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こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事を書いている時、令和6年能登半島地震から3週間が経過しました。
停電は少しずつ解消されていますが、断水は未だ万単位で起きていて、完全復旧には、2月下旬から、3月以降までかかると言われており、それだけ大規模な災害だったということが分かります。
これだけ大規模な災害で、ずっと言われていることは、被災した子ども達の心に起きる変化と、心のケアです。
子ども達に何か変化があった時、周囲の大人はどうすれば良いのか?今回は専門家が提唱する子ども達への心のケアとその対応について届けます。
災害発生で子ども達に起きる心の変化とは?
・普段より元気がない
・赤ちゃん返り
→片時も家族と離れず、急に甘え声になったりするといった、1、2歳幼くなる様な態度をなる場合があります。過敏になったり、不機嫌になったりする場合もあります。
・興奮し、イライラもしやすい
・好きなことを何もしなくなる
・災害ばかりを気にかける
・罪悪感を抱く
→子ども達は何か災害や事故といったひどいことが発生すると自分を中心に考え、「自分が悪いことをしたからだ」という罪悪感を抱く傾向です。また、「家族がケガをする・亡くなる」というイメージを抱き、身の回りでも何か悪いことがあれば考えてしまう場合もあります。
・怖い夢を見たり、不眠になる
・腹痛や頭痛など、ストレスを受けて、身体に症状が現れる
・食事を摂らない
・学校などに行き渋る
参考サイト
「不安行動起こす子は抱きしめて」 妊婦や乳幼児連れの避難の注意点 朝日新聞アピタル(2024年)
WEB特集 子どもが “地震ごっこ” を始めたら どうすれば? NHK NEWS WEB(2024年)
子どもたちの心のケア 身近なあなたにしかできない4つのこと NHK NEWS WEB(2024年)
子ども達へ心のケアをするために、大人が行うべき対応は?
災害が発生して危機的な出来事に直面した子ども達の心を傷付けないためには、周囲の大人が、どう接すればいいのでしょうか?
災害が起きた時の子ども達の心のケアが専門の、2024年1月に、能登半島地震の被災地でも支援活動に取り組んだ国際NGOの「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の赤坂美幸さんに質問しました。
赤坂さんによれば、子ども達は大人に比較して、状況を理解しながら被害や自分の置かれている状況の見通しを立てることが困難で、ストレスを感じやすいといいます。そのことから被災した直後は、様子に変化が見受けられることが珍しくありません。
赤坂さんは「子ども達のための心理的応急処置」として、「見る」「聴く」「繋ぐ」などという、7つのポイントを紹介しました。
この7つは、精神保健や心理の専門家でなくても、みんなに使えるやり方です。
①「安心感」を与えること
子ども達を励まし合うことを大事にしてほしいと発信しています。
普段よりも少し意識して、スキンシップや一緒にいる時間を増やすことが重要です。
子ども達が怖がった時に主張に耳を傾け、「今はもう大丈夫だから安心して」とか「みんなで守るから心配しないで」と伝えながら、心配や疑問に思っていることには、簡単な言葉で穏やかに対応して頂きたいといいます。
答えが見つからない場合も、「分からないけど、様子を見ておこうね」などと大人の側が正直に対応するのが良いといいます。
また、言葉を使ったコミュニケーションができない子ども達にも同様に声をかけることで、表情や仕草が子ども達の安心感を与えます。
②見ること
まず、子ども達や家族自身の安全が確保されているか、周りの状況を確認します。
明らかに周囲に困っている子ども達がいないか、親御さんや養育者であれば、お子さんの様子がいつもと違うところはないか見守ります。
③「日常」を取り戻すことを助けること
どんな些細なことでも構わないので、「いつも通り」を維持することが子ども達に安心感を与えます。
具体的には歯磨きや食事、睡眠時間、着替え、それに遊びを加えます。
特に遊びは、安全が確保できた場所であればどこに居ても、遊びやおもちゃに使えるものを用意し、それが無い場合は、指相撲をしたり、身体を使いながら歌ったりするといった、道具を使わない楽しさや遊びが、安らぎに結び付きます。
④聴くこと
支援が必要な子ども達を支え合いながら、困っていることはないか質問します。
ですが、注意して頂きたいこととしては、子ども達に根掘り葉掘り身に起きたことを聞くのではなく、子ども達の側から話し始めたら、その話に傾聴するというのがポイントです。
⑤被災地の映像を繰り返しテレビなどで見せないこと
小さい子ども達は映像や画像の伝える事実をしっかりと把握できず、大きな衝撃を受ける恐れがある以外にも、過去の出来事を、いま起こっていると捉えがちになり、「自分のせいでこの災害が発生してしまったのではないか」とか、「同様なことが自分の近くでもすぐに発生するのではないか」と思ってしまう場合があります。
