよ、このバカって言ってもらえないかしら?」

「母さん、なんで赤の他人なんだよ、僕がこの家出てったら、こいつ

と2人きりなんだぞ。サイコな発想はやめてくれ」(もぐもぐ)

「どこがサイコさんよ、あなたポケモンするじゃないの、あんな、

動物虐待のゲームを優しい顔して解いてく方がよっぽど違和感あるわよ」

「友情と冒険の物語にケチつけないでよ、20年のロングセラーだよ」

「なぁにがピカチュウに30ポイントのダメージ!よ、30ccの流血!でしょ」

「世界観がファンタジーなの。回復魔法もあるんだよ!」(もぐもぐ)

「なぁにが回復魔法よピカチュウに30ccの点滴!の間違いじゃないの」

 

「父さん!任天堂のために、カレー食べてよ!」



地球は回る 君をのせて

いつかきっと出会う 僕らをのせて〜♪

カレー

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