2021年児童虐待が過去最多。児童相談所を取り巻く現実、虐待通報ダイヤル「#7171」の紹介 

児童虐待

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

2021年、児童虐待が2年連続、20万件を超えました。ご両親の暴力をお子さんが目の当たりにする「面前DV」も含まれる心理的虐待が60・1%(12万4722件)と最も多く、身体的虐待が23・7%(4万9238件)、ネグレクトが15・1%(3万1452件)、性的虐待が1・1%(2247件)と続きました。

そんな児童虐待の急増で、日本全国の児童相談所の置かれている現状は日に日に厳しいものとなり、難しい対応が迫られています。今回は千葉県の児童相談所を取り巻く現状と、埼玉県の虐待通報ダイヤル「#7171(ないない)」を中心に、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

2021年の児童虐待が過去最多

全国の児童相談所が2021年度に対応した子どもへの虐待相談は過去最多の20万7659件(速報値)だった。31年連続で増え続け、前年度と比べて1・3%(2615件)多かった。増加のペースはやや鈍化したが、2年連続で20万件を超えた。厚生労働省が9日、公表した。

引用:2021年度の児童虐待、過去最多20.7万件 31年連続増 朝日新聞デジタル(2022年)

児童相談所の取り巻く現実in千葉県

2022年5月下旬の午後。千葉県千葉市が経営する児童相談所では、社員が忙しく外出したり、児童相談所を訪れる家族連れの対応などをしなくてはなりませんでした。

児童相談所内内には子ども達の泣きわめく声が響き渡る中で、社員と仲良くお喋りしながら居住スペースに帰る子ども達の姿もありました。「1年間で、330日程度は一時保護する子どもが定員の限界に至っている現状」と児童相談所の担当者は深刻そうに声に出しました。

2020年度の千葉県と同千葉市の児童虐待相談対応件数は1万1629件に上ります。ここ近年は右肩上がりで急増傾向にあります。

虐待の種類別を示すと、言葉による威嚇や親のDVを子ども達が目撃するなどの「心理的虐待」が全体の半数を占めています。殴る蹴るなどして加害する「身体的虐待」は3割前後です。家庭環境が多様化する中で、同千葉市の中堅児相社員は「対応が困難な事例も出て来ており、知識のあるスタッフの専門性の確保が第一だ」と言葉を強くします。

厚生労働省によれば「人口50万人に対し、最低1カ所は児童相談所が開設をする」方針を打ち出しています。千葉県内には県や市が経営する児童相談所が計8つ開設されており、全国的に見れば多いですが、それでもまだまだ数が不足しているのが現状です。

千葉県は2022年度内に児童相談所社員を約260人増員し、2027年度までに追加で2カ所開設する計画を練っています。船橋、柏の中核市2市においてもこれから、独自に新たな開設をする方針です。

参考:参院選で考えたい児童相談所の窮状 千葉市の一時保護所は年330日が満員状態 専門性のあるスタッフを増やすには? 東京すくすく(2022年)

児童虐待問題が専門の千葉大大学院の教授(刑事法)の女性は児童相談所について「経験年数が多くないので、虐待の見立てがそぐわないと思う社員もいて、個人差で開きがあり、組織としてトータルの判断力が問われている。これから児童相談所が新たに開設されても、法定の研修プログラムが盛り込まれていないなど課題も山積みだ。市町村の虐待対応との結び付き強化も同時に必然です」と警鐘を鳴らします。

先日まで行われていた国会では、お子さんを親御さんから強制力を持って引き離す「一時保護」の手続きにおいては、裁判官が司法審査で出来るか出来ないかを判決する改正児童福祉法が決まりました。

不可欠な一時保護の防ぐ力の発揮が期待を持たれますが、児童虐待問題が専門の千葉大大学院の同教授の話では「児童相談所側は司法審査を苦慮して、不可欠な運用が不可能になる心配もしている。一時保護が生じる時ではなく、一時保護を解除した時こそ司法審査が必然だ」と声を大にします。

埼玉県虐待通報ダイヤル「#7171(ないない)」

毎年7月を「虐待ゼロ推進月間」と定めている埼玉県は2022年7月12日、虐待通報ダイヤル「#7171(ないない)」をアピールする団扇を浦和駅で配布しました。埼玉県福祉部や障害者支援施設のスタッフら18人が団扇を配る活動に参加。埼玉県知事は「1秒でも早くサインを見落とさない様にお力添えを下さい」と強調しました。

埼玉県によれば虐待禁止条例が2017年7月に定義されたことに合わせ、7月を虐待ゼロ推進月間と決めています。虐待通報ダイヤルは子ども・高齢者・障害者虐待に24時間対応しています。平日昼間は埼玉県福祉部に、休日夜間は委託先の民間業者に接続され、必要であれば専門窓口を紹介されています。

2018年10月の虐待通報ダイヤル開設して以来、2022年5月までに9000件のダイヤルがあり、そのうちの2384件が虐待通報によるものでした。その中で障害者関連が4割と最多を占め、寄せられた内容は「障害者施設で虐待が発生している」「高齢者がネグレクトされている」など広範囲に渡ります。

参考:虐待見逃さず「#7171(ないない)」へ 埼玉県がうちわで通報ダイヤルPR 東京新聞(2022年)

埼玉県の福祉政策課長の男性の話では「ちょっとでも気にかけることがあれば、虐待通報ダイヤルを利用して頂きたい」と強調しました。

私はあの事件が忘れられない。

私は虐待で子ども達が亡くなったというニュースを観る度に、胸が痛くなります。特に私が忘れられないのは、同じ福岡県である篠栗町の5歳の男の子が餓死で亡くなったというニュース。あの事件は本当に分かった時からショックが特に大きかったです。ママ友でそんなことあるんだというのも、凄く衝撃的でしたし。

先日までそのママ友の裁判が行われていましたが、この人も色々あったんだなと検察側の証言で思う反面、犯した過ちに関しては許されざる行為であり、ただ淡々と裁判の記事を読みました。それ位あの当時から、怒りの感情が無くならない痛ましい事件でした。

埼玉県の虐待通報ダイヤルに関しては、良い取り組みだと思います。こういうダイヤルはニーズがあると思いますし、全国に広がって欲しいなと思いました…

参考サイト

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愛知県が児童虐待防止を動画で啓発 東海 NEWS WEB(2023年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。