また、自発的に情報を獲得することが行える様になる小学3年生から小学4年生以上の子ども達でも、コントロールできないほど災害に感情移入してしまう場合があり、注意を払って下さい。
いつも、子ども達がよく観ていたDVDやテレビ番組などがあれば、そういうものを見せたほうが良いと専門家のアドバイスもあります。
⑥繋ぐこと
子ども達の話の中に、支援が必要なことが生じたら、それが満たされる様に、情報を紹介したり、専門家へと繋げます。
⑦子ども達は自分で回復する力を持っていること
子ども達の自分自身の回復力に大人が自信を持つことも大事です。
国際NGOの「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」では、子どものケアを巡る「見る、聴く、繋ぐ」の行動原則を、みんなが行える「子どものための心理的応急処置(PFA)」として公式ホームページでお知らせしています。
参考サイト
被災ストレスで傷ついた子どもの心 誰もができる見守りポイント 毎日新聞(2024年)
【動画解説】災害時 子どもの心のケア 周囲ができることは NHK NEWS WEB(2024年)
例を挙げると、抱っこを求められたら、ボディタッチを意識して増やします。「靴下を履かせて」と言われたら、自分でできる時でも履かせてあげます。不安な気持ちを無理に引き出そうとせず、子ども達が自発的に話した時には遮らずに共感しながらよく傾聴します。
食べる物や遊びの種類など、小さなことでも自分で選択可能な環境を整備することも大事です。自分自身や周りの状況をコントロールする感覚を取り戻し、自信を深めることに直結します。
ストレス反応は、一般論では生活環境が整備されることで自然に落ち着きを取り戻すとされます。ですが、自分自身や他者を傷付ける可能性があったり、日常生活に大きな支障をきたしたりする場合などは、避難所を巡回する医師や自治体の支援窓口に相談する必要があります。
赤坂さんは「子ども達の心のケアは、専門家でないと行えないと思われるかもしれないが、そんなことはありません。身近にいる大人が、子ども達の様子を見守り、受け止めることが、安心感を取り戻すために大事な支援です。それでも気がかりなことがある時は専門家に相談して頂きたいです」と説明しています。そのためには、「まずは命の安全が確保され、衣食住を整えることが最優先です。大人が必要なサポートを受けることも欠かせません」と懸念します。
それ以外にも、
災害が発生した後、子ども達が「地震ごっこ」「津波ごっこ」など、大人には“不謹慎”と見える遊びを始める時があります。
子ども達は言葉で感情を説明することができないことが多く、ごっこ遊びのカタチで感情を体現し、気持ちを共有します。ごっこ遊びは怖さを感じづらく、ストレスに対して“治療的な行動”だとも言えます。
大人が頭ごなしに叱ると、「災害を感情で表現することは悪いことなんだ」と受け止め、感情を内面に蓄積させ、心にフタをしてしまいます。
まずは30分ぐらい子ども達の様子を観察しましょう。子ども達もいつまでもごっこ遊びにのめり込むわけではありません。
赤坂さんは「子ども達も大人と同様に、大きな環境の変化は心の負担に直結します」と主張します。
そのことで、「子ども達の様子がいつもと違い、日常生活に支障が出ている時は、避難所にいる医療従事者や、学校の養護教諭、地域の保健師などの専門家に、躊躇せずに相談して頂きたいです」と語りました。
この様に子ども達にも、様々な心の変化が、災害が発生すると訪れます。大人が情報収集するために、被害の状況をニュースで観ていることも、場合によっては子ども達には悪影響で、一緒に観ない方が良いという声もあります。
今心配しているのが、集団避難している子ども達で、集団避難先の情報が少なく、かつ短い時間で避難するか決めなければいけなかったので、かなり迷って選択しない子もいました。
どちらも中学3年生ですが、「受験があるから、環境が整っている場所に行く」と話す男の子や、「行く学校の情報が少なく、行こうと選択しなかったが、避難所では持っている教材も少なく、学校もいつ再開されるか見込みがないことで、受験を控えているのに行かなかったことを後悔している。次の集団避難があった時は、手を挙げようと思う」と話す女の子もいました。
本当に能登半島地震が、子ども達がその後の人生の選択肢をしなければならない時期と重なり、凄く大変だと思います。
小さい子ども達にもストレスで心の変化があると思います。そんな時に、大人も大変ですが、周りの大人が子ども達に関わって、安心できる環境づくりをして頂きたいなと思います。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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