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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は2022年にマイクロプラスチックなど、3つのプラスチックの話題を書いて来ました。この3つは社会問題などのカテゴリーに入りますが、その後は海洋プラスチックを使って作った、アクセサリーといった、SDGsで社会福祉の話題を書くことが多くなっていました。
最近マイクロプラスチックなどが、人体に与える影響をセンセーショナルな内容で、取り上げている記事を読みました。
マイクロプラスチックなど微小なプラスチックはポリ袋やプラごみなどに分解されてできます。飲料水などにも含まれていると言われていて、人の身体内の血液中から検出されたとのデータもあります。ですが、人体への影響は解明されていませんでした。
人の頸動脈にできた隆起を切除して解析した結果、6割弱にマイクロプラスチックなど微小なプラスチックが含まれていたと、イタリアの研究グループが明らかにしました。
マイクロプラスチックなど微小なプラスチックが検出された人は、検出されなかった人に比較して、脳卒中や心筋梗塞などになるリスクが4倍以上になっていました。
マイクロプラスチックなど微小なプラスチックが身体内の他の場所にも広がって、炎症を起こしている恐れがあるということです。
研究成果は2024年3月6日付のアメリカの医学誌[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン]で掲載されました。
今回はイタリアの研究グループより明らかにされた、マイクロプラスチックなど微小なプラスチックと人体に与える影響について、考えていきたいと思います。
微小なプラスチックの蓄積が脳卒中になる⁉ その詳細
頸動脈の隆起は動脈硬化の原因になると言われていて、切除するケースが多いとします。研究グループは、イタリア国内で、無症状の18~75歳の257人の頸動脈から切除された隆起の解析をしました。
58%に当てはまる150人からマイクロプラスチックなど微小プラスチックが検出されました。詳細を電子顕微鏡で観察すると、免疫細胞内にマイクロプラスチックなど微小プラスチックが取り込まれていて、炎症を起こす物質がより多く示されたことも確認されました。
頸動脈を切除した後に患者さんを3年弱追跡した結果、脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクや、何らかの理由で亡くなる複合的なリスクが4.53倍まで達していました。
イタリアの研究グループは、マイクロプラスチックなど微小プラスチックと病気や死亡との因果関係は不明だとしていますが、「マイクロプラスチックなど微小プラスチックは身体内で広範囲に分布し、心臓などに蓄積することが動物実験で判明しています」とし、人の身体内でもマイクロプラスチックなど微小なプラスチックが広がっている可能性を示唆しました。
参考:微小プラスチック、頸動脈の隆起に蓄積 脳卒中のリスク高まる 毎日新聞(2024年)
脳神経内科学が専門の岐阜大学の教授の男性は、「イタリアの研究成果はとても衝撃的な内容です。マイクロプラスチックなど微小なプラスチックが身体内にあると、炎症反応が増強され、それに伴い心血管系の病気を発症することが懸念されます」と危惧しました。
一部知っていた
私が2022年にマイクロプラスチックの記事が掲載される前、よくマイクロプラスチックについて調べていて、その時に「血液中からマイクロプラスチックが検出」「実験で空気中に微量のマイクロプラスチックが、都内で飛んでいることが判明」などという記事もよく目に留まり、ですがほとんどの記事が有料だったので、全文を読むことができなくて、肝心の部分は分かっていませんでした。
今回久しぶりに社会問題寄りのテーマでマイクロプラスチックについて触れたのですが、ただ血液中にマイクロプラスチックが留まるだけではなく、頸動脈の隆起、それ以上に脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが上がるといった、とてもショッキングな内容を知ることになりました。
国は基本的に大陸続きですが、空気はどこにでもあって、もしかしたら海外にある空気も日本にも流れているのかもしれない。海が近くにない場所だって、空気でマイクロプラスチックがどこにでも運ばれているはず。
「イタリアって日本から遠いし、海外の話だよね」とか対岸の火事だとは思わず、日本でも実態調査をすれば、身近に起きている問題だと言えることだと、決して全く関係のない話ではないと知って頂けたらと思います。
最後に私が2022年に書きました、マイクロプラスチックの記事のリンクを貼っておきますので、併せて読んで下さると嬉しいです。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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