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今回は、「PMS・PMDDについて語ろう座談会」をTANOSHIKAの女子メンバーさん数名で、開催することができました。
その内容について、記事にしていきたいと思います。
PMS・PMDDの基礎知識
PMSとは…
PMSは、Premenstrual Syndromeの略で、その日本語は「月経前症候群」。 月経前=月経前の3~10日の間に続く精神的、身体的な症状で、月経が始まるとともに症状がおさまったり、なくなったりするものを指します。
PMDDとは…
普段はうつ症状のない方が、月経開始数日前から抑うつ感や不安感などの精神症状が前面に出て、絶望感にとらわれたり、涙がとまらなくなったり、また反対にイライラしたり、怒りっぽくなったり、攻撃的になったりするなど感情のコントロールが難しくなります。
「死にたいと」思うPMDDの症状について
いきなり重たい議題ですが、PMDDには鬱状態がひどくなることがあり、メンバーさんのアンケートの中でも、
- 落ち込みがひどくなる。
- 鬱状態がひどくなる。
- 一か月のうち、2週間はPMDDの症状で辛い。
といった声がありました。
この鬱状態ですが、不思議なことに、生理が終わると症状がなくなるという方が数名いらっしゃいました。
PMDDまで重くはないけれど、PMSの症状に悩んでる方は多くいらっしゃいます。
- 落ちこみなどはそんなにひどくはないけれど、生理前に理由なくイライラしたり、落ち着きがなかったりすることがある。
PMSの症状を話していて、もっとも多かったのが「食欲増進」です。
- 食欲がすごい。とにかく食べたくてしょうがない。
といった意見が多くみられました。
生理の症状も様々です。
私自身も、経血の量が多いので、❝おむつ❞型の生理用ナプキンを使っています。
生理の症状が重い人もいれば、軽い人もいます。
少しお腹が痛くなったら薬を飲むくらいという。意見もありました。
そこで問題にあがったのが、「女性同士でも症状が様々で、理解してもらえなくて、傷つくこともある。」ということでした。
同じ女性同士ですが、分かり合えない症状もあり、PMDDで希死念慮があるとアンケートを見て驚いたメンバーさんもいらっしゃいました。
ピルというもの
次の議題にあがったのが、PMS・PMDDにはどのような治療があるかでした。
アンケートでは、
- 漢方薬
- ヨガや食事療法
- 低用量ピル
- 治療をしていない。
という意見があり、そこで注目したのが「低用量ピル」です。
低用量ピルについての記事もあります。こちらもどうぞ。
低用量ピルとは?
ピルは、エストロゲンとプロゲステノーゲン(プロゲステロンの作用をする物質の総称)というホルモンが入っている薬です。
ピルを飲むことによって、体のホルモンバランスを妊娠している状態に似たようにして排卵を抑制します。ピルには、妊娠が成立した時に分泌される上記2つのホルモンの1/20以下程度の量が含まれています。
ピルを飲むことで、妊娠している状態に近くなるので、排卵をしなくなります。そのため、避妊の効果があるのです(その他にも、着床を抑制したり、子宮内に精子が流入するのを防いだりという作用があり、それによっても避妊効果があるようです)
ピルは多くの種類があり、超低用量~高用量まであります。
ピルの種類 |
ホルモン配合量 ※単位は㎍(マイクログラム) |
低用量 |
50㎍未満 |
中用量ピル |
50㎍ |
高用量ピル |
50㎍以上 |
PMSやPMDDの治療にも使われることが多いです。
ピルの種類 |
ピルの薬剤名 |
主な使用目的 |
超低用量 |
・ルナベルULD ・フリウェルULD(ルナベルULDのジェネリック ・ヤーズ ・ジェミーナ |
・避妊 ・月経困難症の治療 ・子宮内膜症による痛みの緩和 |
低用量ピル |
・マーベロン ・ファボワール(マーベロンのジェネリック) ・トリキュラー ・ラベルフィーユ(トリキュラーのジェネリック) ・シンフェーズ ・アンジュ ・ルナベルLD ・フリウェルLD(ルナベルLDのジェネリック) |
・避妊 ・月経困難症の治療 ・生理のタイミングをずらす |
中用量ピル |
プラバノール |
・不正出血 ・月経過多 ・生理不順 ・生理のタイミングをずらす ・月経困難症の治療 ・子宮内膜症の治療 |
高用量 |
なし |
そして、含まれる黄体ホルモンにより、「第1世代~第4世代」まで分かれることになります。
ピルの世代 |
黄体ホルモンの種類 |
該当するピル |
第1世代 |
ノルエチステロン |
シンフェーズ フルウェルLD ルナベルULD |
第2世代 |
ノボノルゲストレル |
トリキュラー ラベルフィーユ ジェミーナ |
第3世代 |
デソゲストレル |
マーベロン ファボワール |
第4世代 |
デロスピレノン (超低用量ピル) |
ヤーズ ヤーズフレックス |
実際にメンバーさんの中にも、低用量ピルでPMS・PMDDの治療をされている方もいらっしゃいます。
という意見もあるなか、やはり「ピルへの偏見」という話もちらほらと出てきました。
そもそも避妊薬ではないの?
値段が高そう。
太りやすくなるときいた。
避妊薬では?
ピルは避妊薬としても使うことができます。
毎日継続して飲むことで避妊効果を発揮してくれる薬です。毎日忘れずに、決まった時間に飲んだ場合、避妊の99.7%の成功率と高い効果が期待できます。
関連記事【安全なセックスとは?】
値段が高いのでは?
値段が高そうという意見ですが、保険が適用されるので1シート(約1ヵ月分)で、2,000円~3,000円程度となっています。
※ピルの種類によって値段は違います。詳しくは専門医・薬局などにお問い合わせ下さい。
太りやすくなる?
太りやすくなるのでは?という疑問ですが、たしかに身体が妊娠した状態と同じになるので、食欲が増す場合がありますが、最新のピルは太りにくいものもあり、太るのが気になる方は、専門医師に相談するとよいでしょう。
メンバーさんの生理にまつわるお話
最後に
今回の座談会を通して、皆さんに伝えたかったことは、「もっと自分の身体を知ることからはじめよう。」ということでした。
ピルに偏見がある方でも、今回の座談会を通して、ピルへの意識が少し変わったとおっしゃってました。
今回、この座談会を主催した主旨としては、女性同士だけでなく、男性にも女性の生理への理解がすすめばと思い、開催しました。
しかし、女性同士でも分かり合えない部分や、ピルなどの治療法への偏見があることが分かったのです。
これからは、男性にだけでなく、女性に向けても生理についてもっと理解を深めていけるような働きができたらと思います。
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