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遺言書とは、故人自らの死後のために、遺した言葉や文章です。
財産の分割方法や、土地・建物の相続、遺された家族の今後のことなど…内容は様々です。
私が「遺言書を残す」ということの重要性がわかったのは、父が亡くなったときのことでした。
遺言書を書かずに亡くなるとどうなるのか
父は生前よく「自分が死んだら、葬式はしてくれるな。」と強く訴えていました。そのほかにも、実家の土地やお墓、自分が先に死んでしまった時、残された母の介護はどうするなど。折々に、話していたのを覚えています。言い始めた頃は、「はいはい。」と軽い気持ちで聞き流していました。
しかし、歳を重ねるごとに体を悪くしていた父を見ていて、一度ちゃんと遺言書を書いておいたほうがいいなと感じていました。
父に兄弟はいませんが、父方の親戚が近い距離で住んでいたこともあり、そして決して仲のいい妹弟とは言えない私を含めて、4人の子供がいて、父に何かあった時はスムーズに法事などが進むことは難しいだろうな、と思っていたからです。
父が最後の入院をしたときに、また私に「葬式は絶対にしてくれるな。」「遺影をちゃんと撮りたい」「土地の相続は…云々」と訴えてきました。「遺影はともかく、遺言書は一筆書いたほうがいいかもね。詳しく調べとくよ。」と話していたのですが、結局書くことはなく、早足で亡くなってしまいました。
そして案の定、お葬式をする・しない。で親戚ともめたのです。
結局は、「葬式はしてくれるな。」の父の言葉を、私以外の妹弟も聞いていたので、お葬式はせずに、生前にお世話になった人に最後に父に会ってもらい、それでお終いということを、強く訴えて親戚は納得してくれました。
そこでぜんぶ終わったと思っていたのですが、終わっていませんでした。
土地や財産の相続や、残った父名義のローンの返済、今後の法事は誰が中心になってするのか、お墓の管理はどうするのか…。亡くなった父からは、こうしてほしいという話は聞いていたものの、遺言書がなかったため、意向に添えなかったり、土地の名義変更などの法的な手続きに、非常に時間がかかりました。相続でお世話になった司法書士の先生に「遺言書があれば手続きも、スムーズなんだけどね。」と言われ、私はちゃんと遺言を残そうと思ったものです。
では何歳から遺言書は作成できるのでしょう?
民法では、「満十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」と規定されています。(民法961条)
15歳になれば意思能力が認められ、遺言能力が備わっていると見なされるのです。
一方で「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」(民法5条)とも書いてあります。
若いうちに遺言書を残す場合は、自筆証遺言書
遺言書と言われると、手続きが大変と思われがちですが、将来的に財産や、相続人に変化のある若い人には、書き換えが容易にできる自筆証遺言書がいいでしょう。
後々の気持ちの変化などがあった場合、割と簡単に書き換えられます。
ただし手軽にできる分、デメリットもあります。法律上の要件を満たさなければ無効となるのです。保管も自分でしなくてはならず、紛失のリスクもあり、破棄されたり、変造されたりします。自筆証遺言書を開封するには、家庭裁判所で手続きをしなければなりません。
そこまでしっかりしたものは必要ないという方は、手紙にして遺すのもいいかもしれません。私はペット(猫)を飼っているので、もし私になにかあった場合は、友人にお願いしたいと考えています。(友人は了承済みです)財産というものはほとんどありませんが、わずかに残るのであれば、甥っ子たちに渡してほしい。とこの2点だけ手紙にして遺しています。
この手紙が開封されないことが一番ですが、いつ・どこで・なにが起こるかは誰にもわかりません。
遺言書は自分のためであり、遺された人のためでもあります。
感謝の言葉を書いておくだけでも伝わることがあるかもしれませんね。
下記のURLに遺言書の書き方が詳しく書いてあります。もしご検討ならご覧になってみて下さい。
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有効な自筆遺言書の書き方、簡単!自筆証書遺言書の事例集・見本 相続専門の阿部惠子行政書士事務所
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