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こんにちは、翼祈(たすき)です。
LGBTQの楽園と称され、LGBTQには寛容だと言われているタイ。
2015年にはアジア初のトランスジェンダー専用の医療機関がバンコクに、タイ赤十字社エイズ研究センターが運営する「タンジェリン・コミュニティー・ヘルスセンター」が開設されました。
センター開設前はLGBTQの当事者は医療サービスを受けて来られず、病院に行っても医師などに、「多くの問題は、家族から始まる」と差別的な対応をされるためでした。
今回はそんなLGBTQの楽園、タイにおける寛容さと差別の問題についてお伝えします。
タイのLGBTQへの寛容さ。
タイはLGBTQの楽園だと称されています。男装する人を「トムボーイ」、女装する人を「カトゥーイ」と呼び、タイの街中では活き活きと働いているそうです。
LGBTQの自分を公に出すことに壁を感じないのでしょうか。
タイの首都バンコクの郊外にあるスーパーの前に、トランスジェンダーの夫婦が営む人気のコーヒーの屋台があります。明るい笑顔でお客さんにコーヒーを渡している2人は、戸籍上は女性のままです。
夫婦は18年前に結婚しましたが、タイでは同性婚は認められていないので、事実婚の扱いです。仕事を辞め、2人で経営し始めたのがコーヒーの屋台でした。
挽きたてのコーヒーやフルーツを搾ったジュースは1杯70円~120円です。1日の売り上げは1万4千円程度。休みなく働いていますが2人には悲壮感はなく、「貯金して、屋台からお洒落なカフェを開店するのが夢です。そのためには2人で頑張らないとね」と夫婦は笑顔で語ったそうです。
このトランスジェンダーの夫婦を家族はどう感じているのでしょうか。
夫婦の妹は「私にとって姉は姉のままなので、性別なんて関係ない」と話したそうです。
「(国民の94%が信じている)仏教には過去や未来に捉われなくて、今を大切に生きることが大事という教えがあります。どうにもならないことはありますよ。ですが姉がそれで幸せなら私には1番良いことです」とも語りました。
参考:タイ「LGBTの楽園」の裏に性差別 仕事に就けない人も…門閉ざす企業や官公庁 西日本新聞(2018年)
タイのLGBTQへの差別
「確かにタイにはLGBTQの居場所があるのも事実ですが、それは凄く小規模の限定された場所のみです」。世の中にはLGBTQに対して多くの見えない壁が存在すると話すのは、タイのLGBTQ社会では「先生」と慕われる第一人者の女性の証言です。
「タイでLGBTQ当事者は信頼がありません。心に問題を持っていると判断されています。活躍出来る人材は芸能関係や美容関係、小売業界に限られます。官公庁や大企業、司法などは職には就けないのです」
男性として生を受け、現在はトランスジェンダーの女性として生活するこの彼女は、優秀な成績だけがLGBGTQの自身を守ると努力を重ね、名門のタマサート大学に進学しました。社会学部講師の助手を担当しましたが、講師としての採用はタマサート大学から断られました。
「講師採用の合格のラインは全部超えていました。私がLGBTQ当事者だったことが断られた理由です」。女性はタマサート大学を就職差別で告訴し、2018年3月に勝訴しました。今は念願だった講師として充実した日々を送っていますが、その先の未来のタイも考えています。
「LGBTQ当事者は、どんなに能力のある人でも見下され、排除されてきました。法律的にも保護されてません。私はそんな現状を変え、タイを性的マイノリティ関係なくみんなが同じ社会に実現したい。誰もがは皆、一緒であるべきだと考えます」
参考:タイ「LGBTの楽園」の裏に性差別 仕事に就けない人も…門閉ざす企業や官公庁 西日本新聞(2018年)
タイでは年配者の多くが、LBGTQは「前世の業を背負って生まれてきた」と考えます。LGBTQであることを家族に受け入れてもらえない人は、学校を中退して仕事に就けず、売春に手を染めるケースも多いといいます。それでも彼らは、せめて家族には認められたいと、懸命に仕送りを続けるのだということです。
そんな中、LGBTQに特化した専用のクリニックが、2021年6月30日にオープンしました。
LGBTQ専用のクリニック、開設。
タイの病院大手バムルンラード病院は30日、LGBTQ(性的少数者)向けの専門クリニックを開設した。性別適合手術やホルモン投与、美容整形、健康診断などの専門的な医療サービスを総合的に提供する。共働きで子供がいない場合が多く、購買力の高いLGBTQの需要を取り込む。
バムルンラード病院はタイで高級病院を運営する民間大手。開設した「プライドクリニック」では従来複数の部門にまたがっていたLGBTQ向けのサービスを1カ所で受けられるようにする。LGBTQに特化したクリニックの開設はタイでもまだ珍しい。
タイではLGBTQの権利向上を目指す6月の「プライド月間」に合わせた取り組みが相次いでいる。タイ通信大手トータル・アクセス・コミュニケーション(dtac)は29日、結婚やパートナー死亡時の休暇や手当などの福利厚生の対象をLGBTQの従業員にも広げると発表した。
バムルンラード病院によると、タイのLGBTQの数は少なくとも400万人いるといいます。世界では4億人を超えるとの推計もあります。
タイ沼という言葉もありますが、
日本ではアジアのドラマが今沢山配信されていて、タイもLGBTQのドラマや映画などで、日本ではブームになっています。タイの作品を配信というのはここ数年前から聞く様になったので、私はタイはLGBTQにはかなり寛容なんだなと思っていました。
しかし、実際には国会議員として、アジアでは台湾に続く同性婚を認める法制化を求め、活動を続けている男性によると、政府が観光振興で「LGBTの楽園」と宣伝するなど多様な性のあり方に寛容とされるタイですが、2020年に提出された法案は若者らの支持を得ながら成立には至っていないそうです。なので、冒頭に参考で書いた2018年の時と2022年になっても現状が余り変わっていない様に思いました。
韓流、華流に続いてタイブームは泰流と評されていますが、まだまだ難しい問題なんだなと今回記事を書いて実感した瞬間でした。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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