看護師が多数感染し、業務が滞る病院

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こんにちは、金次郎です。

 新型肺炎が、またもや猛威をふるっています。
 報道各社は第7波と言っていますが、政府は何故か「緊急事態宣言」は出しません。
 私が住んでいる人口6万人ほどの市でも、多い日は1日の感染者が200人を越える日もあります。
 通院している胃腸科でも、入口に「体温測定の結果、37.5℃を越える方は駐車場のテント内でお待ちください、抗原検査の結果「陰性」の方のみ院内にお入りください」と書いています。

 また待合室で待っていても、次から次へと「PCR検査」を依頼する人が訪れ、先生はその度に防護服に着替えて駐車場に向かっています 

新規患者を受け入れられない病院

 広島県にある、広島市民病院では看護師が多数感染し、シフトも組めない状態になっています。
 故に、新型肺炎以外の患者を見る余裕が無く、緊急性の無い手術はやむなく延期にしたり、救急車の受け入れも、心筋梗塞や脳出血など一刻を争うケースのみに絞って対応する感じになっています。
 院長先生曰く「切迫した院内業務と、街の様子のギャップが大き過ぎる」と言っています。

 群馬県前橋市にある、前橋赤十字病院の感染症内科副部長の林医師は「大局についてはこれまでと変わらないけれど、医療従事者の疲労感と人手不足は、これまで以上に深刻です。世間が夏休みやお盆で休んでいる間も昼夜問わず発熱患者に対応しており、院内クラスターを防ぐために神経をすり減らしています。また、感染者数が増えるに従って出勤できない医療従事者も増えており、残った職員は通常より多くの業務量を担っています。」と苦しい医療現場を語ります。

参考記事:

(中國新聞デジタル)「病病病病病…」コロナ感染で看護師の欠勤急増、シフトは限界に広島市民病院

(上毛新聞)医療現場「疲労感、人手不足これまで以上に深刻」 行動制限のない夏前橋日赤の林医師に聞く

休めない救急隊員

 これは消防署の救急隊員も同様で、東京消防庁では歩行中に転倒して怪我をした高齢者を搬送しようしたところ、入院前のPCR検査で陽性反応が出たため受け入れられず、受け入れてくれる病院を探しましたが中々見つからず、受け入れ先の病院が決まるまで過去最高の35時間47分もかかったと発表しました。
(それまで搬送に時間がかかったのは、2021年夏の23時間35分が最高だったそうです)

 また、末期癌を患っていた男性が自宅で呼吸不全になり、担当医が念のため検査したところ陽性反応が出たため、その事を告げた上で救急車を呼びました。
 2人の救急隊員が手分けして受け入れ病院を探しましたが、100件以上の病院から断られてしまい、搬送先が見つからず、その男性は自宅で亡くなりました。

 この様な状態な上に、異常な暑さの今夏は熱中症に罹る人も多く、救急隊員も食事やトイレの時間もままならないので、埼玉市消防局は
・「救急隊員に食事の時間を!」
・「救急出動が続くと、救急隊員が消防署に帰れない時があります。
 (中略)救急隊員がコンビニ等
で飲食物を購入し食事をする事があります
 ので、ご理解をお願い致します」

とツイートしたところ
「出動が続いて激務だと思います。どうか、お食事休憩取って休んでください」と言うコメントが付き、17万4000件の「いいね!」がついたりしました

参考記事:

(日刊ゲンダイ)コロナ救急搬送に35時間超の衝撃…第7波で深刻な病床逼迫も、岸田首相まるで眼中なし

(毎日新聞)救急隊のコンビニ利用「理解を」 埼玉東部、連日100%出動

他の業界でも

 この様に、従事者が感染したりして人手不足なのは医療や救急現場だけではありません。
 ここ福岡県の私鉄、西日本鉄道(西鉄)では、バス運転手に感染者が相次ぎ運転手の確保が出来ず、県内二大都市圏の福岡市や北九州市では、1日辺り200本のバスを運休しています。
 鉄道部門も午前10時から午後15時の間は、特急の運用を止めています。
 県内の他の鉄道会社も、減便ダイヤで対応しています

参考:(iZA)西鉄バス コロナで乗務員の確保困難 運休2週間延長)

全数把握の是非

 新型肺炎について、現在感染者数の数え方について迷走しています。
 政府は「全数把握を止めて、高齢者や基礎疾患が有る陽性者のみ計数管理」しようと言う風に変えようとしました。
 これは、医療機関が陽性者を保健所に報告する、情報把握システム「HER―SYS(ハーシス)」の入力項目が1件当たり50項目近くも有り、医師や自治体の負担がかなり有るので全国知事会が「もっと簡易なシステムにならないか?」と提案したからです。

 しかし、ハーシス簡素化への改修は9月中旬以降と時間がかかるので、その間は緊急避難措置として全数報告するか否かは自治体の判断に委ねるとしました。
 この発言について「政府は、報告方法についての判断を自治体に丸投げだ!」と批判が相次いでいます。政府は政府で「地方の要望を踏まえた結果なのに」と不快感を示しています。現時点で、ハーシス改修完了時期やその後の対応については、政府は一切言及がありません。

参考:(毎日新聞)全数把握見直し、政府の説明不足で混乱 自治体と方針共有されず

終わりに 

 上で書いた、救急隊員のコンビニ利用は私も実際に見ました。
 お休みの日に、コンビニの喫煙所でタバコを吸っていたら、駐車場に救急車が停まったので「コンビニ店内で怪我人でも出たかな?それにしてはサイレン鳴らしてこなかったな?」と思っていたら、店内から出てきた救急隊員の手には、お茶のペットボトルとおにぎりがありました。

 この様な状態ですから、消防庁も安易に119番で救急車を呼ばない様にと「先ずは、『#7119』で相談を」と呼びかけています。
 「#7119」では、医師や看護師等の専門家や訓練を受けた相談員が電話口で症状などを聞き取り、「緊急性のある症状か」や「すぐに病院を受診する必要性があるか」等の判断や救急相談に応じます。
 緊急性が高いと判断された場合は、迅速な救急出動につなぎ、緊急性が高くないと判断された場合は、受診可能な医療機関や受診のタイミングについてアドバイスを行います。

(総務省消防庁)救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html

 新型肺炎に異常気象。
 地球自体が、病気に罹っているのかも知れません

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。
    今コロナがいろいろ変化したことで、予防接種から逃げるタイプが主流かもしれません。
    クラスターもあるようなので、手洗いと消毒などたいへんですが早く収まるといいですね
    。つぎの記事も楽しみにしています。

    • 毎度コメントありがとうございます。
      なんせ、総理大臣がワクチン接種のパフォーマンスをした直後に感染してしまいましたからね。
      と言いつつ、私も4回目のワクチン接種に行って来ますけどね。

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