『Dr.コトー診療所』が映画化!『PICU』と共に過疎地の医療を考える

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わたしの、今年最大のイベント…
それは…

「Dr.コトー診療所」の映画化!です!!

全シリーズ視聴、Dr.コトー診療所のためだけに動画配信サービスの有料会員になっています。
人生で一番涙を流したドラマかもしれません。
医療ドラマの括りではなく、大好きなドラマの3本指にはランクイン、リピート回数は一番多いドラマです。

ドラマシリーズの終了から16年が経過しました。
もうないと思っていた続きが、まさかの映画で帰ってくるとは…
多くのコトー先生ファンは湧きあがったことでしょう。
志木那島(架空)の島民がどんな生活を送っているのか、とても楽しみにしています。

そして、今現在進行中のイベントも…
それは…

「PICU 小児集中治療室」!です!!

主演の吉沢亮さんのファンで、このドラマが決まった時も歓喜に湧きました。
今のところ、救急車で病院に搬送されて、めでたしめでたし…にはならず、覚悟して見なければいけな重い内容となっていますが、ファンとして最後まで見届けるつもりです。

この手のドラマを見るたびに、俳優さんってほんと凄いなと思わされます。

 

わたしがなぜここまで両作品に注目しているのか…
それはこの内容が、ただのフィクションではなく、現実問題であるということなのです。
過疎地であるが故の医療問題、わたしたちの心に響くものがあります。

現在ドラマを視聴している方、映画を観に行く予定がある方は、ぜひ読んで行ってみていただきたいです。

『Dr.コトー診療所』、離島の医療問題を考える

まず、志木那島(架空)に一人の医師がやってきたところから始まります。
のちにコトー先生と呼ばれるこの医師の、島へ来て最初の仕事が、患者の死亡診断書を書くことでした…。
初めて診療所を訪れたコトー先生は、医療設備が整っていないので急患が来ても手術ができないことを指摘したのですが、同僚はこう答えます。

「ここで手術をしたことはありません」
「ここでやれるだけのことをやって、あとは本土の病院へ送る…それが志木那島に来られた医師の使命だと思いますけど」
急病や緊急患者は諦めるしかないんです、ここはそういう島なんです」

このセリフには、なんとも胸を締め付けられました。
離島であるが故に、本土では助かるかもしれない救急医療を受けられないという設定のもどかしさ。

長く在住した医師もおらず、海外から医師を招いたこともある志木那島。
医者に対して期待を寄せていなかった島民から徐々に受け入れられ、コトー先生は居なくては困る医者となっていきます。

2003年にフジテレビで放送され、平均視聴率19%の大ヒットドラマとなりました。
上映を今か今かと楽しみにしている国民は多いと思います。
わたしも仕事のシフトを調整して、公開初日に映画館へ行く予定です。(笑)

『PICU』、北海道の医療問題を考える

広大な北海道に滞在中の女の子が体調不良を訴え、車で病院に向かいます。
救急車を呼んでいては逆に時間がかかる立地だったためです。
近くの病院には2時間ほどかかりました。
その病院では対応が難しいとされ、道央から道北の病院にドクターヘリで搬送されます。
しかし、道北の病院には小児専門の外科医がいないことから、札幌市内の病院へ転院されます。
ですが、その市内の病院は救急患者の受け入れはできません。

この女の子は、間に合わずに亡くなってしまいました。

それを期に、北海道にPICU(小児集中治療室)を設立する計画が進められました。
PICUとは pediatric intensive care unit の略で、小児専用のICUのことです。
北海道全域にPICUの存在を広めること、全域をカバーできるように、ドクタージェットの運用を目指すこと。
これが、ドラマのテーマになっています。

吉沢亮さん演じるしこちゃん先生の成長もそうですが、安田顕さん演じる植野先生の医療チームがどのように成長するのかもとても楽しみで、来週になるのが待ちきれません。
一方で、月曜日の夜から重い内容でつらいという視聴者も多いようですね。

若手医師不足、医師の高齢化

京都・大阪・東京では、医師の密度が高い一方、東北や北海道などの医師の密度はほとんど平均値を下回っています。
さらに同じ都道府県でも、地域による医師数の格差は大きく、人口5000人以下の町や村の医師数はほぼ増加していません。

医学部の入学定員が抑制されたことや、新臨床研修制度により、若い医師が全国的に研修先を選べるようになり、医師の都会への流動・偏在が進みました。
専門志向も高まり、条件の良い中心部の病院へ医師が集まるようになり、多くの地方の大学病院が医師不足になったとも言われています。

