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はじめに
メンタル不調で仕事を退職してしまったとき、あなたはどのようにしてリワークしますか?
わたくし、どんはれが体験した、自立訓練(生活訓練)と、現在通っている就労継続支援A型事業所についてご紹介してみようと思います。
退院後の生活
精神科病院での入院が思いのほか、長期になってしまい、退院後の体力に自信がなく、自立訓練(生活訓練)を受けることを決めました。病院のソーシャルワーカーさんに相談して、紹介して頂きました。そこで、1年間産業カウンセラーさんの下で就業訓練を受けながら、体力づくりをし、今はA型事業所で障害年金をもらいながら働いています。
自立訓練(生活訓練)とは、
自立訓練(生活訓練)
障害者につき、障害者支援施設若しくは障害福祉サービス事業所に通わせて当該障害者支援施設若しくは障害福祉サービス事業所において、又は当該障害者の居宅を訪問して、入浴、排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援を行います。
【対象者】
地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上等のため、一定の支援が必要な障害者。具体的には次のような例が挙げられます。
(1) 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行を図る上で、生活能力の維持・向上などの支援が必要な者
(2) 特別支援学校を卒業した者、継続した通院により症状が安定している者等であって、地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上などの支援が必要な者 等
上記のように書かれているので、いわゆるADL(日常生活動作)が自立していない人が対象に思われるかもしれませんが、そんなことはなく、事業所によっては、ADLが自立している人でも利用できます。ADLが自立できていない身体障害者の方は、機能訓練を受ける方が多いです。
私が通った生活訓練の事業所は、知的な障害を持った方もいらっしゃいましたが、うつ病で仕事を辞めてしまった元教師の方など、幅広く対応していました。家に引きこもりがちな方も対象になっているので詳しくは個々の事業所のホームページで確認してみると良いと思います。
福祉・保健・医療情報 – WAM NET(ワムネット)で検索してみて、自分に適切なサービスを受けられる事業所を探すのも一つのやり方です。
私が通っていた事業所には、書道やピラティス、パソコンなどのカリキュラムがあり、集中力と体力を取り戻すことができました。
また、就労支援も行っており、履歴書の書き方、ビジネスマナー、面接練習、就職後のフォローアップまでサポートして頂きました。
仕事から遠ざかっていたので、仕事の勘を取り戻すことができます。
その後、一般就労も考えましたが、まだメンタルが不安定なところがあり、不安だったので就労継続支援A型事業所で働くことにしました。
利用するには
1.病院を受診する。
利用するには障害福祉サービス受給者証が必要になります。
受給者証を申請するためには、医師の「意見書」や、「診断書」が求められます。
私は、入院先の主治医に「意見書」を書いてもらいました。
2.事業所を決める。
まずは通いたい事業所を探します。私の場合、入院していた病院のソーシャルワーカーさんの紹介で生活訓練をやっている事業所を教えて頂きました。
事業所によって受けられるプログラムが違うので、事前にどんな訓練を受けたいか決めておくことをおすすめします。利用できる期間、年齢、種類も違うので事前に調べておく必要があります。
市町村の障がい保健福祉窓口に相談したり、障害福祉サービス等情報検索で探してみましょう。
ある程度、目星がついたら体験会に参加してみましょう。
3.障害福祉サービス受給者証の申請
- 私は、利用したい日時がある程度決まったら、市役所の障害福祉課などの窓口に、生活訓練を利用したいことや、利用する事業所名を伝え、申請しました。
- ここで必要な書類を提出します。必要な書類は各自治体によって違うので事前に確認することをおすすめします。
- 「障害者手帳」や「自立支援医療受給者証」、病院の「診断書」や「意見書」などの書類が必要になります。ただし、障害者手帳を持っていなくても利用できることもあります。
4.利用計画を作成する。
私は、入院先のソーシャルワーカーさんに相談支援事業所を紹介してもらいました。その相談支援事業所の支援員さんに計画書を作成してもらいました。
