女性に多い「インポスター症候群」自分が偽物のように感じる?

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 最近では現代病として色んな病気が判明しています。うつ病も新型というものがでたりして、もともとあった形態も変わってきています。そこで最近知ったのが「インポスター症候群」という聞きなれないものです。

 だんだんと発症例も増えているらしく、ハリーポッターでおなじみのエマ・ワトソンもインポスター症候群だと告白しています。今回は日本ではあまり耳馴染みのないインポスター症候群について掘り下げていきます。

1.女性に多いインポスター症候群とは

 そもそもインポスター(impostor)の語源は「詐欺師、ペテン師」という意味で「詐欺師症候群」とも呼ばれます。インポスター症候群とは成功体験や結果を出しても自信を持てず「周囲のサポートが良かったから」、「運がたまたまよかっただけ」など自分の成功に価値が見出せず、他人ほど能力がないと思ってしまうことです。

 そこに加えて「いつか自分の実力がないことがバレてしまうのではないか」と詐欺を働いているような、不安感が強い心理状態もインポスター症候群の特徴です。さらに男性よりも女性の方が影響を受けやすく、その程度も強い傾向があります。特に専門職やエリートなど能力が高い人に起きやすいのも特徴です。

なぜ女性に多いのか

認知心理学によると成功や失敗への反応には明確な男女差があります。男性は成功を自分の能力や才能を、努力などを個人的に結びつける一方、失敗を外部のせいにしがちです。しかし女性はその逆で、成功はタイミングや運のおかげとして、失敗は個人的な欠点が原因だと考えやすいのです。

引用元・Forbes

2.どんな人が発症しやすい?

 ではどのような人がなりやすく、発症しやすいのかというのをまとめてみました。

遠慮しがちな人 

 褒められても「そんなことないですよ」と言いながら、内心では嬉しかったりするものですが、本当に大して思ってない人というのは発症しやすいです。褒められると自信がついて誰かの役にたっていると普通は思うところを、褒められることで実力の無さがバレてしまうと、不安感が強くなる人は危険だといわれています。

失敗を極度に恐れる

 これは誰でもそうですが失敗は恐いものです。なぜ恐れるのかというと自己評価が下がってしまうからなのですが、症候群になりやすい人は自己肯定感が極度に低いため、自分を褒めるのも苦手なので、極度にそういう場所から逃げようとします。

 逃げるのは自己防衛が働くからなのですが、真面目すぎたり勤勉すぎる人ほどそのような自分のイメージが崩れることを必要以上に恐れてしまいます。症候群になりやすい人はよく「運がよかったから」というのをよく使うのですが、それは失敗しても運のせいにすることができるからです。

 完璧主義者の人も失敗を「完璧でなくなった」ということを意味するので「みんなが失敗した自分にがっかりしているに違いない」と思い込んでしまいます。

褒められることに慣れていない

 怒られ慣れてない人がいるように、褒められ慣れてない人も同様にいて、どう返答していいか分からず、逆に「次は失敗できない」とプレッシャーを感じる人までいます。このようなタイプの人は基本的に勤勉で、期待に応えようとするがあまりに疲れやすく、燃え尽きてしまいます。

 同様に自己卑下が強いため自分を褒めることもできません。成果を出せば出すほど、求められるハードルが上がったとプレッシャーを感じてしまい、達成感に浸ることもできず、自分へのご褒美のようなことなどからのモチベーションを上げることができません。

 普通は疲れている時に褒められたりすると「やりがい」を見出せますが、褒められ慣れてない人は尚更、上がるきっかけがありません。このような状態が続けばいずれパンクしてしまいます。期待されたくないことを望む一方で、適当に仕事をするわけでもないので立ち位置がむずかしいのです。

人生を否定されたことがある

 ではなぜこのような考え方が形成されてしまうのかというと、それは過去の経験による影響です。存在を否定されたり、人格を否定されるなど「自分は大したことがない」というのを無意識なところで、埋め込められているからなのです。