さらに医師の診療科が偏在していて、例えば「うちの近所には脳神経外科が多いけど、皮膚科が全然無いな~…」というような状態になっているところも少なくないとか。
実際、麻酔科や整形外科は増加もしくは変動なしの場合もあるようですが、外科や産婦人科は減少傾向にあるようです。
特に救急や小児救急、周産期医療などでは医療訴訟が起きやすく、トラブル回避のために特定の診療科を希望する医師が減っているのは有名なお話。

例えば、生活のクオリティやワークライフバランスを重視するのは、最近の若手医師の傾向。
外科医志望者の減少にも繋がっているのかもしれません。
お医者さんだって、プライベート充実させたいですもんね。

 

…と、若手医師不足の問題の一方、医師の高齢化の問題も深刻です。
高齢化の波で、2036年には65歳以上の医師が約2倍になることが想定されています。
PICUでも高齢の医師が登場してきますが、これは…と言葉を失うような高齢な先生でした。
それでも、居てくれなきゃ困るといった感じなのでしょうか…。

 

そんな中、AIを使った面白い取り組みもあるようです。
関連記事:高齢化地域を支えるみやぎ県南中核病院が、AI技術を活用して業務負荷を大幅に削減! 救急医療プラットフォーム「NEXT Stage ER」が医療DXを後押し | TECH+(テックプラス) (mynavi.jp)

使えない最先端医療

無医地区と呼ばれる地域があります。
「医療機関のない地域で、該当地域の中心的な場所を拠点として、概ね半径4kmの区域内に人口50人以上が居住している地域であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区」のことです。

過疎地では、1人の医師が地域全体を担っている場合もあり、心身共に疲労が溜まりやすくなります。
中には、最新の医療に触れないと遅れが出るのではないかという不安を抱えている場合もあり、過疎地を希望する医師は非常に少なくなっています。

そして、これは患者さんにも影響していきます。
過疎地では重い病気になったとき、わざわざ最新の医療機器がある都市部へ行くことを要されます。
しかし、具合の悪い人が都市部の病院へ行くことは想像以上に大変で、金銭的に行くことができない人も多いです。

住む場所によって、病気の発見や治療が遅れる医療格差があります。
Dr.コトー診療所を初めて見たときは、そう感じたように覚えています。

搬送先への時間と距離

准救急隊員という制度が行われています。
過疎地域や離島では、救急車1台+隊員2名+准救急隊員1名以上をもって、編成が可能になるという制度です。
しかし、特に離島においては、救急車自体置けない地域も存在します。

わたしは以前の仕事でとある離島に短期滞在したことがあるのですが、看護師さんが常駐しているかどうかが精いっぱいでした。
実際、一緒に働いていた業者さんがけがをして、ドクターヘリで運ばれていったのを間近で見た経験もあります。

現在ドクターヘリは、47都道府県に56機が待機しています。

 

こちらでは、北海道での搬送の所要時間と転院の問題が報告されています。
関連記事:手技70:雄武消防が語る現場学(3)医療過疎地の転院・転送について | 興部進歩の会OPS (tama.blue)

※しかし、ドラマPICUに関して、「ドラマは誇張しすぎていて、本来の医療体制と異なる」と、マイナスイメージとして捉えかねないと美瑛町は抗議をしています。

また、離島の環境に合わせて、軽自動車を改造した救急車が活躍している地域があります。
関連記事:小さな島で大きな役割『軽救急車』さらに”地獄坂”は人力で搬送…島民2100人の命を守る離島の救急隊員たち | 特集 | MBSニュース

 

…と、つらつら問題点だけを挙げて、不安を煽ってしまってます?

そこは国も自治体も考えてくれていて、先に述べた准救急隊員制度や軽救急車、他に消防本部を移動したり、ドクターヘリを県をまたいで搬送したりしています。
これからの対策にも期待です。

 

PICUは、記事制作現在では第3話が放送されたまでですが、Dr.コトー診療所と同じくフィクションでありながら、本当はノンフィクションなんですよね…。
Dr.コトー診療所に関しては、16年が経過した現在、島の医療がどうなっているのかも注目です。
コトー先生の自転車は、電動機能が付いて進化したようですしね。
(ファンはわかってくれるかな??)

 

楽しみすぎて、もう既に映画館へ行く日は決まっています。
号泣必至なので、ハンカチ何枚持っていくか、悩みどころですね。



(ついでにDr.コトー診療所の宣伝もさせてください。(笑))
映画「Dr.コトー診療所」公式サイト (coto-movie.jp)

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2 件のコメント

    • コスモスさん、コメントありがとうございます!
      Dr.コトー診療所に関しては、当時は可哀そうという感情でしたが、大人になるにつれて過疎地の医療の問題に気づけました。
      今PICUを見ている視聴者も、きっと同じように考えてくれているのだと思っています。
      医療や障害に関しては、まだまだ問題ばかりなので、定期的に投稿していきたと思っています。

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