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こんにちは、翼祈(たすき)です。
じっとしていられなかったり、大声を出す子は、なかなか写真が撮りにくいといいます。
「記憶は曖昧でも、写真一枚でその時の気持ちや空気感、体温まで思い出せる。愛し、愛されている家族の日常を是非、形に残して欲しい」と、障害を持つ子ども達を撮り続けるボランティア団体『muikku』が、福岡県北九州市にあります。
今回はそんな『muikku』の取り組みと、神奈川県横浜市で同じく障害児を撮り続けているフォトグラファーの女性についてご紹介します。
muikkuとは?
わたしたちは、障害をもつ方やお子さんの家族写真を撮影するボランティアです。
muikkuは、フィンランド語で
「ハイチーズ !!」の掛け声です。
そして、ムク、無垢と掛けて。
まじりっ気のない、すなおな気もちで。
ご家族のありのままを切りとります。
日日是好日。
まいにちがかけがえのないイチニチ。
すべてがかけがえのないイノチ。
ご家族のたいせつな思い出。
muikkuと一緒に。
画像・引用:muikku Ameba Ownd
公式Instagram
https://www.instagram.com/muikku6/
公式Facebook
https://www.facebook.com/muikku6/
muikkuを立ち上げた女性の想い
重い障害児を子育てする親は、わが子を写真に残す余裕もなくなりがちです。思い出を写真に残す手助けをしようと、福岡県北九州市在住の社会福祉士の女性が家族写真を撮影するボランティア団体を設立しました。女性自身も障害を抱える娘がいる母親の一人。家族の気持ちに「きめ細かく寄り添っていく」支援を目指し、2020年11月からボランティア団体の活動を本格化します。
2020年8月に設立した団体名は『muikku(ムイック)』。「純粋で素直な気持ちで、家族のありのままの姿を収めたくて」。女性は短大で写真を専攻し、卒業後は一時、写真店に勤務していたカメラマンでもありました。
家族写真の撮影の手助けを思い付いたのは、知り合いの難聴児の母親から七五三の写真を頼まれたのが最初のきっかけでした。
大きな車椅子が必要な医療的ケア児や、障害の特性によって落ち着く事ができなかったり大声を出したりする子どもは、なかなか写真スタジオに家族で一緒に行くことが出来ません。
わが子が生後ずっと新生児集中治療室(NICU)に入院している親御さんからは「退院して、初めて姉弟同士が対面する記念に撮って貰えたら」との声も届きました。
「同じような悩みを抱えている家族の役に立ちたい」。かつて同僚だった保育士や親たちに相談し、まずは有志5人でボランティア団体を設立しました。
撮影の依頼は、『muikku』が開設したホームページなどを介して募集します。基本的には撮って貰いたい日時や場所に、カメラマンやスタッフがその場所に足を運ぶ形です。病気や必要な配慮だけでなく「その子の呼び名や好きなもの、苦手なこと」も丁寧に聞き出し、下準備します。
詳しい申し込み方法については下記からご覧ください。
https://muikku-photo.amebaownd.com/pages/4200206/page_202009041305
参考:「寝る間もない」障害児の子育て 家族写真残したい…思いを支援(2020年10月15日配信『西日本新聞』)-障害福祉&政治・社会・平和問題ニュースサイト
主に北九州市内での撮影を想定し、北九州市外からの希望者は応相談。料金は、活動を継続していくための寄付金として1口2千円から。キャビネサイズの写真のプリントと台紙代、交通費、郵送料に充てます。
一方、横浜市にも、同様に障害児の写真を撮り続けている女性がいます。
横浜市で障害児の写真を撮り続けるフォトグラファーの女性
神奈川県横浜市内で小さな写真館を経営するフォトグラファーの女性は22年前から、ライフワークの一環で障害を抱える子供たちの笑顔を撮影しています。「子どもが障害を抱えていても幸せに暮らす家族はたくさん生活していることを多くの人に伝えたい」。
女性が、ダウン症を持つ子と家族の写真を切り取り始めたのは1998年。東京工芸大写真学科の3年生の時でした。出生前診断を取り扱う新聞記事を読み、胎児に障害があると中絶を選ぶ親がどれだけ多いかを知り、とてもショックが大きかったのがきっかけでした。
女性は幼少期は自己肯定感が低く、人と話すのが怖かったと話します。「何も話さなくても、いつも仲良くしてくれたのがダウン症の子でした。一緒に遊んでいると穏やかな気持ちになれたし、自分をそばで支えてくれる大切な存在でした。そんな子たちが…と、とてもショックでした」と振り返りました。
当時女性が住んでいた東京都中野区の療育施設に掛け合って、ダウン症の小学1年生の女の子と家族をモデルで紹介していただきました。「障害を抱えていてもたくましく生きる姿を知ってほしい」との一心でカメラを収め、個展を開催。これが女性のフォトグラファーとしての原点となりました。
参考:横浜の写真家・葛谷舞子さん 葛藤の先の笑顔を撮り続ける NHK首都圏ナビ(2021年)
女性は子供にいきなりカメラを向けることはしません。家族とコミュニケーションを取りながら「こういう時に笑うんだ、こういうことが楽しいんだ」とじっくり様子を観察する。親が楽しそうだと、子供も笑顔になりやすい。家族の一員になったつもりで作品を撮ります。
たまたま観たテレビで『muikku』が紹介されていた。
この記事を書いたきっかけは、テレビで『muikku』の活動が紹介されており、素晴らしい取り組みだと思ったからです。その『muikku』の女性は、なかなか写真撮影に慣れない子たちには、ポケモンを折り紙で作って喜ばせたりと、家族写真が撮れる様に、色んな工夫をされていました。
横浜のフォトグラファーの女性の話もいつか記事として取り上げたいと思って、温めておいた内容で、こうやってようやく記事に入れることが出来ました。
私自身も子どもの頃は障害は分からずとも落ち着きのない子で、七五三の写真でカメラマンのおじさんの「顔が怖い」と言って泣き出し、おじさんがお菓子を買って来ても泣き止まず、結局写真を撮れなかったことがあったそうです。私もそうでしたし、障害児の写真撮影は難しいと思うので、素直にこういう取り組みには尊敬しますね。もっともっとこういう取り組みが広がって欲しいですね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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