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フランスでLGBTの矯正治療禁止に
2022年1月25日、フランスの国民議会で、LGBTの人々の性的指向や性自認を矯正しようとする、いわゆる「転向療法」を正式に違法とする法律の改正案が全会一致で可決された。
この結果、性自認の矯正を目的に、身体的または精神的な影響を与えた場合は、最高2年の懲役刑と3万ユーロ(約385万円)の罰金が科されることになった。
矯正治療とは?
矯正治療と名はついているものの、一部の行為は、拷問に近いものがあります。
一部の宗教の宗派を中心に、現代になってもLGBT(性的指向)が認めらず、なんとか矯正させようと、「ホルモン」、「催眠」、「電気ショック」、「薬物治療」、「悪魔払い」、または異性愛者との「強制結婚」によって治療しようと試みる行為が行われています。
この類の「治療」とは、特にカトリック系一部の宗派や、プロテスタントの福音派において目立つというが、ユダヤ教やイスラム教系のものもあります。
こういった行為は、個人のアイデンティティや心身を著しく傷つける行為です。
そこで、今回のLGBTを矯正することは違法であるとフランスで、法制化されました。
映画「ある少年の告白」
今回の法制化の記事を読んでいて、ある映画を思い出しました。
映画『ある少年の告白』オフィシャルサイトという作品です。
~あらすじ~
アメリカの田舎町で育った大学生のジャレッド(ルーカス・ヘッジズ)は、あることがきっかけで自分が同性愛者だと気付く。
息子の告白に戸惑う牧師の父(ラッセル・クロウ)と母(ニコール・キッドマン)は、“同性愛を治す”という転向療法への参加を勧める。
その内容を知ったジャレッドは、自分にうそをついて生きることを強制する施設に疑問を抱き、行動を起こす。
この映画の内容も、LGBTを矯正させようとするコンバージョン・セラピー(転向療法)を元にした映画です。
コンバージョン・セラピー(転向療法)とは
アメリカでは、自殺者もでているコンバージョン・セラピー(転向療法)。
治療とは言い難い行為には、カウンセラーと話しながら進めていく会話療法や嫌悪療法、電気ショック療法、同性愛者の指向を薬物や酒の依存症と同じような問題として扱う手法などが用いられていました。
この矯正治療では、実の親や親族などによって強制的に専門の施設に入所させられ、数ヵ月間にわたって治療を受けさせられる場合もあり、自分自身に対して嫌悪感や、憎しみ抱かせる治療が主であるため、治療の過程で心身とも病んでしまい、うつ病になってしまったり、自殺したりする若者たちが後を絶たちません。
アメリカの中でも、特に保守的な地域ではいまだに、コンバージョン・セラピーを行う施設が存在しています。
現時点では、強制的にこの治療法を受けさせることを禁止する法律があるのは、 全50州のうち18の州とワシントンD.C.およびプエルトリコのみとなっています。
画像引用:ある少年の告白 | 映画の動画・DVD – TSUTAYA/ツタヤ
フランス、カナダに続け
LGBTを矯正することを禁止する法律は、すでにドイツ、スペイン、マルタの各地域などの国々がこの問題について法制化しており、間もなくオランダ、ベルギー、イギリスが加わる予定です。
今回の法制定で、フランスもそのヨーロッパの流れに足並みをそろえる形になりました。
フランスのマクロン大統領は、Twitterで
「性自認を矯正することを禁止する法律が満場一致で採択されました!誇りに思いましょう。これらの価値がない慣行は、共和国にはふさわしくありません。なぜなら、自分らしくあることは犯罪でもなく、治すものでもないのですから」
La loi interdisant les thérapies de conversion est adoptée à l'unanimité !
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) January 25, 2022
Soyons-en fiers, ces pratiques indignes n'ont pas leur place en République. Parce qu’être soi n’est pas un crime, parce qu’il n’y a rien à guérir.
とツイートしました。
最後に
LGBT、性的指向、性自認は病気ではありません。自分自身である証なのです。
それを矯正治療しようとすることは、不可能なのです。多くの人がこのことに気が付いてほしいと思います。
参考サイト
「LGBTの治療」禁止法案、仏で可決 | “Japan In-depth”[ジャパン・インデプス]
「LGBTの治療」をフランスが満場一致で禁止へ、カナダに続く – GIGAZINE
自殺者も出ている「同性愛の矯正治療」の恐ろしすぎる実態とは?
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