アピアランス・ケア。がん患者さんの医療用ウィッグなどの支援や、最新の治療法。

アピアランス・ケア

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

政府は2023年3月28日、自治体と企業の共同などを加速してがん検診を推奨し、がん検診の受診率の目標を、従来の50%から60%に引き上げることを盛り込んだ国の新たな基本計画の閣議決定をしました。

計画では、従来の基本計画に盛り込まれている「がん予防」、「がん医療」、「がんとの共生」の3つの柱を継続し、課題やサポートすべき施策などを定義しています。

また、外国では承認されている薬で、日本では承認されていない治療薬の投与が増えていることで、日本での早期の治療薬の開発の促進など治験の実施をする以外のも、従来の基本計画の見直しを含む対応策を検討します。

それ以外にも当事者やその当事者家族が医療などのサービスを使いやすくするために、オンライン診療の治験や提供、相談サポートのオンライン化など、デジタル化も推奨します。

がんは身体をボロボロにしますが、そんな中で注目を集めているのが医療用ウィッグなどを支援する『アピアランス・ケア』です。

今回は『アピアランス・ケア』に関してと、最新のがんの治療法Part⑵を発信します。

『アピアランス・ケア』とは?

画像引用・参考:アピアランス・ケア 福岡県庁ホームページ(2024年)

がんの治療に当たり外見が変わることがあり、当事者の生活する上での質に与える大きな影響があります。不安や悩みを抱える当事者への支援は『アピアランス(外見)ケア』と言われ、人工乳房や医療用ウィッグなどの購入費の一部を助成する自治体が増加傾向です。

卵巣がんを罹患して2022年1月から抗がん剤治療を続けている福岡県古賀市に住む女性は、抗がん剤の治療の副作用で髪の毛が脱毛し、見た目が変わったことに悩みを抱える様になりました。そこで女性は2022年5月、ショートヘアのウィッグを買いました。そのウィッグの購入費用2万5000円の半額を、同古賀市からの助成に当てました。

古賀市が携わる助成事業においては、医療用ウィッグなどに2万円、人工乳房などの補整具に1万円を上限に半額を助成していて、2022年4月から行っています。女性は「抗がん剤の治療やがんの検査にはお金が多くかかります。経済的なサポートでがん当事者に寄り添おうとする古賀市の姿勢を嬉しく感じます」と喜びました。

女性にショートヘアのウィッグを販売したのは、福岡市中央区にあるNPO法人「ウィッグリング・ジャパン」です。12年前からがん当事者向けにウィッグのレンタル事業を実施していて、福岡県内で『アピアランス・ケア』に助成する自治体が拡大したことがきっかけで、2022年4月からウィッグの販売もスタートさせました。

代表理事の上田あい子さんによりますと、同NPO法人「ウィッグリング・ジャパン」で販売しているウィッグは治療を終えたがんの当事者から無償で譲り受けてクリーニングしたリユースアイテムとなり、ウィッグの販売価格は3000~4万円程度です。ですが、新品だとウィッグは一般的に数万~数十万円で販売されていて、上田さんは「高額なことでウィッグを買うことを諦めたという人もいます。助成は患者の支えになるはずです」と説明します。

参考:がん患者の外見をケア 読売新聞(2022年)

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治療法①手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」

神戸大は2日、国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を使った初めての子宮体がん手術に成功したと発表した。

ヒノトリは川崎重工業(神戸市中央区)とシスメックス(同)が出資する「メディカロイド」と、神戸大が共同開発。2020年以降、泌尿器科領域での症例を積み重ねてきた。今年11月には札幌市の札幌医科大で大腸がんの手術に、愛知県の藤田医科大で胃がんの初手術に成功している。

ヒノトリでの婦人科領域と消化器外科領域の手術は12月から保険適用になったばかり。

引用:手術支援ロボ「ヒノトリ」初の子宮体がん手術成功 婦人科領域に拡大、利点は出血量抑制 神戸大 神戸新聞NEXT(2022年)

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治療法②ウイルスを使って、がんを死滅させる研究

この数年、様々なウイルスに私たちは苦しめられてきましたが、そのウイルスを味方に付けて、がん治療に活かそうという研究が浸透しつつあります。がん細胞にだけ感染するウイルスを合成し、がん当事者のがん細胞を破壊して貰おうという研究です。研究者らは2022年10月に、この研究の専門の学会を発足し「がんのメーンになれる治療法の1つとなる大いなる可能性を秘めている」と発信しています。

