震災障がい者、忘れられた存在にしないために何ができるのか?

震災で瓦礫が散乱している状態

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はじめに

皆さんは、震災障がい者という方々の存在を知っていますか?

震災で九死に一生を得て、重い障害を負ってしまった人々のことです。

代表的な震災で例を取りますと、阪神淡路大震災で10683人、東日本大震災で694人、熊本地震で1142人の重傷者数がいます。津波があった東日本大震災は死者や行方不明者が多く、重傷者の数が少ないのが特徴です。これだけの数の人々が今もなお、震災の傷に苦しみながら生きています。

しかし、その人たちが国からの支援の手から零れ落ちている現状があります。

今回は震災障がい者についてご説明していこうと思います。

参照サイト:

WEB防災情報新聞新聞 人的被害の「負傷者=震災障害者」は支援の落とし穴か?2022年11月15日

第3章 – 災害の概要 平成25年1月21日

2016年(平成28年) 熊本地震

地震で机の下に母子が避難している様子

災害障害見舞金を受け取れる人

阪神淡路大震災で被災された馬場覚さん。6時間圧迫された両足はひざから下の筋肉が壊死してしまいました。

馬場さんのように震災が原因で後遺症を負ったいわゆる「震災障害者」たち。国はこれまでその人数の把握を積極的には進めてきていません。2019年の国会答弁で政府は…

 (政府の国会答弁 2019年)「原因にかかわらず障害者への支援はすでに行っているため、新たに『震災障害者』を定義して数や程度を把握する必要はない」

 死者数や行方不明者数が公表される一方で、調査すら行われない実態。馬場さんは複雑な思いを抱きながら30年を過ごしてきました。

引用元:MBSニュース 震災で「家具の下敷きになり右脚切断」の男性 見舞金の支給に高い壁「対象が重度すぎて…右脚レベルはどうでもいいの?」進まない「震災障害者」への調査と支援「『わがこと』として捉えて」 | 特集 2025年1月16日 

私は今まで、勉強不足で地震などの災害で重傷を負いながらも生き残ってきた方々が国から十分な支援を受けられずにいる実態を知りませんでした。

支援を受けられたとしても、災害障害見舞金を受け取れるのはわずかな人々しかないそうです。

以下の画像は支給額や支給対象をまとめたものです。

災害障害見舞金の支給額と支給対象

画像引用元:MBSニュース 震災で「家具の下敷きになり右脚切断」の男性 見舞金の支給に高い壁「対象が重度すぎて…右脚レベルはどうでもいいの?」進まない「震災障害者」への調査と支援「『わがこと』として捉えて」 | 特集 2025年1月16日

ご紹介した馬場さんも該当せず、震災障害見舞金は支払われず、熊本地震で右足を失った梅崎世成さんも該当せず、支払われませんでした。

阪神淡路大震災で支給の対象になったのはわずか64名(2019年時点)でした。県外に引っ越した人もいて、漏れがあり、その実数は少なく見積もっても2000人は超えるだろうと被災者支援団体の元代表の牧秀一さんはおっしゃっています。

震災障害見舞金の条件の設定が高すぎることに驚きました。片足をなくしただけでも、日常生活はかなり制限を受けることは想像できますし、必要な方に必要な支援が行き届いていない印象を受けます。

しかも、

「震災障害者」の多くは災害によって住まいや仕事を同時に失い、かつ障害を負い、さらに身辺の多くの災害死のなかで自分だけが生き延びたという“生存者罪悪感”をもって孤立しているという。公的な、あるいは民間の支援の手は届いていない。

引用元:WEB防災情報新聞新聞 人的被害の「負傷者=震災障害者」は支援の落とし穴か?か? 2022年11月15日

引用した内容のように、災害によって心に傷を負った方々のケアも十分にされていないようです。

日本の形をした国が人々にお金を支払う様子

生命保険でまかなわれるか?

自衛の手段としては、生命保険が考えられます。しかし、調べてみるとそれも十分とは言えないようです。

保険会社によりますが、大規模な地震があった場合、保険金が削減して支払われるか、支払われない場合もあります。

先の東日本大震災、熊本地震では支払われたケースが多いようなので、ご自身の生命保険を確認された方が良いと思います。

ちなみに私が入っている生命保険では高次障害になった場合、死亡保険金が支払われることになっています。

↓詳しくはこちらのサイトを参考にしてみてください。

参考:かんぽ生命【保険金】 地震等の自然災害により死亡やけがで入院をした。死亡保険金や入院保険金が受け取れるのか知りたい。2024年6月17日

地震保険も住居用の建物や、家財などは補償の対象になりますが、ケガは対象となっていないようです。

スーツを着た女性がご提案と書かれた紙を持っている

終わりに

日本は地震が多い国です。しかし、その補償があまり手厚くないことに唖然としました。

阪神淡路大震から30年、その地震の傷跡にいまだ苦しんでいる実情があります。

災害障害見舞金の財源をどうするのかが問題となり、難しいとは思いますが、政治家の裏金や海外への支援金など、国民の税金が国民のために使われてはいないのではないかという不満の声がSNS上でつぶやかれています。その現状を鑑みますと災害に遭われた方に血税を使って欲しいと思います。

また、震災で傷を負った方々の相談窓口が見つかりません。どこに相談していいのか調べましたが、情報が古く、地方に限定されているので引っ越した方などカバーしきれていない様に思えます。

以下は、2013年4月に配布された兵庫県の「震災障害者相談窓口」開設の知らせ(ちらし)です。

画像引用元:人的被害の「負傷者=震災障害者」は支援の落とし穴か? 2022年11月15日

地震はいつ、誰の身に起こるかわかりません。地震で負傷してしまい、その後の人生を苦労して生きている方々の声をなかったものにしてはならないと思います。この記事を読んで多くの方々にこの現状を知ってほしいです。

参考サイト:

日本経済新聞[社説]自民はすべての裏金の解明を – 2025年1月27日 

IOM Japan 国際移住機関 日本 日本政府が3,200万ドルを拠出 2024年版IOMグローバル・アピールを支援  2024年 2月 09日

    地震でひび割れて傾いた建物

鉛筆で線をひいた罫線

noteでも書いています。よかったら、読んでみてください。

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