他には、セルフプランと言い、自分で計画書を作成することもできます。
5.障害福祉サービス受給者証の受け取り
申請が受理されると、市役所などの自治体で認定会議が開かれます。そこで、サービスを支給するかどうか審査されます。
自治体によっては利用区分が指定されます。
支給が決定したら、本人に連絡がきます。
私の場合、受給者証は支給決定から1~2週間後に郵送で自宅に届きました。
自治体によっては、暫定支給期間を設けているところもあります。例えば、最初の2カ月は暫定で利用し、期間が終了することに生活訓練の事業所が自治体に報告書を提出します。
自治体が、引き続きサービスを受けることで目的を達成するために効果が期待できそうだと認められたら、継続してサービスを受けることが出来ます。
私の場合、暫定期間はありませんでした。
- 受給者証のサービス支給決定の期間は基本、1年間です。3か月後に相談支援事業所からモニタリングを受けました。その後6ヶ月ごとにモニタリングを受けることになります。
利用負担額は前年度の年収によって上限が決まります。
ほとんどの方が実質0円で利用しています。私も0円でした。
6.利用契約を行う
- 「受給者証」が発行されたら、利用する生活訓練の事業所と契約します。
- 受給者証を持っていき、契約のときに重要事項の説明を受け、書類にサインをすると契約が完了します。
- 利用開始日もこの時に確定します。
7.利用開始
- 利用開始後は、「計画書(サービス等利用計画)」等を参考に、生活訓練の事業所の職員が個別支援計画を作成します。
- この計画をもとに、職員の支援を受けながら自分自身の課題に取り組んでいきます。
- 計画相談支援を受けている場合は、定期的に計画相談支援の支援員さんとのモニタリングを行い、支援が順調に行われているかを確認します。
就労継続支援A型事業所とは、
事業概要
通常の事業所に雇用されることが困難であり、 雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、 雇用契約の締結等による就労の機会の提供及 び生産活動の機会の提供その他の就労に必要 な知識及び能力の向上のために必要な訓練そ の他の必要な支援を行う。
利用期間 制限なし。
対象者
① 就労移行支援事業を利用したが、企業等の 雇用に結びつかなかった者 ② 特別支援学校を卒業して就職活動を行った が、企業等の雇用に結びつかなかった者 ③ 企業等を離職した者等就労経験のある者で、 現に雇用関係の状態にない者
各事業所の情報は、それぞれの自治体の障害福祉課の窓口やハローワークで公開され、知ることができます。
私はハローワークで今通っているA型事業所を見つけました。
その後、見学と体験を経て、面接を受けることを決めました。
A型作業所の面接
ハローワークから紹介状を発行してもらい、履歴書等を用意しました。
面接は、日々の生活の過ごし方の聞き取りや、障害についてどのような配慮が必要なのか、また、現在の健康状態に関することなどが聞かれます。
ただ、福祉サービスだからといって、必ず採用されるとは限りません。
作業所で共にメンバーとして働けるかの適性も見られるので、面接には誠実な態度で臨みましょう。
A型事業所を利用するにも、障害福祉サービス受給者証が必要になります。先述した手順で手続きしてみてください。
一般就労に向けて
生活訓練からスモールステップで生活を立て直し、今は、A型事業所に通っています。
A型事業所では、こうしてライターとして活動しています。日々、パソコンを用いて仕事をしているのでパソコン技術が向上しています。将来は、社会福祉士の資格を活かした職業につこうと模索中です。
この記事を最後まで読んでくださった方で、今、メンタル不調で悩まれている方は、生活訓練や、A型事業所、B型事業所、職業移行支援など、さまざまなサービスが受けられます。
ぜひ、ご自分でも調べてみて、自分にあったサービスを見つけてリワークしてみてください。
参考サイト
自立訓練(生活訓練)とは自立に向けたソーシャルスキルを身に付ける障害福祉サービス
就労支援サービスの受給者証って?どこで申請できるの?取得手続きをわかりやすく説明します | LITALICO仕事ナビ
A型・B型の作業所で働くには?ご家族にも知ってほしい大切なこと – ぎふ就労支援センター 岐阜市指定障害福祉サービス就労継続支援A型事業所
noteでも書いています。よかったら、読んでみてください。
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