障害者雇用の「5年ルール」は、誰を守るための制度なのだろう【ねこパンク】

障害者雇用の「5年ルール」について考えている黒猫の画像

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「あと1年で5年ですね。」

障害者雇用で契約社員として働いている人にとって、

この言葉は安心につながる人もいれば、不安になる人もいます。

本来なら、
「長く働いてきた証」
であるはずなのに、

「もしかしたら契約が終わるのではないか。」

そんな心配を抱えてしまう人がいるのです。

今日は、障害者雇用でも適用される

「5年ルール(無期転換ルール)」について書いてみたいと思います。

5年ルールとは何か

5年ルールについて考えている黒猫

難しく聞こえますが、制度そのものはそれほど複雑ではありません。

有期契約(契約社員など)で同じ会社に通算5年を超えて勤務した場合、

働く側が申し込めば「無期雇用」に転換できる制度です。

これは労働契約法で定められています。

そして、この制度は障害者雇用にも当然適用されます。

つまり、

「障害者だから対象外」

ということはありません。

働く人が安心して長く働けるようにするための制度なのです。

ところが、別の問題が生まれてしまった

解雇通知を渡されて驚いている黒猫

制度の目的はとても良いものです。

しかし現実には、別の問題も起きています。

それが、

「無期転換逃れの雇い止め」

です。

会社によっては、

「無期雇用になる前に契約を終了しよう。」

と考えてしまうケースがあります。

4年目や5年目の契約更新時に、

「今回で契約終了です。」

と言われてしまう。

もちろん、すべての雇い止めが違法というわけではありません。

契約更新をしない合理的な理由があれば認められる場合もあります。

しかし、

無期転換を避けることだけを目的とした雇い止めは、

労働契約法第19条(雇い止め法理)との関係で違法と判断される可能性があります。

つまり、

本来は働く人を守る制度なのに、

「5年になる前に契約が終わるかもしれない」

という新たな不安を生んでしまうことがあるのです。

障害者雇用だからこそ考えたい

車椅子に乗った黒猫を仲間達が介護している画像

障害者雇用では、職場に慣れるまで時間がかかる人も少なくありません。

仕事内容を覚える。

体調を安定させる。

人間関係を築く。

職場に安心できる居場所を作る。

これらには何年もかかることがあります。

ようやく安心して働けるようになった頃に、

「契約満了です。」

と言われたらどうでしょう。

また一から就職活動。

また新しい環境。

また障害の説明。

人によっては、

「オープン就労」にするべきか

「クローズ就労」にするべきかの問題。

また一から信頼関係を築く。

それは決して簡単なことではありません。

障害者雇用は、

「採用すること」

だけが目的ではなく、

安心して働き続けられること

にも大きな意味があると私は思います。

働く側も制度を知っておきたい

ハローワークの看板を見ている黒猫

もちろん、必要以上に不安になる必要はありません。

多くの企業は誠実に制度を運用しています。

だからこそ、自分自身も制度を知っておくことが大切です。

契約更新の際には、

  • 更新の基準
  • 契約期間
  • 更新回数の上限
  • 新しい条件が追加されていないか

を確認しておくこと。

もし疑問があれば、一人で抱え込まず、

ハローワークや労働局、

障害者就業・生活支援センターなどへ相談することもできます。

知識は、自分を守る力になります。

誰を守る制度なのだろう

黒猫と仲間達が仕事場で意見交換している画像

5年ルールは、

会社を困らせるための制度ではありません。

まして、

会社と働く人が対立するための制度でもありません。

長く真面目に働いてきた人が、

「これからも安心して働ける」

そんな環境をつくるための制度です。

障害者雇用は、

法定雇用率を達成するためだけにあるものではありません。

一人ひとりが安心して力を発揮し、

長く働き続けられる社会をつくるためにあります。

だからこそ、

5年という数字が「不安」ではなく、

「安心」の節目になる社会であってほしい。

私は、そう願っています。

もし、不当に更新しないと言われたら

黒猫が弁護士に相談している画像

もし、5年を迎える前に、

「契約を更新しません」と言われても、
慌てる必要はありません。

まずは、次の3つを意識してみてください。

① その場で退職に同意しない

退職届や合意書への署名・押印を求められても、
その場ですぐに判断する必要はありません。

一度持ち帰って、
内容を確認しましょう。

分からないことがあれば、
誰かに相談してから判断しても遅くありません。

参考元:(厚生労働省) 労働契約の終了に関するルール

② 証拠を残しておく

これまでの雇用契約書や、
労働条件通知書などは保管しておきましょう。

会社とのメールや書面でのやり取りも、
できるだけ残しておくことが大切です。

面談などで契約更新について話があった場合も、
日時や話した内容を自分で記録しておくと、
後から相談するときに役立つことがあります。

「何かあったときのため」ではなく、

「何もなかったことを確認するため」にも、

記録は役立ちます。

参考元:(厚生労働省) 有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

③ 一人で抱え込まず相談する

「これって、本当に普通なのかな。」

「5年になるから契約を切られるのでは?」

そんな疑問や不安を感じたら、
一人で抱え込まないことも大切です。

ハローワーク、
労働局の総合労働相談コーナー、
障害者就業・生活支援センターなど、
相談できる窓口があります。

自分だけで、

「これは違法なのかもしれない」

と判断する必要はありません。

まずは、

「こういうことを言われたのですが、どうしたらいいでしょうか」

と相談してみる。

それだけでもいいと思います。

参考元:(厚生労働省)「総合労働相談コーナーのご案内」

知識と相談先を知っているだけでも、
自分を守る力になります。

おわりに

ねこたちがバンザイして騒いでいる画像

障害者雇用では、「働き始めること」に注目が集まりがちです。

でも、本当に大切なのは、その先ではないでしょうか。

安心して働き続けられること。

困ったときに支え合えること。

そして、「ここで働き続けてもいい」と思えること。

5年ルールは、そのために生まれた制度です。

誰かが制度を恐れるきっかけではなく、

未来への安心につながる制度として機能してほしい。

そんな社会になることを、心から願っています。

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ねこパンク

参照元 : (障害者雇用めぐるメディア)障害者雇用の5年ルールとは?無期転換の対象・除外と実務対応2026.03.29

参照元 : (弁護士法人ALG&Associates)無期転換ルールを回避するための雇止めは違法?事例や取るべき対策など2026年6月5日

参考元 : (厚生労働省)無期転換ルールについて

参考元 : (厚生労働省)無期転換ルールに関する雇止めの状況等について(PDF)

参考元 : (障がい者のための求人サイト リコモス)【障害者雇用】障害者雇用の契約社員にも5年ルールは存在する?2022/12/09

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1 個のコメント

  • 記事を読ませていただきました。障がい者でも一般就労にいける場合と難しい場合があります。前に勤められるのは3年だったのではないか?という記憶があります。現実は3年でも5年でも契約満了といわれても受け入れることができない人もいるのではないでしょうか。障がい者もこのルールには従えないのもあるでしょう。働きやすい社会になったらいいですね。これからも記事を楽しみしています。

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