通常ウイルスというものは細胞を乗っ取ります。自分だけではウイルスを増加させることが不可能なので、人の身体内に侵入し細胞を感染させます。細胞が遺伝子をコピーして増大する仕組みを乗っ取り、ウイルスの遺伝子を細胞がコピーして増大していきます。ウイルスに乗っ取られた細胞は最後には死滅してしまいます。

このウイルスによる細胞の乗っ取りを逆手に取った研究が、がんのウイルス治療となります。身体内に入ったウイルスが、感染してがん細胞を死滅させてくれれば、がんを退治できます。

2015年にアメリカで先進国で初となる「がん退治ウイルス」が医薬品として承認され、2021年には2例目が日本でも承認されました。東京大医科学研究所の教授の男性らの研究への成果の表れです。

東京大学医科学研究所の教授の男性らは、唇などに発疹を発症させるヘルペスウイルスの3つの遺伝子の仕組みを改変しました。がん細胞は増殖力がとても強く、普通の細胞と比較しても顕著に増え続けます。恐ろしい性質ですが、そのがん細胞の特質を逆手に取ります。遺伝子を改変したヘルペスウイルスは、このがんの増殖力を活かせなければそれ以上の増殖はできません。なので普通の細胞では増大しません。

この改変したウイルスは、がん細胞に感染した時に増大し、最後はがん細胞を壊して周囲で粉々になります。その上で周りのがん細胞を同様に破壊して増殖を繰り返し、がんを死滅させられます。東京大学医科学研究所の教授の男性は「身体内で改変したウイルスが増大する、という意味でも新しい発想です」と主張します。

さらに、がん細胞が改変したウイルスに感染して破壊されると、身体の免疫は、そこに緊急事態があることに気付きます。免疫細胞が、がん細胞を外敵として認識しての攻撃も可能で、がんが再発した場合にも「ワクチン」の様な働きをして、獲得した免疫がすぐにがんを攻撃可能とする可能性も秘めています。

参考:バイオ技術が難敵を味方に ウイルスでがん退治 「新たな標準治療へ」 研究者ら学会設立 東京新聞(2022年)

治療法③がんゲノム医療

複数あるがん関連遺伝子の変化を一括で検査をし、効果が見込まれる治療薬を探し当てる「がんゲノム医療」に関して臨床研究を加速させていた京都大学病院は2023年3月13日、がん治療早期の検査でこれまでのおよそ3倍のがん当事者に有効な治療を行えたとする分析データを明らかにしました。

このがん治療早期の検査は「パネル検査」と言われ、網羅的に数百種類もの身体内のがん関連遺伝子を調査します。日本では標準的ながん治療が終えたがん当事者や、他に治療法が見つからないがん当事者に関しては公的医療保険が適用されますが、がん治療早期の検査段階では既に症状が悪化して治療を行えないがん当事者も多くいて、がん治療検査を早期に実施することへの必要性が危惧されていました。

参考:遺伝子の早期検査「有効」 がんゲノム医療で京大病院 北海道新聞(2023年)

『アピアランス・ケア』に関しては、

最近よく名前を聞きますし、医療用ウィッグやがん患者さんへのネイルチップの記事を2022年、2023年も人工乳房の記事を書きましたし、去年から名前を知らなくても、いつの間にか『アピアランス・ケア』の記事を書いていたんだなと思いました。

私の飲んでいる薬でも副反応はありますが、がんの抗がん剤は髪や爪以外にも、爪やまつ毛、眉毛にもこの『アピアランス・ケア』を書くにあたって調べたら書いてありました。

医療用ウィッグとかも相場ですと、やはり凄く高そうなイメージがあります。なので、この様なNPO法人があると助かりますよね。医療用ウィッグに関しては、以前書いた別の記事を読んで頂くと、より分かるかと思います。爪に関しても少し下記の記事で触れていますので、読んで頂ければと思います。

色々がんの治療法については色々出て来ましたが、「これだったら確実に効く」という画期的な治療法が早く出て来て欲しい、と祈っています。

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noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。