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トランスジェンダー女性の競技参加で批判
トランスジェンダーの女性が、オリンピックの競技に参加するのは、「不公平」だと批判が出ています。
なぜ、トランスジェンダーの女性に批判が集まるのでしょうか?
骨格や、体格の違いなのでしょうか。
それならば、人種によって異なることもありますし、日本人選手の中にも、大阪なおみ選手や、八村塁選手のように、日本人にはない身体能力をもったハーフの選手が目立つようにもなってきています。
トランスジェンダーアスリートへの思いを私なりに考えてみました。
そもそもトランスジェンダーとは?
LGBTQの「T」にあたるのがトランスジェンダーです。
トランスジェンダーの定義は、日々変化しています。
現在では、トランスジェンダーの説明として、「性自認と身体的性が異なる」状態を指すことが一般的になってきたことがわかります。
例えば、
生まれた時の身体的性は男性だが、性自認は女性(トランスジェンダー女性)
生まれた時の身体的性は女性だが、性自認は男性(トランスジェンダー男性)
生まれた時の身体的性は女性だが、性自認は中性(Xジェンダー)
生まれた時の身体的性は男性だが、性自認は中性(Xジェンダー)
といった方はトランスジェンダーといえます。
なお、トランスジェンダーの中でも”中性や無性、不定性”といった性自認を持つ方を表す「Xジェンダー」について、”トランスジェンダーには含めない”という考えを持つ人もいます。(難しいですね)
繰り返しますが、トランスジェンダーの定義は歴史上、その意味が移り変わってきたこともあり、人によって認識は様々なこと、この記事の内容についても移り変わる可能性があるのだということは心に留めておいてください。
引用:トランスジェンダーとは?【性同一性障害との違いも詳しく解説!(当事者監修/2021年最新版)】 | LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」
今回のオリンピックで問題となっているのは、「生まれた時の身体的性は男性だが、性自認は女性(トランスジェンダー女性)」のことを指します。
女性が男性になる、男性が女性になるには、ホルモン治療や「性別適合手術」などが必要となってきます。それは、デメリットも多く、苦しい思いをしてでも、本来の性別になろうとしているのです。
オリンピックアスリートとなれば、服薬などの制限もあり、より難しい問題になっているのではないでしょうか。
スポーツは「公平」なのか?
トランスジェンダー女性の競技参加の前に、そもそもスポーツは「公平」なものなのでしょうか?
人種、骨格、体格などは人それぞれで、同じものは一つとしてありません。
背が高いほうが有利な種目、足の早さが有利な種目など、種目によっても有利な点は違ってくるでしょう。
しかし、それを背が高いから「不公平」だと言う人はいません。
それならば、なぜ「性別」にだけこだわるのか。
公平でありたいと思うなら、保育園の運動会のように手をつないでみんなでゴールすればいいのではないでしょうか?
もともと、様々な条件で争うのがスポーツなのではないかと思います。その中で、体格などで級別に競い合ったり、距離で競い合ったりと、それぞれに合った形で競技が行われています。
男性であったという意識
私がどうしても疑問に感じてしまうのは、もし逆の立場で男性の中に混じって、「元」女性が競技に参加したら男性は「不公平」だと訴えるのでしょうか?
誰しもの中で、「男性は女性より有利である。」という考えがあり、それがオリンピックという舞台で注目されているだけではないでしょうか?
女性でありたいという女性
トランス女性は、男性ではありません。女性でありたいと思う女性です。そのために、ホルモン薬を飲み、体にメスを入れなければいけない時があるだけです。
これからトランスジェンダーアスリートは増えていくと思います。それは、彼ら、彼女らの「権利」であり「自由」であるからです。
ルールは変わっていく。世界も変わっていく。
今後、トランスジェンダーアスリートが増えることによって、競技のルールなどが変わっていくことでしょう。むしろ、変わらないほうがおかしいと思います。
日本でも、同性婚やパートナーシップ制度など、LGBTQに関する法律やルールは変わっていきます。
それと同じように、スポーツ会の中でも、トランスジェンダーアスリートに限らず、同性愛者やLGBTQと呼ばれる人たちにも、「公平」であると思われるようなルール改正が必要なのではないでしょうか。
本当に、変わらないといけないのは、トランスジェンダー当事者の生きづらさや、苦しみを理解しようとする姿勢だと思います。
日本では、性別を変更するには、「性別適合手術」が必要となっています。
私が疑問に思うのは、なぜ元々の性別に戻るために「健康な体にメスを入れないといけないのか。」という部分です。
今回のオリンピックの批判記事を読んでいて思ったのは、トランスジェンダー選手の彼女たちの抱えてきた生きづらさや、悩み、今までの苦悩などはどこにも書かれていないことでした。
トランスジェンダー当事者だけでなく、LGBTQ当事者たちの生きづらさや、悩み、苦しみを議論されることができれば、オリンピック参加の意義があるのではないでしょうか。
最後に
NBCスポーツの報道によると、トランスジェンダーの女性については2004年からオリンピック出場資格が認められており、国際オリンピック委員会(IOC)は、2015年に性別変更についてのガイドラインを更新している。LGBTQのメディアモニタリングを行っているNGO「GLAAD」によると、東京大会には157名以上のLGBTQ+のアスリートが参加し、2016年の56名、2012年の23名から大幅に増加しているという。
参考サイト:
トランスジェンダーを公表している初のオリンピアン、サッカーのレベッカ・クイン選手が五輪出場の意義を語る。 | Vogue Japan
元男性が女子の重量挙げに出るのは不公平じゃないの? 五輪史上初のトランスジェンダー選手にくすぶる批判
トランスジェンダー選手の五輪出場「オリンピックは排除ではなく、迎え入れる場所だ」。専門家はこう見る | ハフポスト (huffingtonpost.jp)
トランスジェンダーとは?【性同一性障害との違いも詳しく解説!(当事者監修/2021年最新版)】 | LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」
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