 自分がこれ以上、傷付かないため勤勉に取り組んだ結果、いい評価を受けてしまい、期待がプレッシャーとなり過去の否定された経験がフラッシュバックしてしまいます。このような恐怖感のループからはなかなか抜け出せず、逃れることができません。

3.インポスター症候群の解決策

 インポスター症候群は残念ながら治療する方法が今のところありません。しかしTEDで語っているマイク・キャノン=ブルックス氏は、自らのインポスター症候群による経験を生かし、気付かされたことがあると語っています。

これが(インポスター症候群)必ずしも悪いことではないというのは言っておきたいです。この感覚には良い面もあるのです。私は別に『さあ始めよう』というような、やる気を出させる話をしようというわけではありません。私自身のインポスター症候群の経験を振り返り、それをどう手なづけて良い方向の力にしてきたかということです

 彼は大学を出て2人で「Atlassian」という法人向けのソフトウェアの会社を起こします。4年経ったときに社員は約70名ぐらいで「ニューサウスウェールズ州 起業家オブ・ザ・イヤー」という40歳未満の若手起業家部門を受賞します。そこから更に州を越えてオーストラリア、つまり国の代表となり「世界起業家オブ・ザ・イヤー」にも選ばれました。その時の経験をこう語っています。

ポルトガル代表のベルミロ・デ・アゼヴェドという素敵な人物とディナーの席で一緒になりました。すごい人で40年会社経営をしてきた65歳の人で、3万人の従業員がいます。ワインを2杯ほど飲んでから『私は自分がここにいるべきではないと感じている』ことを打ち明けました。身の丈をとうに超えていて、誰かが気づいてオーストラリアに送り返されるんじゃないかと。彼はしばらく私を見つめてから、自分もまったく同じように感じていると言いました。たぶん受賞者はみんなそう感じていると。そしてスコットや私や技術のことは何も分からないが、何かを正しくやっているはずだからそれを続けていればいい

 続けて彼はこう語ります。

これは私にとって大きな気づきの瞬間でした。1つは他の人も同じように感じていること。もう1つはどんなに成功してもその感覚は消えないと分かったことです。成功した人は偽物みたいには感じないものと思っていましたが、むしろ逆だったのです

 最後にこう締めくくります。

最も成功している人たちは自分に疑問を持つ代わりに、たえず自分の考えや知識が正しいかをとことん自問します。水が深すぎるときには、アドバイスを求めることを恐れません。それをみっともないことだと思いませんし、そのアドバイスを使って自分のアイデアは磨き、学んでいるのです。脱出ボタンを押せない状況にあっても固まってしまわず、その状況を生かし麻痺してしまわずに、それを良い力に変えようとすればいいのです。この『生かす』ということが大切です。これはインポスター症候群を克服するという、馬鹿げた通俗心理学ではなく、自覚の大切さの話です。実際今まさに私は偽物だと感じているのをよく自覚しています

※一部省略

まとめ・たりないことを自覚してどう生かすのか

 インポスター症候群とは、とても特殊なものだと思っていましたが、それはちょっと違うのかもしれません。たぶん私だけではないと思いますが「自分って何なのだろう」ってふと考えたことありませんか? 目に見えない実態を探る感覚に近いあの感じは、ゴールがなく、いつの間にか忘れていたり、これでいいんだと納得して次に進みますが、インポスター症候群はそういうのから離れようとしても、まとわりついている感覚に近いのではないでしょうか。どれだけ成功しても偽物だと感じてしまうという、当事者じゃないと分からない苦しみもたくさんあるでしょう。

 しかしそれを自覚することによって、どう生かすかと考えることが大事だということをマイク・キャノン=ブルックス氏のおかげで知れました。いまの時代、必ず何かを抱えてみんな生きていると思います。悩み、病気、障害とついつい自分は「たりない」とふさぎ込んでしまいます。

 たりない自分を責めるのではなく、たりないことを自覚してどう生かすか、人と比較するのではなく、自分の長所や武器は何なのかを考えることが、いまの時代生きていくことへの必要なファクターではないでしょうか。

参考・TED Forbes ipswitch POUCHS 

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